2023/03/16 20:15

2023年3月16日、名古屋高裁で歴史的な法廷を傍聴しました。写真は名古屋高裁です。

歴史的だったのは、2013年の生活保護基準引き下げにあたって計算の責任者だった厚生労働省官僚(当時)が、被告側証人として、当時の状況や計算内容についての原告側からの証人尋問に応じたことです。その官僚は、厚生労働省の数少ない数理専門官です。大学院修士課程で数学を研究した後、厚生労働省に入省しています(修士課程での研究内容は、私自身の修士課程での研究と一部重なりがあります。ウズウズ)。

数学者をはじめとする科学者が法廷に立つことは、先進諸国では珍しくありません。科学者たちが行政や政治に深く関わっていますから、問題があれば責任を問われるのは当然です。

今回のクラウドファンディングの目的、WCSJ2023が開催されるコロンビアにおいても、事情は同じです。しかし日本はこの面について、南米やアフリカの国々の多くと比較しても、立ち遅れが目立ちます。既得権益との闘いや、変化を拒む社会との折り合いは、どこの国でも課題であるはず。

日本は、やれば出来るのでしょうか? やる気スイッチをONにするには、どうすれば良いのでしょうか? 

世界の科学や科学ジャーナリズムの祭典で当然のように話題になる、極めてナマナマしい「科学者の社会に対する責任」の多様な在り方やハードルの超え方を、しっかり学んでこなきゃ。

というわけで、引き続きの応援をお願いします。