▼ご挨拶

はじめまして、白楽たまきと申します。私は双極性障害(躁うつ病)という精神障害のため障害者手帳2級を保持している障害者です。この病気が原因で休学や休職を経験しましたし、仕事に就いては再発して退職するということを何度か経験しています。プライベートでは離婚や子どもとの離別も経験しました。これは人生で一番辛い出来事でした。しかし、幸いにもこの1~2年間は、当事者会やSNSなどを通して知り合った同病者の方々に随分と励まして頂きました。それと同時に、自分以外にも多くの当事者の方々が、病気の症状に苦しんでいるだけでなく、仕事・家庭・友人・収入・生活といった様々な面で深刻な困難に直面し、人生を大きく翻弄されている現状を目の当たりにし、自分だけでなく、この病気によって生きづらさを抱えている全ての人たちを何とかしたいという思いが芽生えました。

▼双極性障害とは

双極性障害とは、気分の異常な高揚が見られる「躁状態」と、気分の著しい落ち込みが見られる「うつ状態」の間を行ったり来たりする精神障害です。躁状態の具体的な症状としては、過活動、多弁、万能感、自尊心の高揚、性的逸脱、怒りっぽくなる、金遣いが荒くなる、言葉遣いが悪くなる、といったものがあり、人間関係でトラブルを起こしやすくなります。一方、うつ状態の具体的な症状としては、無気力、無関心、喜びの感情の喪失、集中力や決断力の低下、不眠または過眠、拒食または過食、易疲労性、希死念慮、といったものがあり、症状自体に苦しめられるだけでなく、仕事や家事ができなくなったり、入浴や洗顔といった自身の身の回りことさえもできなくなったりし、日常生活にも著しい支障をきたします。症状には個人差があり、これら全ての症状が現れる人もいれば、一部の症状だけ現れる人もいます。また、躁状態とうつ状態の症状を併せ持った「混合状態」と呼ばれる状態になることがある人もいます。自殺率の高い精神障害の一つです。

双極性障害は、原因や治療法に未解明の部分が多く、現代医療では完治しない病気とされています。長期間に渡って体調が安定する「寛解」と呼ばれる状態になることもありますが、常に再発の可能性を孕んでおり、生涯に渡って付き合っていくことが求められる病気です。

双極性障害と共に生きる当事者の数に関する正確な統計データはありません。厚生労働省によると、国内で双極性障害と診断されて通院また入院している総患者数は、22.2万人と推計されています(※1)。しかし、これは医師から双極性障害と診断された患者の数であり、「うつ病と言われている人の3分の1が双極性障害か双極性障害の傾向がある」(※2)という説や、「双極性障害の人の割合は0.7%くらい」(※3)という説を当てはめると、日本には双極性障害の当事者が40~90万人いることになります。

※1:厚生労働省「平成26年患者調査」(表番号96「総患者数,傷病基本分類別」)
※2:dot.ドット「うつ病患者の3分の1が発症 「双極性障害」の怖さとは?」(株式会社朝日新聞出版、2016)
※3:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」(双極性障害(躁うつ病)のページ)

▼人生を翻弄される当事者

双極性障害の当事者の中には、病気の症状に苦しんでいるだけでなく、仕事・家庭・友人・収入・生活といった様々な面で深刻な困難に直面し、人生を大きく翻弄されている人たちが数多く存在します。ここで、私が当事者会やSNSなどを通して知り合った同病者の方々の窮状をいくつかご紹介します。(身バレや特定を防ぐために、一部で表現を抽象的にしたり、フェイクを入れたりしています。)

Aさん:「仕事に就いてもすぐに体調を崩して退職してしまうため、収入が少なく、安定しません。再就職も困難になる一方です。結婚して子どもを持つのが夢ですが、今はまだ自活できないため実家暮らしで、親に食事や家事などの面倒を見てもらっています。」

Bさん:「障害者就労支援施設で働いて稼いだお給料と障害年金でギリギリの生活をしています。家賃、光熱費、食費など、必要最低限の支出だけでお金がなくなってしまうので、貯蓄もできませんし、余暇のためにお金を使うこともできません。休みの日は家にこもって一日中インターネットをして過ごしています。」

