12月22日、日本経済新聞 朝刊に掲載されました。
1. はじめに・ご挨拶

みなさん、こんにちは。
高良(たから)です。

 

毎日のように、テレビやネットで被害や対策の話が出ているのにも関わらず、平均すると、毎日1億円以上もの毎年400億円もの振り込め詐欺被害が起こっていて、大きく減少していません。過去7年、毎日1億円以上の被害が続いている計算になります。

特殊詐欺は、オレオレ詐欺で326万円、架空請求詐欺で446万円、還付金等詐欺で116万円(警察庁「平成28年の犯罪情勢」) と1件当たりの平均被害額がとても高額です。

両親や祖父母を持つ人の2/3は、親や祖父母が振り込め詐欺などの特殊被害に遭う不安を感じています。

そして、恐ろしいことに、実際に半数近くの方が、自分や身近な人が被害に遭ったか、遭いそうになったことがあるのです。


そのような中、「大切な親に安心・安全を届けたい」との思いからこのサービスは生まれました。

母が特別養護老人ホームの施設長を務めていて、高齢者が振り込め詐欺で騙されて苦しんでいる人の話を直接聞きていたこと、自分自身もホームヘルパーを経験したことから、「世代を問わず誰もが安心安全に暮らせていける社会を築くことはできないか」と考えてきました。

ある日、「犯人グループの声のパターンを共有することで、被害者が出る前に通話をブロックしてしまう」というアイデアをひらめきました。

それまで自由が丘でブックカフェを経営していたのですが、このアイデアが実現出来れば「振り込め詐欺をこの世の中から撲滅できる。このアイデアをカタチにするのを優先しよう」と考え、物件を売却し、事業の資金にしました。

被害がなくならない理由をより深く理解し、またより効果のあるアプリにするための機能を考えるために、警視庁・府警・県警、自治体などを50か所以上、自身の足で回り、ヒアリングしました。
その結果、
「核家族化が進むことで 流行りの手口を知るきっかけがない」
「実際に自分に電話がかかってくると、巧妙な手口に本物だと信じ込んでしまう」
「振り込め詐欺かどうか迷うこと自体、高齢者全体の大きな精神的負担になっている」
ことが分かりました。

騙す側は電話番号を変えたり新しい手法を簡単に作れるのに、守る側が一人一人、常に新しい対応策を学んだり、お金をかけて固定電話に付ける対策機器を買ったりするのは不利と考え、初期投資のかからないソフトウェアで、犯人グループの声のパターンをより多くの人に共有してもらうことができないか、と考えました。

高齢の方にもスマホが急速に普及してきていること、振り込め詐欺は固定電話にかかってきてもお金の受け渡しでは携帯電話が使われていることに気付き、スマホ用「アプリ」の開発から始めることにしました。

ご紹介するアプリは、警察や自治体からアドバイスを頂き、改良を重ねて生まれたものです。


2.振り込め詐欺の撲滅アプリ

迷惑電話の主の声のパターンを共有することで、振り込め詐欺を未然に防ぐアプリ「ShareGuard(シェアガード)」を日本中に普及させて、振り込め詐欺を撲滅したいと考えています。

このアプリは、警戒心の高い人が「通報ボタン」を押すことで、迷惑電話の声のパターンをどんどん登録していきます。

一定期間に一定数以上同じ声のパターンが登録されると、アプリが、通話中にその声のパターンを認識して、通話を自動的に切断して、アプリユーザーを詐欺被害から守ります。


3.振り込め詐欺撲滅アプリの特徴

①本人が気づかなくても自動でブロック

「録音機」、「電話番号をブロックするシステム」などが世の中にはありますが、これらは、犯人が気にせず会話を続けたり、非通知で電話がかかってきてしまうと、巧妙な話を聞いてしまい、多くの人は信じて騙されてしまいます。(被害者多くは、自分は被害に遭わないと思っています。)

しかし、「ShareGuard」アプリは、詐欺グループから電話を受けた場合や、自分から騙されてかけてしまった場合も、アプリが自動的に立ち上がって、迷惑電話の声のパターンを認識するので、本人が全く気付かなくても、自動的に通話を切断します。切断した後に、切断理由もお知らせします。


②親族も安心

あらかじめ連絡先を登録しておけば、怪しい電話がかかって切断したことを、自動的にメールで知らせてくれるので、離れて暮らす親が騙されていないか心配な子供や親族も安心です。
(怪しい電話があったことを親族に知らせてくれるのは「ShareGuard」だけの機能です。)


③固定電話でもお金を渡す前にブロック

特殊詐欺は固定電話に掛かってくることも多いですが、お金の支払いには携帯電話が使われることが多く、お金を渡す前に気付くことができます。(架空請求や還付金詐欺は携帯電話が使われますので最初かブロックできます。)


4.役所の方からのフィードバック 

これまで警視庁や3府県警や約50の自治体の振り込め詐欺対策を担当する皆様を回って、振り込め詐欺被害者をどうしたら守れるのか、多くのアドバイス・アイデアを頂き、反映してまいりました。

『電話を自動的に切ってしまったうえで切断した理由を伝える』という機能は、「被害に遭う方は優しいので、話を聞いてしまいなかなか自分では電話を切れないので効果的」
『親族にも怪しい電話があったことをメールで伝える』という機能は「被害に遭ったり、遭いそうになっても、なかなか自分からは教えてくれないので、抑止に効果的」
と多くの警察庁や自治体の皆様から評価いただいております。

