2020/12/30 17:21

皆さまこんにちは。

NPOリンクトゥミャンマー理事長の深山沙衣子です。


まずは、このページに来て頂きました皆様に御礼を申し上げます。


私たちは日本に住む外国人が、人道上最低限の生活を確保できるよう、様々な定住支援を実施しております。


今回NPOの新事務所を設立することにあたり、クラウドファンディングを実施しておりますが、現在、お二人の外国人が、この新事務所地に宿泊しております。


写真は、お二人が休んでいる部屋の外から撮影しています。


このお二人は、難民申請中の特定活動ビザで日本に在留しておりましたが、様々な事情があって、現在3ヶ月のみ日本在留が許可されている帰国準備ビザに変わっています。


年末に住居を失いました。


区役所の生活保護課、シェルター探しができる外国人専門の住居探しNPOなどに、当会から問い合わせましたが、ちょうど年末年始の休暇にあたり、行政機関や、不動産仲介会社が開いていません。不動産仲介会社が開いていたとしても、在留期間3ヶ月の方にアパートを提供してくれるかは分かりません。


警察は緊急受付をしていますが、警察の緊急受付ですと、住居を失った理由を様々問われます。関係者へ連絡されます。関係者に連絡されたくない事情がある場合、警察経由でシェルターに入るのは難しくなります。


また外国人お二人のうちお一人は一歳の子供です。


このお二人の場合は、様々な事情が絡んで、年末に住む場所がなくなったのですが、一歳のお子さんが住む場所もなく年末を迎えると言う現実がありました。


定住外国人は、外国人同士で住居を貸しあったり助け合いを行いますが、お子さんがいると、助けてくれないケースもあります。


そんなわけで他の外国人のお友達の家から当会事務所の場所に1時宿泊となったわけです。


東京の大久保公園で、生活する場所がない方への炊き出しと東京都の支援が行われています。寒い公園に、子供を連れて行くのは大変です。


本日、彼らの荷物で、事務所の部屋は満杯です。彼らが荷物を運んでいるときに、私は一歳のお子さんを抱っこしました。あたたかく、力強い抱擁が返ってきました。


彼らは生きている人間です。

帰国準備ビザの場合、住居探し、仕事探し、住民登録、お子さんの保育園入園手配はできません。


日本に上陸してから、発展途上国の自分たちの家族を豊かにするために、難民申請を続けてきた身分であっても、生きています。


私は常々、外国人の日本社会での共生について考え、定住支援をする中で、できるだけ法務省の外国人のビザ運用に沿う定住支援を模索してきました。


技能実習生制度は人権搾取だとか、日本の難民申請制度では難民の人権が守られないとか、そういうことを世界的に言われている事は知っています。そういう部分も一部ではあります。


しかし一方で、技能実習生制度によって、学歴のない発展途上国出身の外国人が日本で稼ぎ、幸せになる場合もあるのです。難民申請を繰り返す方が、申請中に日本で稼ぎ、母国に送金し、発展途上国の方の生活が豊かになると言うのも事実です。


今ある制度の中で、適正なビザ運用を。今ある制度の中で、人権が守られ外国人が幸せになり、そばにいる日本人も幸せになること。私のような草の根活動をする者は、そこを追求するのが、目の前にいる外国人にとって、またそばにいる日本人にとって、現在時点では最善の道だと思っています。


制度を変えなくていいと主張しているのではありません。制度は社会情勢によって、適正に変更され、規則は適正に運用されるべきです。


長々と書きましたが、このお二人が、雨風をしのげて、ゆっくりと眠れる場所を提供できてよかったです。


引き続き当会の活動にご注目いただけましたら幸いです。そして皆様のご支援を賜ることができましたら、ありがたく存じます。


特定非営利活動法人リンクトゥミャンマー


理事長 深山沙衣子

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045-567-5858