はじめに

新型コロナウイルス感染のため、
開催するかどうか、直前まで悩み、何度も協議を行い、
様々な想定をしてきました。

結果、感染防止対策を最大限に行ったうえで、実施することを決めました。

開催場所である大阪市立旭区民センターの基準や、
大阪府・市の基準や、
「公民館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン 」
https://www.kominkan.or.jp/file/all/2020/20200525_02guide_ver02.pdf
などに則り、実施します。


この催しは、
大阪大空襲のあった6月7日に、
亡くなられた方や被害に遭われた方、様々な気持ちに思いを馳せ、
平和を願うものです。

奇しくも、
「新型コロナウイルス感染拡大防止対策」にあたっては、
各国政府首脳も口々に、「ウイルスとの『戦争』」という比喩を用いました。

世界中で緊急事態宣言が出され、
街の様子は、まさに戦時下のようでした。

日常が失われ、個人の権利が制限されることに対し、
大きな不安や危機感を感じることになりました。

人々の先の見えない不安が、
周囲への圧力や排除となる様子を肌で感じ、
軍隊が動かなくても、戦時下にはいつでもなり得るのだと思いました。

平和を願い、祈り、そのために行動するということについて、
今一度考え直す、大切な機会だと考えています。


また、舞台芸能をはじめ、
様々な文化的活動が自粛を余儀なくされ、
活動再開についても、
まだまだ先の見えない状態が続いています。

そのような思いの中で、
2020年6月7日(日)に、能楽の会を開催します。

みなさま、応援のほど、よろしくお願い申し上げます。



大阪市旭区の淀川河川敷きには、身元不詳の千数百の遺体を荼毘に付したあとに「千人塚」が建立されています。毎年、午前中に地元有志により、「千人塚慰霊法要」が行われており、当日は、第75回目の節目を迎えます(残念ながら、午前中の法要は、本年は中止が決定しています)。

午後には、鎮魂と地域のつながりづくりを目的に「千人塚慰霊芝能」(※)を開催しており、今年で10回目となります。20年前から、地域に根差した助けあいの活動に取り組んでいる当NPO法人をはじめとして、役所や地域の方々からなる実行委員会を結成し、開催しています。

(※)「芝能」とは芝生の上で行う能のことで、“芝居”の語源の由来の一つ


演目は「海霊」です。太平洋戦争中、日本軍に徴用された船に乗って亡くなった船員の慰霊や平和への思いを込めて創作されたものです。

毎年、神奈川県横須賀市の観音崎で行われる追悼式で、「海霊」は上演されており、今年で50回目となります(残念ながら延期となり、秋の開催を予定されています)。

大阪の地はもちろん関西で上演されることは初めてです。「海霊」を上演するにあたり、地元の能楽師のほかに、関東からも来阪いただくなどの上演費用が必要です。また、75年前の悲劇を風化させないように、平和への祈りをしっかりと受け継いでいくために、少しでも多くの方々に知っていただき、参加していただきたいと考えています。

ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

また、戦後80年の節目に向けては「千人塚」という曲をつくり、よりいっそう地域に根差していきたいという話も出てきています。引き続きの応援もよろしくお願い申し上げます。


このプロジェクトで実現したいこと

能楽「海霊」を、大阪の地で上演します。
【大阪市立 旭区民センター 小ホール(定員50名) 2020年6月7日(日)13:00~17:00】
※新型コロナウイルス感染防止のため、入場制限をいたします

能楽「海霊」は戦没船員の霊を慰め、併せて平和を祈るために作られました。太平洋戦争で亡くなった船員の数は、6万名以上にもなるそうです。
歌詞には、世界平和を祈念した明治天皇の御製「四方の海みなはらからと思ふ世になど波風の立さわぐらむ」が配されています。
昭和46年5月、第1回戦没船員追悼式が挙行された際、宮越賢治船長の作詞、25世観世左近の作曲により「海霊」が奉納され、それ以来、毎年奉納されています。

「海霊」を「千人塚」で上演することで、多くの方々に関心を持っていただき、あらためて平和について考える機会を持ちたいと考えています。


プロジェクトをやろうと思った理由

2つの大きな出会いがあります。
私は、伝統芸能についてまったく何も知りませんでしたが、地域のつながりづくりを大切にしたいという、本プロジェクトの中心となる能楽師の山中雅志さんに出会いました。

