▼はじめにご挨拶

 みなさん、こんにちは。松中 権(まつなか ごん)です。普段は、認定NPO法人グッド・エイジング・エールズという団体の代表として、LGBTなどのセクシュアル・マイノリティと社会をつなぐ活動をしています。

(写真撮影・提供:anno、以降すべての写真)

 ぜひ、みなさんの力をお借りして、2020年に向けた道路整備のために伐採・伐根されることが決定した、新宿二丁目と三丁目の間の緑地帯に立つ大きなクスノキ3本を、木材チップではなく、街行く人たちのための憩いのベンチとして残し、未来につないで行きたいと思っています。

 今回は、NPOとしての活動ではなく、大きなクスノキ3本が大好きな一人の個人として、有志の仲間たちや地域の方々といっしょに「新宿二丁目クスノキを未来につなごう」実行委員会をつくり、プロジェクトを進めています。

▼このプロジェクトで実現したいこと

 環状第5の1号線(千駄ヶ谷)の整備計画とは、御苑大通りを伸ばして新しい道路をつくるもので、世界堂・新宿本店横の新宿二丁目交差点から、東京都立新宿高等学校の横を抜けて、千駄ヶ谷五丁目あたりで明治通りに接続することになっています。2020年に向けて、「慢性的な交通渋滞の緩和」や「防災性の向上」を期待し、まさに急ピッチで工事が進行中。その計画において、道路の車線を増やすために、新宿通りと甲州街道の間に位置する緑地帯の一部を削る必要があり、緑地帯に立つ大きなクスノキ3本が伐採・伐根されることになりました。

 元々の計画では、倒されたクスノキは木材チップとなる予定でしたが、どこでどのように使われるかも分からない単なる資材となることは、クスノキを愛してきた方々にとっては、とても悲しいことです。伐採・伐根されてしまったあとも、地元の方々が、これまでのクスノキとの思い出を、ずっと大切にしていけるように、東京都と相談を重ねてきました。結果として、地域の様々な方々の協力のもと、切り倒した丸太を乾燥させ、木材として製材し、将来的に街路用のベンチに加工して、地元に還元していくというアイデアが生まれ、実現する見込みが出てきました。

 東京都からは、実現のためには、3つの条件をクリアすることが必要だとされています。

①個人や店舗が主体となるのではなく、町会・商店会などを含む地域の方々が参画する実行委員会をつくり、プロジェクトを推進すること。

②伐採・伐根されたクスノキの運搬・保管・乾燥・製材・加工・納品を行う体制を、実行委員会にて見つけ、きちんと担保すること。

③最終的にベンチにして、東京都に寄贈するまでの費用を、実行委員会にて集め、すべてを民間でまかなうこと。

 本当にたくさんの方々の思いとご協力があり、11月初旬に東京都に問い合わせをしてから3週間で、①と②の条件は既にクリアしました。本クラウドファンディングでは、③の条件である、3本のクスノキの運搬・保管・乾燥・製材・加工・納品を行う実費を集めたいと思っています。

 そして、何十年もの間、多くの方々から愛され、たくさんの思い出とともに街を見守ってきたクスノキを、みんなの憩いのベンチとして生まれ変わらせ、まさに2020年のレガシーとして、この街に残して行きたいのです!

▼プロジェクトをやろうと思った理由

 3本のクスノキが立つ緑地帯の前にある「新宿ビル」は、1号館・2号館・3号館という3つの建物が横に並び、一つに繋がった6階建てのビルです。昭和49年生まれの、ホールケーキを八つ切りにしたような細長い三角柱ビルの各階には、個性的な小さなバー、レストラン、ギャラリーなどがたくさん入っていて、地元の方々にもよく知られた存在。僕自身も、ゲイであることをカミングアウトしてNPO活動を始める前から、気心の知れた友人たちと語らうために、この「新宿ビル」に入っているバーをよく訪れていました。四季の移ろいとともに少しずつ姿を変えるクスノキを、お酒を片手に窓から眺めていたことを覚えています。

 本プロジェクトのきっかけは、色々な出会いがつながり、仲間たちと「新宿ビル」1号館の2階・3階に、「新宿ダイアログ」というキッチン・バー&イベント・スペースをオープンする計画が決まったことでした。新しい店のテーマは「世界のみんなと、ごいっしょに」。国連が定めた持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals:SDGs」を、もっと身近に感じてもらい、一人ひとりが気軽にできるアクションを見つけてもらえるような、いろんな「対話」が生まれる場所を目指しています。

