2021/03/14 08:00

おはようございます!
このクラウドファンディングの中の人、NPO法人Reジョブ大阪の松嶋です。

いよいよクラウドファンディングが始まりました。
30日間、どうぞよろしくお願いいたします!

そして、既に沢山の支援が集まっています。このクラウドファンディングが広まっています!
本当にありがとうございます!

さて、皆さんは「失語症」って聞いたことがありますか? おそらくこの記事を読んでいる人は、既に支援をしているか、何らかのつながりがある方だと思われます。でもこの記事を読んでいる人の1%でも「初めて聞いたわ」という人がいたら、それは私たちが希望する社会に1歩近づいたことになるのです。知ることで人の心は動き、結果、社会は変わる。私はそう思うんです。


私には失語症の友人知人が大勢います。そして、その症状、困りごとは十人十色。

ある人は「おお(うん)」しか言えませんが、とても幸せそうです。
ある人は、めちゃくちゃおしゃべりですが、読み書きができません。
ある人は、言葉を発するたびに吃音が出ますが、お人柄か、思いやりのある言葉しか出てきません。
ある人は、言葉が分からなくなり、長年コミュニケーション恐怖症のような感じでしたが、今は少しずつ外に出ています。

でもちょっと想像してみてください。
このような方たちが何の困り事もなく生きていける社会、国だったら、障害はどこにもないと思いませんか?
そう、障害って、その人にあるわけではなく、社会にあると思いませんか?

例えば、足の不自由な人に、「あなたが大変なのは、あなたの足に障害があるからです。だから、リハビリをして、あなたをできるだけ健常者に近づけましょう」というのが、今までの障害に対する考え方でした。
もう、気が付きましたね。
そう。「あなたが大変なのは、あなたの足ではうまく生きていけないという「社会」に障害がある。だから、その障害を取り除きましょう。どこに障害があるのか、あなたの方が気づくと思うんです。教えてください」というのが新しい障害にする考えなのです。
もちろん、良くなるというのならリハビリはした方が良いです。
特に失語症や高次脳機能障害といった脳損傷の場合は、長い時間がかかるかもしれないけれど、回復が見込めるらしいのです。でもその「長い間」に、生きるのに不自由だとしたら、悪いのはその人ではなくて社会の方じゃないですか?


脳損傷者の不自由は、見た目では分かりません。脳は見えないところにあるからです。
これは何も、身体に障害がある人はマシじゃん!と言っているわけではありません。
脳損傷者の不自由の特性というか、特徴的な部分なのです。
「見えない障害」と言われているゆえんです。

例えば、あなたは、足の不自由な人に「歩け!」とは言いませんよね?
目の不自由な人に「見ろ!」とも言わないと思います。
でも、脳の損傷で、今まで通り言葉の読み書き、聴く話すといったことができなくなった人に、
「なにやってんだよ」「とっととしろよ」「なんとかしろよ」「早くしろよ」と言ってしまうのが、今の社会なのです。
なんとかするのは社会の方だと思いませんか?


私が失語症のある方とコーヒー屋に行った時のこと。
注文したいものについて、店先でゆっくり話し合い、カウンタでもゆっくり話して、フラペチーノを買いました。

「ずっとこれが飲みたかったんだ……」

私はこの言葉を聞いた時、涙をこらえるのが大変でした。
お店の看板は横文字だらけ。サイズもSMLではないどこかの外国語。メニューの写真は小さく、その横にはこれまた小さいカタカナ。そして「これでよろしかったでしょうか?」という変な応対(あ、私は国語の先生なので、こういう変なコンビニ用語に厳しいのです)
本当は違うけど「よろしくはない」とも言えず、いつも「あ、それでいいです」と温かいコーヒーを頼んでいたのだそう。

でももしこれが、どの人でもオーダーしやすいように工夫されたメニューだったらどうですか?
障害者も、お年寄りも、コミュニケーションが苦手な人も、めっちゃ頼みやすくなったら、お客さんもハッピー、お店も商売大繁盛になりませんか? 誰も困らない。むしろ三方好。それが障害のない社会だと思います。

もちろん、そういう社会を作るのは大変です。お金もかかります。時間もかかります。
でももし、日本がそういう国になったら、「急に障害を持っても安心」「将来年をとっても(それは当たり前ですが)不自由しない」「生まれ変わっても日本がいいな」そういうことになりませんかね?


最近、NPOの活動を始めてから「脳」の本ばかり読んでいるんですが、脳ってすごいんですよね。

例えばね、人間つらいことがあった時、あることをすると、早く立ち直ることができます。
この、あることとは何でしょう?
答えは、「ボランティア活動」つまり、人を助けるために動くことです。

人は人を助けると、オキシトシンというホルモンが脳から分泌されるのだそうです。
オキシトシンはその人自身の恐怖を鈍らせ、その人に勇気をわかせるとのこと。自分が苦しい時こそ、誰かを助けると、自分も早く立ち直ることができるということなのです。

よく、ボランティア活動をした人が「自分も勇気をもらった」と話すことって多いと思いませんか? 私は長年きいてきたこの「自分も勇気をもらった」という言葉は、つらいときに分泌されるこのホルモンのおかげなのだと気づきました。

このせっかくの脳からの贈り物を、脳を損傷してしまった人に贈る。つまり助け合いです。そうすることで、ストレス者会で生きる両者のストレスが減り、双方ハッピーになれるはずです。

4月25日、失語症の日に失語症の本を出す。なんだかこじつけのように感じるかもしれません。
でも、これくらいイベントにしないと、この障害は、忙しすぎる日本で、どんどん後回しにされてしまうのです。そんな時こそ助け合い。
人は、人を助ける時に出るホルモンで、自分のストレスも軽減できる。
この素晴らしい脳の贈り物を、その大切な脳が傷ついてしまった人にプレゼントしませんか?