2022/02/17 18:19

以前取材していただきました競馬ジャーナリストでターフライターの平松さとし様から応援メッセージが届きました!
流石というしかない、まるでポエムのような心に響くメッセージです。

現実の厳しさや悲しさを教えてくれたのは競馬だった。

 それ以上に楽しさや面白さを味わわせてくれたのも競馬だった。

 好きな馬名から入った人もいるだろう。馬体の格好良さや美しさに惹かれた人もいるだろう。大きな夢を共にかなえる馬もいる反面、一所懸命に走りながらも大願を成就出来なかった姿に自分を投影した人もいるのではないだろうか。新馬戦で、重賞で、GⅠで、そして時には未勝利戦でもドラマ性を感じ、興奮し、感動し、涙する。競馬に魅了され、心をふるわせた人、心が豊かになった人は数多いだろう。

 そんな競馬の主役はいつも馬だった。あの牧場も、一流トレーナーも、トップジョッキーも、時に中心になるようで、本当の主役はいつもサラブレッド。競走馬無しではあの時の感動も興奮もあり得なかったのだ。

 そんな競走馬の競走馬としての寿命はせいぜい4~5年。長くても8~9年といったところか。しかし、競走馬としての寿命がそうだとしても、馬としての命はそれからもまだつむがれる。それは競走馬としての命よりも長くて当たり前。5年、10年、中には20年以上という馬も珍しくはない。走る事で感動をくれた彼等に恩返しが出来るのは、実は競走馬を退いた後、走るのをやめてからなのかもしれない。恩返ししなくても、馬達は何も見返りを求めないけど、だからこそ……。