Cさん:「障害者雇用枠で働いていますが、急に体調を崩して休まれては困るからと仕事を任せてもらえません。いわゆる社内ニート状態で、自分の席でただひたすら時間が過ぎるのを待つ毎日です。自活できるだけのお給料をもらえている分、まだ恵まれているのかもしれませんが、この状況がかえって病状を悪化させている気がします。」

Dさん:「友人から徐々に距離を置かれ、疎遠になりました。躁状態の時にしてしまったことが原因だと思うのですが、悪気があった訳ではありませんし、当時は自分が双極性障害だという認識すらありませんでした。復縁したいと思って連絡してみたのですが、返事をもらえませんでした。」

Eさん:「病気が原因で離婚され、子どもとも離れ離れになりました。病気の症状だけでも十分過ぎる程苦しいのですが、毎日子どものことを思い出しては、悲しく辛い気持ちになると同時に、後悔や自責の念にとらわれています。時間が経てば前を向けるようになるのでしょうか。」

Fさん:「自分が病気であることを家族が受け入れてくれず、家にいても居場所がありません。できれば家を出て一人暮らしをしたいのですが、十分な収入がないため、それもできません。ただでさえ仕事でストレスを抱えているのに、家に帰ってもこれでは病気が良くなるはずがありません。」

以上、6人の方々の事例を見て頂きました。もちろん、この他にも様々なケースが存在します。当事者が直面する社会的困難は様々であり、また、それを受け止める当事者側においても、症状や躁うつの切り替わりパターン、これまでの人生や発症に至る経緯、性格や価値観、生活環境や家庭環境といった点が人それぞれ異なるため、当事者が抱える苦しみの有り様はまさに千差万別です。

▼当事者を苦しめている原因

それでは何故、双極性障害の当事者は、病気の症状に苦しめられるだけでなく、様々な社会的困難よって人生を翻弄され、苦しんでいるケースが多いのでしょうか。私なりに原因を整理してみました。

原因1:診断に時間がかかる
現在、医師から双極性障害と診断されている人の中には、はじめにうつ病と診断され、うつ病の治療を受けたものの症状が良くならず、数年あるいは十数年経ってから双極性障害と診断されたという人が数多くいます。双極性障害はうつ病とは全く異なる病気で、薬や治療方法も異なります。正しい診断がなされるまで適切な治療を受けられず、回復しなかったり、回復と再発を繰り返したりしている間に、仕事や家庭でトラブルを頻発し、双極性障害と診断された頃には人生がボロボロになっているというケースも珍しくありません。

原因2:安定就労が脅かされる
組織の中で仕事をする上で求められる基本的な資質として、コミュニケーション能力やPCスキル、資格や免許など、様々なものがあると思いますが、実はそういったものよりも優先される資質があります。それは、毎日職場に来られること、つまり安定就労ができるかという点です。健常者の人にとっては当たり前過ぎて、これを「資質」や「能力」と呼ぶことすらないかもしれませんが、躁うつの波に体調を振り回される双極性障害の当事者にとっては、働く上で大前提として求められる、この安定就労こそが最も難しいのです。そのため、高いスキルや豊富なキャリアを持っているにも関わらず、それらを活かした職に就けなかったり、全く異業種かつ異職種の「障害者にもできる」として用意された職に極めて安い賃金で就いたりするケースも珍しくありません。

原因3:症状や有効な治療法が人によって異なる
現代医療で完治するとされている病気の大半には、これさえすれば治るという単一の、または単一でないにしても両手で数えられるくらいの少ない数で済む治療法が存在するのではないでしょうか。症状や有効な治療法における多様性や個人差といったものは限定的なように思います。しかし、双極性障害は、その症状や有効な治療法だけでなく、完治しない病気を抱える者にとって最も重要な「病気との正しい付き合い方」においても多様性や個人差が著しいのです。このことが当事者間の互助や支援者によるサポートを難しくしています。

原因4:他の障害を併発しやすい
双極性障害のみを発症する場合もありますが、他の精神障害を併せ持っている当事者も数多くいます。発達障害、パーソナリティ障害、不安障害、強迫性障害などを併発している場合や、先天的に脳の一部が未発達なことによる器質性精神障害として双極性障害を発症する場合、後天的なケガなどによる高次脳機能障害として双極性障害を発症する場合など、様々なケースが存在します。このことも、先述の「症状」「有効な治療法」「病気との正しい付き合い方」に多様性や個人差をもたらし、当事者間の互助や支援者によるサポートを難しくしています。