 11月初旬、2号館の2階にある「おやきカンパニー」というお店で、店主であり「新宿ダイアログ」の仲間でもある野村良子さん、店舗リノベーションをお願いしている「ティープラスター」の水口泰基さんたちと、アイデア会議を行なっている時に、クスノキ3本が伐採・伐根されるという事実を知りました。そして、新宿ビルに入居している方々、お客様、地域で暮らす人たちが、当たり前ですが、大変にショックを受けているということも。

 意気投合した3人は、会議を受けて、すぐに動き出します。東京都の担当窓口に電話をし、なんとか良い形で3本のクスノキを未来につなぐ方法がないかを相談。新宿ビルに入居する方々、町会や商店会の方々に声がけをして、ご協力を依頼。実際に丸太となったクスノキは乾燥させるだけでも最低3年かかるため、長期間保管し、製材し、加工までの協力をしてもらえる仲間を集結。まさに、このクラウドファンディング立ち上げの直前に、すべての準備が整いました。

「街を行き交う人たちが休むことのできる、憩いのベンチに変えて、通り沿いに設置することを目指そう!」

▼これまでの活動

「新宿二丁目クスノキを未来につなごう」実行委員会は、現在、下記のメンバーにて構成されています。

・「新宿ビル」入居店舗店主の有志
1号館:1階「居酒屋あいうえお」松丸健太、2階・3階「新宿ダイアログ」松中権・野村良子・小松朋世・水流瞬・廣橋正、5階「so bar 徳秋」冨永徳秋、6階「旧・森のうえ食堂」野村良子
2号館:2階「mama panic」宮島アキ、3階「BAR 3R」田澤綾希子、5階「KEN NAKAHASHI」中橋健一
3号館:3階「Rainbow Burritos Doumo」長村さと子・茂田マミコ
・新宿二丁目青年部
・新宿仲通り商店会
・新宿御苑大通り会
・株式会社遠藤材木店(新宿区新宿一丁目)※木材活用協力
・谷田木材(静岡県三島市谷田)※木材活用協力
・有限会社ティープラスター(神奈川県横浜市)※木材活用協力

 12月下旬から伐採・伐根が始まる3本のクスノキ。その伐採・伐根の様子を写真で記録するとともに、最低3年という長期プロジェクトにはなりますが、丸太となったクスノキの様子も、随時、記録・報告をしていく予定です。

▼資金の使い道

 本クラウドファンディングを通してご協力をいただき、集めた資金については、3本のクスノキを運搬し、保管し、乾燥させ、加工し、将来新宿を行きかう人たちの憩いのベンチとして寄贈するまでの費用に充てる予定です。

・木材運搬費:12万円
・乾燥費:28万円
・製材費:20万円
・家具製作費:20万円
・産廃費:6万円
・クラウドファンディング手数料:14万円(金額の14%)
・合計:100万円

 ※上記は、概算となります。3本のクスノキは、丸太にした段階で、どれくらい木材として活用できるものかどうかが判明します。現状は、3人用のベンチを10脚製作する想定で算出していますが、最終的には、ベンチ以外の意匠のものになる可能性もあります。

 ※目標を超えて集まった場合には、木や森や緑を保全する活動に寄付する予定です。

▼リターンについて

<2,000円コース>
 ・お礼メール
 ・本プロジェクトの報告書

<5,000円コース>
 ・お礼メール
 ・本プロジェクトの報告書
 ・「新宿ダイアログ」ドリンク1杯無料チケット

<10,000円コース>
 ・お礼メール
 ・本プロジェクトの報告書
 ・「新宿ダイアログ」ドリンク3杯無料チケット

▼最後に

 非常にタイトなスケジュールの中で、本プロジェクトに向けて、新宿ビルで働く仲間、地元のみなさん、材木店や家具職人、東京都職員の方々など、本当にたくさんのサポートをいただきました。心から感謝しています。ありがとうございました!
 あとは、クスノキ3本をベンチとして残していくための費用のみです。ぜひ、応援のほど、よろしくお願いします!そして、3年後、新しく生まれ変わったクスノキのベンチにいっしょに腰掛けて、新宿御苑から流れる心地よい風を楽しみましょう!

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