2018/07/06 17:31

世界の医療団です。
現在(7月6日17時時点)までに9万7千円のご寄付を頂戴しました。
皆様のあたたかいご支援、ありがとうございます。

私たちの活動の中心を担うのは、ロヒンギャ難民の14歳から17歳のユース世代の若者たちです。なぜ彼ら、「若者たちの力」なのでしょうか。

ミャンマーで長い間、人権侵害に苦しんできたロヒンギャの人々。

1982年、国籍法の制定により、ロヒンギャは土着民族として認められず、その結果、国籍をはく奪され、市民権を失いました。また、居住する地域からの移動を禁止されたり、夜間の外出を禁止されたりするなど、徐々に自由に生きる権利を奪われていったのです。

ミャンマー政府は、教育に関しても同様にその権利をロヒンギャの若者たちから取り上げました。バングラデシュに逃れたロヒンギャの人々の話によると、特に女の子、女性は中等教育や高等教育を受けることができず、男性も大学などの高等教育の機会が段階的にはく奪されたとのことです。

バングラデシュにわたったあるロヒンギャの若者の証言

 

軍や警察に見つかれば、いつ殺されるかわからない恐怖の連続の中、やっとの思いでたどり着いた難民キャンプ。ここでの生活も人としての権利は守られず、やはり過酷なものでした。

 

世界の医療団は2017年11月から、医療を必要としながらもクリニックまで遠いところに住んでいる方や、具合が悪いために動くことができない方にアウトリーチ(訪問)し、医療につなげる活動を行いました。このときの対象者は、もっとも弱い立場にある子ども、妊産婦と女性、高齢者でした。また、難民キャンプで活動する多くの団体も、過酷な環境にある脆弱な子ども、女性、高齢者を対象としていることがほとんどで、ユース世代の人々が取り残されている現状がありました。

前述の通り、彼ら、若者たちも命の危険がある中、なんとか難民キャンプにたどり着きましたが、今は「キャンプの中にいること」しか許されません。多くの若者たちが望む、勉強も仕事もできる環境にはないのです。

 

そこで、私たちは彼ら、若者たちがもつ力を生かして、難民キャンプで暮らす人々の健康を守る活動を始めることにしました。

それが、このプロジェクトです。キャンプ内の対象地域からユース世代(14-17歳)40人を選び、彼らに研修をした上で、コミュニティ内の保健衛生・防災教育を担ってもらうのです。

長期化が予想される難民キャンプでの生活で、人々の健康状態が懸念されていることに加え、雨季に入り、住環境や衛生環境がより悪化することが予想されるため、この課題への対応は必須です。

ミャンマーにおいて暴力と迫害の中にあっても、
難民キャンプでの過酷な生活の中にあっても、
勉強がしたい、仕事がしたいと望むロヒンギャの若者たち。

未来を担う彼らとともに、難民キャンプで暮らす人々の健康を守る活動です。

皆様の力を貸してください!