2021/05/26 22:27

今日は、今度皮むきする森の下見に行って来ました。

細いヒノキが倒れかかっています。
すでに倒木しているのは主に松の木でした。

下の写真は、大雨が降れば板状に絡み合った根っこが表層崩壊する危険があります。


こちらは、森の中に不法投棄。
いずれにせよ、林床は真っ茶色です。

早く光を入れて健康な森に戻してあげたいです。


これが、日本の森の現状です。日本中にこのような森が広がっていると考えていいと思います。

そして、日本の森は世界の森ともつながっています。

前々回に、日本は世界の木材流通の5割に関わっていると言いました。日本にこんなに森があるのに、どうしてでしょうか?

実は、日本と相手国との取引(ODAー政府開発援助)により、熱帯雨林の木が伐採されているのです。伐採された森は、アブラヤシが植えられます。そして、パーム油が生産されます。これまではお金を生まなかった森が、お金を生む緑の工場となるのです。

少し前まで、森に住む先住民は、森を銀行に例え元本には手をつけず、森を未来の子どもたちからの預かり物として利子分(木の実や狩りなど森の恵み)で暮らしていました。しかし、森で暮らせなくなり、お金が必要な暮らしへと追いやられました。そして、森が壊れると川も壊れます。あとには、魚が獲れない川が残ります。

日本に輸入された木は、半分は紙、半分は合板として流通します。合板は、薄くかつら剥きにした外国の木を接着剤で貼り合わせてあるので、その強度は接着剤の強度(強度は15年で半減)とイコールになります。そして、風土の違う国から来た木ですので、接着剤には防虫剤や防カビ剤を入れます。だから、新築住宅には24時間換気扇が義付けられているのです。住宅メーカーは、その合板を多用する家を作っています。その住宅メーカーの最終坪単価は、平均約70万円と言われています。

地元の大工さんに頼めば、坪単価60万程度で、日本の木で三世代健康に住める家が建てられることは、今やほとんど知られていません。住宅メーカーの建築費の中には、数割の広告費が含まれているからです。だから、外国の木を使う家が選ばれ、日本の地産地消が壊されていくのです。平林の大工さんにも「こういうことは自分たちじゃ言えないから、もっと言ってほしい」と言われたほどです。テレビCMやチラシの影響はとても大きいですね。

こうして、わたしたちの購買行動が、知らない間に日本の森と世界の森のふたつを壊しています。

山で暮らして来た人たちは、日本の森が荒れていることを知っています。知っているけれど、どうしようもないと思っています。そういう背景があり、だれでもできる皮むき間伐ならわたしにもできる!と、今、全国の女性を中心に活動が広がりを見せています。

とても、ざっくりと書きました。詳しいことは、リターンの森のお話会または、インターネットで検索してお近くのお話会にご参加くださいね。オンラインでお話会をしている仲間もいます!「きらめ樹」と検索してみてください。

まずは、知ること。
そして、自分には何ができるかと考えて行動すること。

一人ひとりの力は小さいけれど、世界を変える力があります。
それは、今回のソーラーパネルの件でも実感したことです。