▼病気に人生を翻弄されないために

双極性障害にこれからの人生を翻弄されずに生きるためには、躁うつの波を小さくし、再発防止のための手段を講じながら注意深く生活し、寛解状態を維持していく必要があります。そのためには、従来の薬物療法や精神療法に加えて、次のことを実践することが必要だと考えています。

・自分の症状や躁うつの切り替わりパターンに対する理解を深めること
・症状が出ている時の対処法、躁状態とうつ状態の予防策、寛解状態を維持する方法を身につけること
・病気を持っていることにより生じる様々な社会的困難に立ち向かうための知識やスキルを身につけること

これらがこのプロジェクトで言うところの「サバイバルナレッジ」に相当します。しかし、これらは先述の通り多様性や個人差が著しいため、身につける以前に自分に合ったサバイバルナレッジを見つけることすら容易なことではありません。その際に、他の当事者が持つサバイバルナレッジを参考にする行為が手助けとなります。双極性障害の当事者が持つサバイバルナレッジは、基本的には本人が持っているだけで、ほぼ手付かずの言わば未利用資源でした。ブログなどで自分のサバイバルナレッジを発信している人もいますが、発信できるのは本人にとって有効なサバイバルナレッジが中心になりますので、多様性を実現するのは難しく、見る側も様々なブログを見て回らなければならないため手間もかかります。一方で、当事者会やSNSを通して同病者と交流する方もいます。これらは「精神的な支え合い・励まし合い」という点で非常に有効だと思いますが、自分に合ったサバイバルナレッジを見つけ出すという点ではやはり情報の多様性に欠けてしまいます。お互いが保有するサバイバルナレッジが相手にとっても有効となるケースが少ないこの病気においては、会話によるサバイバルナレッジの共有は非効率な面が否めませんし、トラブルが起こる場合もあります。

そこで、当事者間の互助の中でも、サバイバルナレッジの共有に特化した取り組みとして、データベース形式のWEBサイトを作ろうと考えたわけです。当事者個々人が持つ多種多様なサバイバルナレッジを一箇所に集め、カテゴリー分けやタグ付けを行い、検索しやすくすることで、ユーザーは24時間いつでもお金や手間をかけずに、自分に合ったサバイバルナレッジを参考にすることができるようになります。

矛盾することを言うようですが、いくら双極性障害のサバイバルナレッジが著しい多様性や個人差を持つものだとしても、例えば私なりのサバイバルナレッジが、他に当事者が22.2万人いる中でただの一人に対しても役に立たない、合わないなどということは、確率論的に言ってあり得ないと思うのです。他の病気の正規分布に比べると、かなり下に押し潰された正規分布になっているとは思うのですが、横軸にべったりくっついた状態(=有効なサバイバルナレッジが当事者一人一人完全に異なる状態)な訳がない。つまり、誰かにとって有効なサバイバルナレッジは、当事者全員を救うことはできなくても、必ず他の誰かを救うことができる貴重なリソースになるはずだと思うのです。

▼このプロジェクトで実現したいこと

双極性障害と共に生きる当事者の方々が持っているサバイバルナレッジ(成功体験や失敗体験、生きる上での知恵や工夫、考え方や意見など)を集めたデータベース形式のWEBサイトを作ります。双極性障害の症状は個人差が大きく、治療に役立つ情報や有効な再発防止策といったものも当事者によって異なります。ユーザーは、症状や躁うつの切り替わりパターン、これまでの人生や発症に至る経緯、性格や価値観、生活環境や家庭環境といった点で自分と類似点を持つユーザーのサバイバルナレッジや、自分にとって取り入れやすいサバイバルナレッジなどを優先的に試していくことで、病気の症状やそれに付随して生じる様々な社会的困難と上手に付き合って生きていくために必要な「自分なりのサバイバル方法」を確立することができると考えています。このプロジェクトが目指しているのは、双極性障害の当事者個々人が持っているあらゆるサバイバルナレッジのオープンソース化です。これにより、双極性障害にこれからの人生を翻弄されずに生きられる人が増え、そうなることで更にデータベースが充実していく、という好循環が生まれることを期待しています。