そして2007年から毎年、当法人が開催するイベントで上演してくださることになりました。

「能楽」では、「鎮魂」や「慰霊」というモチーフが大半であるそうです。「平家物語」などを題材に、亡くなった武将の霊があわられ、僧に思いのたけを伝えた後に成仏したり、こどもを亡くした、あるいは生き別れになった親の霊が現れた後に、再会することができて成仏したり、あるいは恋仲が破れ、怨念や嫉妬心を持っている霊が、何とか成仏できたりといった具合です。

宗教観は人それぞれですが、「亡くなった人に思いを馳せる」ということは、非常に納得する気持ちがしました。

また、能楽には200以上の現行曲がありますが、様々な土地に所縁のある曲が数多くあります。淀川の対岸にある「江口」や下流にある「鵺塚(ぬえづか)」に関連した「鵺(ぬえ)」など、大阪には数多くあります。

そうしたときに、地元旭区で毎年、淀川河川敷にある千人塚で法要を行っておられる東浦栄一さんと出会う機会を、旭区役所の方からいただきました。

東浦さんたちが、毎年続けてこられた気持ちと、能楽とがつながり、開催させていただく運びとなり、現在に至っています。


これまでの活動

2011年 能「鵺(ぬえ)」、謡曲「鵺」ワークショップ、鼎談「千人塚を語る」、ほか
2012年 仕舞「芦刈」、謡曲「江口」「鵺」ワークショップ、装束体験、ほか
2013年 能「杜若(かきつばた)」、謡「江口」ワークショップ、ほか
2014年 能「半蔀(はじとみ)」、舞囃子「清経」、囃子ワークショップ、ほか
2015年 能「杜若(かきつばた)」、舞囃子「吉野天人」「天鼓」「鵺」、ほか
2016年 半能「巴(ともえ)」、舞囃子「経正」「海士」「三輪」、ほか
2017年 能「歌占(うたうら)」、舞囃子「山姥」「橋辨慶」、ほか
2018年 能「経正(つねまさ)」、舞囃子「白楽天」「羽衣」「竹生島」、ほか
2019年 能「通小町(かよいこまち)」、舞囃子「高砂」「絵馬」「石橋」、ほか

※「千人塚」横の河川敷広場、ならびに雨天時は城北公園高架下広場、常宣寺、グループホームよつば地域交流スペース等で開催


資金の使い道

能楽を開催するには、演者の方が数多く必要で、そのための出演料や交通費等が必要です。能面をつける主人公の「シテ方」のほか、物語の登場人物として「ツレ」や「ワキ方」がいます。「囃子」と呼ばれる楽器隊の、笛、小鼓、大鼓、太鼓の方々。「地謡」というバックコーラス。

また、初の関西上演にあたり、関東からも多くお越しいただくための費用が必要となります。また、本番前日には「申合せ」と呼ばれるリハーサルがあります。

演目に合わせた「装束」や小道具の用意、舞台設営に関わる物や人が必要です。

会場費は、旭区役所の後援により無料です。
その他、チラシ作成・印刷代、広報費等、事前と当日のスタッフの確保が必要となります。


リターンについて

・1,000円  お礼のメール。応援のご厚意に感謝いたします。

・10,000円 座席(本公演)

・10,000円  絵葉書セット(本公演)

・500,000円 催事命名権(〇〇記念)、座席(本公演) 


実施スケジュール

2020年

6月1日 クラウドファンディング開始

6月6日 申合せ

6月7日 本番当日

    クラウドファンディング終了


最後に

終戦から、75年、3/4世紀が経とうとしています。私たちは「戦争を知らない世代」ですが、「戦争を知っている世代を知っている世代」です。しかし「戦争を知っている人」と知り合う機会は段々と少なくなっていますし、今後は、「戦争を直接知っている人を知らない人」も増えていくでしょう。

戦争があったこと、空襲があったこと、亡くなられた多くの方々がいたこと、その一人ひとりに普段の暮らしがあって、それらの人とともに暮らしていた人がいたこと、色んなことに思いを馳せたいと思っています。

冒頭にも少し書きましたが、
今回の「新型コロナウイルス感染拡大」に関して、
いつでも戦時下になり得るし、
一人ひとりはとても弱いものであるということを、
あらためて考えさせられました。

能楽は、600年以上前から上演され、観劇する人はともに、思いを馳せてきました。

今回、関西で初めて上演される「海霊」を、空襲のあった場所で、空襲のあった日に、みんなで集まって観ることで、平和について考える契機にできればと思います。

応援のほど、よろしくお願い申し上げます。

※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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