Ⅰ 本プロジェクトの趣旨
“訓練された身近な相談相手”であるコミュニティカウンセラーを熊本で育成し、その後の継続学習と活動支援をしていくことで、心のケアのセーフティネットを密にし、震災関係者の心の健康の維持増進を図っていくのが本プロジェクトの目的です。
本プロジェクトを推進する理由は、ストレスによる心身の不調はこじれる前の適切なケアが何よりも大切だからです。うつ病も虐待も自殺も心身症もPTSDもこじれることで悪化します。残念なことに阪神淡路大震災でも、東日本大震災でも、必要にして適切なケアがもれなくなされたとは言えません。私たちはそこから学び、進歩しなくてはなりません。
そこでストレスのセルフケアに加えて、日ごろから見守られ、応急手当がいつでも受けられ、そして悪化が懸念されるケースでは医療や専門家に遅滞なくつながる環境を一日でも早く熊本で作ることが必要です。その機能を担うのがコミュニティカウンセラーです。
身近に訓練された相談相手であるコミュニティカウンセラーがいる環境をつくるために、皆様のお力をお寄せください。このプロジェクトが成功したその先には、熊本のみならず、日本中どこもが、コミュニティカウンセラーによる心の安全地帯になることを大目標として遠望しています。
Ⅱ コミュニティカウンセラーとは?
熊本地震後の復興を人材育成の面から支援するのが本プロジェクトです。どんな人材かといえば、身近にいて心のケアができる人材です。その人材のことを、私たちは『コミュニティカウンセラー』と呼んでいます。この呼称は2004年のインド洋地震津波災害後に活躍した市民カウンセラーに由来します。私たちは2011年の初夏以降、気仙沼や北海道、茨城、東京や愛知などでコミュニティカウンセラーを養成してきました。
Ⅲ プロジェクトの具体的内容は?
本プロジェクトの柱は、(1)ストレスマネジメント入門講座(心のセルフケアの為に)、(2)コミュニティカウンセラー養成講座(お互いにケアできる為に)、(3)コミュニティカウンセラー認定後の継続支援(ずっとケアできる為に)の3本です。2017年度末までに熊本県の要所要所で合計180名のコミュニティカウンセラーを養成するのが中期目標です。これは熊本県人口の訳0.01%、1万人に1人の割合です。既に2016年8月と11月に熊本市中央区帯山において、33名のコミュニティカウンセラーが誕生しました。目標達成まであと147名です。
一般人をトレーニングします。元々心理学の基礎知識のない一般市民が、短期間の講習でセルフケアと周囲の人々のケアができるようになるためには、強力で使い勝手の良い“道具”が必要です。私たちにとっての道具はストレスマネジメントです。ストレスマネジメント入門は2時間です。これに加えて21世紀型心のケアである“PFA”(サイコロジカルファーストエイド)などを14時間学んでいただき、終了者をコミュニティカウンセラーとして認定します。その後は講師養成や勉強会を通して継続的に学んでいただきます。
Ⅳ 養成講座の詳細は?
(1)ストレスマネジメント入門
(2)心の応急手当
(3)カウンセリングのこころ
(4)コミュニケーション演習
(5)自分理解
(6)リラクセーションの理論と技
(7)コミュニティカウンセラーの倫理
(8)参加者の関心に基づいた特論
<講師紹介>
一般社団法人コミュニティ・カウンセラー・ネットワーク代表理事 田中 純
<経歴紹介>
心理カウンセラー。中高教諭、学校カウンセラーなどを経て赤坂溜池クリニックやNISE日能研健康創生研究所等でカウンセリングやコンサルテーションを行っている。専門は学生・生徒、勤労者のカウンセリングや心理予防教育、家族や組織へのコンサルティング。NPO法人国際ストレスマネジメント協会ジャパン理事長、一般社団法人コミュニティ・カウンセラー・ネットワーク代表理事。ニックネームは、DON。
<書籍紹介>
ストレスに負けない家族をつくる
<メディア紹介>
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