▼サバイバルナレッジの例と活用イメージ

カテゴリー1:成功体験や失敗体験
「一日で100万円も散財してしまった」「性的に奔放な行為をしてしまった」など、躁状態でやらかしてしまった失敗談は、他の当事者に「自分だけじゃなかったんだ」といった安心感を与えると同時に、聞いたこともないような失敗談を知ることで、「同じような失敗をしないように気を付けよう」と戒めてもらうきっかけになると考えています。また、病気をオープンにして働きやすい職場に就職できた成功体験などは、「自分にはオープンは無理だと思っていたが、こういう人もいるなら自分も挑戦してみようかな」と他の当事者を勇気づける材料になるかもしれません。

カテゴリー2:生きる上での知恵や工夫
他の当事者が実践している躁状態の予防法(例えば「タイマーを使って過集中を防ぐ」「買い物や予定を入れる際の意思決定権を他人に委ねる」)を参考にして、アレンジや試行錯誤を繰り返すことで、自分にとって最適な躁状態の予防法を編み出すことができ、それが新しいサバイバルナレッジとして登録されるかもしれません。また、各種福祉制度の活用方法や薬の知識などもこのカテゴリー内のサバイバルナレッジとして充実させたいと考えています。

カテゴリー3:考え方や意見
唯一の正解や客観的な真実がない分野でも、そう信じることで生きやすくなった、未来に希望を持てるようになったということはあるのではないでしょうか。このカテゴリー内のサバイバルナレッジとしては、「就職活動はクローズ派!理由は~~だから」「病気が原因で壊れてしまった人間関係の修復方法または割り切り方法教えます」「双極性障害とは~~、人生とは~~、幸せとは~~、といった哲学的な話」「医者との上手な付き合い方」といったものをイメージしています。このカテゴリー内のサバイバルナレッジは、その名の通りあくまで「考え方や意見」ですので、合う合わないや好き嫌いがはっきり出ると思いますが、自分を支える芯の部分になるものですので、納得できるものを見つけることができれば、様々な社会的困難が一気に解決するかもしれません。

カテゴリー4:書籍やブログ
タイトルに「双極性障害」という言葉が含まれていない書籍やブログでも、双極性障害の当事者にとって役立つ情報が書かれている書籍やブログがあるということを、勤勉な当事者は知っています。そういった方のお知恵を拝借し、双極性障害の当事者にとって役立つ書籍やブログのデータベースも作りたいと思います。

カテゴリー5:その他
サバイバルナレッジを提供して頂く際に、具体的な症状や躁うつの切り替わりパターン、これまでの人生や発症に至る経緯、生活環境や家庭環境なども、身バレしない程度に適度に加工して提供して頂けると、ユーザーは自分と共通点の多い提供者のサバイバルナレッジを優先的に検索することができるのでより便利になると考えています。

▼資金の使い道

○データベースサイトの開発費と当面の運営費
ドメイン費用、レンタルサーバー代、開発ツール利用料などを合わせて、2年間で5~20万円程(どの開発ツールを使用するかによって価格に幅があるため)を想定しています。3年目からは広告収入で運営費を賄える状態にしたいと考えています。

○サバイバルナレッジ提供者への謝礼
当事者の方から提供して頂いたサバイバルナレッジの内容やボリュームに応じて、100~5,000円の範囲でAmazonギフト券を謝礼としてお渡ししたいと思います。私自身のサバイバルナレッジも提供させて頂きますが、私自身が謝礼を受け取ることはありません。

▼リターン

○お礼のメッセージ(全リターン共通)
このプロジェクトに興味を持って頂けたこと、ご支援を頂けたことに対するお礼のメッセージを、お一人様ずつ個別にメールにてお送りさせて頂きます。支援金額によって感謝の気持ちの大きさが変わるということはないとは思いますが、半分冗談で設定したような大きな金額のパトロンになって頂いた方には、やや驚きと興奮にまみれたメッセージをお送りするかもしれません。

○活動レポート(全リターン共通)
プロジェクトの進捗状況やご支援頂いた資金の支出状況などについて、2~3ヶ月に1回程度、同報メール(BCC)にてご報告させて頂きます。データベースサイトの完成後も一方的に送り続けますので、私の執拗さに恐怖を感じ始めたら配信停止のご連絡をお送りください。

○クレジット掲載(全リターン共通)
作成したデータベースサイト上で、ご支援頂いた方のお名前(ご希望のお名前を後ほどお伺いします)を掲載させて頂きます。大変恐れ入りますが、支援金額が大きいほど、より上の方に、より大きく、リンクやロゴマーク付きで、掲載させて頂きます。重ねて申し上げますが、支援金額によって感謝の気持ちの大きさが変わるということはありません。驚きと興奮の度合いは変わるかもしれません。