また、「録音機は、騙す側が気にしないと会話を続けて騙されてしまうし、ハードは壊れた時に誰が修理の費用をするか、廃棄はどうするか、など何かと問題が多い。その点アプリはその心配がないし後から更新できるのもいい」
といった点も評価いただいております。

これまで訪問した大半の自治体からは「リリースされたら、市民への案内やアプリの導入の支援をしたい。高齢者の3割が、役所の活動に積極参加しているので、彼らは使うと思う」とのコメントを頂いております。


5.今後の事業展開

12月下旬~1月上旬にアンドロイド版をリリース予定です。

年度内に、高齢者を多く抱える全国の100以上の自治体を往訪して、普及を図ってまいります。
また、1月より、首都圏の自治体と、自治体を通じたアプリの普及に向けたトライアルを計画しています。

今後18か月以内に100万人規模のユーザーの獲得を目指します。ユーザー数が増えることで、犯人グループ声のパターンの登録率が上がり、特殊詐欺を大幅に減らせると考えています。

また、将来的には、この声のパターンを固定電話用の機器やインターフォンにも応用して、特殊詐欺を撲滅し、世界の誰もが安心・安全に暮らせる社会づくりに貢献したいです。


6.アプリの概要・仕様

費用: 月200円

当初対応予定機種: ※高齢者の利用の多い機種を順次拡大していきたいと考えています。
 ドコモ
  らくらくスマートフォン3
  らくらくスマートフォン2
  らくらくスマートフォン
  らくらくスマートフォンプレミアム
 AU
  BASIO
 ソフトバンク
  シンプルスマホ2

国内・国際特許申請済み


7. FAQ

どうやって、振り込め詐欺グループの声を認識してブロックするのか?
⇒かかってきた電話の声のパターンを、他の人が「怪しい」と通報した声のパターンとマッチするか判別する仕組みです。マッチした場合、通話を切断した上で、切断した理由を表示させます。

振り込め詐欺グループの電話では無くても、間違って、通話を切断してしまう心配は無いのか?
⇒声紋認識の精度が高いため、誤認識の可能性は低いです。
⇒電話帳登録してある相手からの電話など、重要な相手からの電話の場合、アプリ自体が立ち上がらないため、間違えてブロックされる心配はありません。 

アプリは高齢者でも使いこなせるのか?
⇒スマホアプリのインストールは、慣れていない場合、親族の方が行うことを推奨します。スマホアプリをインストールしたことのある方であれば、簡単です。
⇒インストール後は、特に何もする必要がありません。登録されていない番号や非通知で電話がかかってくると自動的に立ち上がり、怪しい声の主だと認識すると、自動的に通話を切断して、その理由を表示します。 親族のメールアドレスを登録しておけば、自動的に親族にも、怪しい電話があった旨のメールが届きます。


8. リターンについて

1,000円 とにかく応援してくださる方向け
【クラウドファンディング完了後】に応援のお礼メールをお送りいたします。

2,000円 ShareGuardロゴ付きトートバッグ
これを持ち歩くことで、振り込め詐欺に対する意識が高まります。

2,500円 ShareGuardロゴ付きTシャツ
これを着て、振り込め詐欺撲滅を応援してくださる方向け。

3,000円 代表の高良悦子による講演
講演タイトル「恐れず志をもって周りを巻き込めば、アイデアが世の中を変える事業に進化する」
講演の概要: 
「その道のプロに自分のアイデアを問うことによるアイデアの磨き方」  
「相手にアイデアを高めてもらう、巻き込み方」
「イノベーションを生むためのアイデアの記憶方法」 など

3,500円 「詐欺アプリ普及のための現場体験」の参加権
代表の高良と一緒に全国の自治体訪問に同行いただき、現場の声を聞き、事業改善につなげていく過程をリアルに体験できます。(先着40人)

5,000円 元マッキンゼーのコンサルタントを交えた「振り込め詐欺撲滅のための作戦会議」の参加権
あなたのアイデアが、実践的なアクションに落とし込まれる過程をリアルに体験できます。(先着50人)


9.会社・チームの紹介

高良悦子(企画担当)

これまで問題意識にあった社会ニーズに対し、解決につながるアイデアを実用化することで、誰もが安心安全に暮らせる社会づくりを実現するために起業しました。

米国シリコンバレーの大学で、2019年3月にSDGs関連の事業アイデアで、イノベーションコンテストで最優秀賞を受賞した実績を持ちます。

平松勇一郎(開発担当)

9つの言語で、あらゆるOSにて、多様なミドルウェア活用し、アプリからシステム、サイトまで開発してきた、20年以上の経験を持つ、フルスタックエンジニアです。



10.さいごに

情報が入り乱れている現代社会では
信用していいかどうか 迷うこと自体が大きな精神的ストレスになっています。

お互いが協力し合うことで、誰もが安心安全に暮らせる社会を目指したい。
この大きな社会問題を共に考えていけるきっかけになれたらと思います。


11.アプリ説明動画(フルバージョン)


  • 2019/12/23 18:46

    ㈱セレンディピティ―の高良です。本日、日本経済新聞に 弊社セレンディピティ―のアプリが掲載されました。迷惑電話を切断するアプリ。ぜひ、ご覧いただけると幸いです。日経ネット版はこちらから↓https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53618860Q9A221C1F...

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