2021/04/21 19:37

(株)文化財マネージメントの宮本です。


本プロジェクトの対象である木造不動明王三尊像は、修復した後は元々あった沢山不動尊に戻して安置したいところですが、現在そこでの管理は困難な状況にあります。
そのため、大槌町中心部に現在建設中の「三陸御社地天満宮」に安置して管理する予定です。
今回の活動報告では、三陸御社地天満宮の歴史についてのコラムを「NPOまちづくり・ぐるっとおおつち」からいただきましたので、下記に掲載します。


江戸時代中期に菊池祖睛(仏眼祖睛ともいう)という宗教家がいて、東梅社という庵を拓いて学問の普及や文化活動をおこなっていました。
全国の高僧や文化人などと深い交詢を結んだり教えを受けたりし、なかでも菅原道真公に深く傾倒し、明和6年(1769) 3月、菊池祖睛は京、大坂、長崎まで諸社寺参拝の旅に出ます。
その折、九州大宰府神社に到り、宮司・満盛院快に天満宮分霊を請願します。
分霊は叶わなかったのですが、神匳(箱)に添えて許書を授かり奉戴して帰郷し、閉伊郡大槌の地に天満宮を勧請し、境内の西側のやや築山寄りに鎮座しました。
それからここを「社(やしろ)」のある「地(ところ)」、御社地と呼ぶようになりました。


以降、御社地は大槌町の歴史ある中心的な場所だったのですが、東日本大震災の被害を受けて流失してしまいました。
歴史ある天満宮の再建を期し、九州大宰府天満宮の分霊を勧請し、天満宮奉賛会を組織しました。
現在は社殿を建立中で、2021年5月中には完成の予定です。
今度の天満宮勧請にあたり、九州大宰府天満宮から特別に紅白の梅の木の寄贈を受け、現在建立の神殿の神木として植樹することになっています。

4月20日現在の三陸御社地天満宮の建設状況