○広告掲載権(30,000円枠、100,000円枠、300,000円枠)
WEB広告の相場はあまり詳しくないのですが、0.25円/imp換算で、ご支援頂いた金額分、サイト内で広告を掲載して頂けます。金額の範囲内であれば複数の広告を同じタイミングで掲載して頂くことも可能です。このようなサイトに広告を出稿して頂くことは間違いなく社会貢献だと思いますので、各所で存分にアピールして頂ければと思います。すみません、是が非でもアピールしてください、お願いします。(広告内容によっては掲載をお断りさせて頂くことがありますので、事前にご相談ください。)

○ネーミングライツ(1,000,000円枠)(お一人様限定)
まさかいらっしゃらないとは思いますが、一応、念のため、万が一、ご奇特な方がいらっしゃった場合を考えてご用意させて頂いたパトロン枠です。例えば、「(パトロン様名)presents(データベースサイト名)」や「(データベースサイト名)supported by(パトロン様名)」といったようにし、トップページのロゴマークだけでなく、サイト名を名乗る時は全てパトロン様ご指定のお名前を必ず付けさせて頂きます。このデータベースサイトが存続する限り無期限でご利用頂けます。途中で変更することも可能です。(内容によってはお断りさせて頂くことがありますので、事前にご相談ください。)

▼最後に

長文にも関わらず最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。双極性障害を持っていても、サバイバルナレッジを自らの力で見つけることで、あるいは環境や才能に恵まれることで、人生を翻弄されずに生きていける人はごくわずかです。私を含めた「ごく普通」の当事者の多くは、今も症状に苦しみ、様々な社会的困難に人生を翻弄され、未来に希望を持てずに生きています。私が使っているSNS上には、今日も「辛い」「死にたい」、そんな言葉が溢れています。OD(オーバードース、過剰服薬)やリストカットをほのめかしたり、実行に移したという投稿を見かけることも珍しくありません。

個人的な見解ですが、双極性障害という病気が持つ「分かりづらさ」「地味さ」「中途半端さ」も当事者を苦しめる一因だと考えています。大変失礼かつ誤解を招く表現かもしれませんが、身体障害者の方と違って外見で分かるわけでもなく、知的障害者の方と違って接して分かるわけでもない。うつ病よりも厄介な病気であるにも関わらず世間からの認知度は低く、かといって、統合失調症ほど重篤ではない。人一人の人生をボロボロにするだけでなく、時には周囲の人間さえも不幸に陥れる破壊力を持った病気でありながら、他の障害に比べて症状や辛さが分かりづらく、存在が地味で、障害の程度が実際よりも軽めの位置に認識されていることが、福祉制度や支援の手からの孤立を招いているような気がします。他の障害を持って懸命に生きている人に対して失礼なことは十分承知の上ですが、こう言う人も少なくありません。「いっそのこと、もっと重い障害なら良かったのに―――。」

そんな現状を当事者自らの手で打破すべく、このようなアイディアを考え、もちろん資金調達の意味合いもありますが、どれだけの方に興味を持って頂けるか、支援して頂けるかを知りたい気持ちもあり、クラウドファンディングに挑戦させて頂きました。このデータベースサイトの存在が、双極性障害の当事者やその支援者の方たちの希望となり、一人でも多くの当事者が自殺することなく、未来に希望を抱きながら、毎日を生き生きと過ごし、自分にとっての幸せな人生を歩めるようになってくれたなら、これほど嬉しいことはありません。皆様の温かいご支援、お待ちしています。

▼追伸

ちなみに「白楽たまき」という名前はハンドルネームです。当事者会やSNSでは本名や別のハンドルネールで同病者の方々と交流させて頂いています。もしあなたが双極性障害の当事者ならば、どこかでお話させて頂いたことがあるかもしれません。サバイバルナレッジの提供にご協力頂けるという方からのメッセージもお待ちしています。

  • 2017/02/21 18:35

    はじめまして、白楽たまきと申します。 私は双極性障害(躁うつ病)という精神障害のため障害者手帳2級を保持している障害者です。私を含め、多くの当事者の方々がこの病気によって人生を大きく翻弄されている現状を打破したいと強く思っています。そこで、 「当事者による当事者のための双極性障害サバイバル...

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