◎東京国立市で開催する「The Clothesline」の応援と参加を。

「The Clothesline」は、来場者が質問に対する答えをカードに記入し、物干しロープ(clothesline)に掲示する参加型アートプロジェクトで、日本を含め全世界で展開されています。そして、2022年1月に東京都国立市でもThe Clothesline in Kunitachi (ザ クロースライン イン クニタチ)を開催することとなりました。

テーマは「女らしく、男らしく。だれかの常識は、わたしにとっての非常識。」。会場ではテーマに沿った4つの質問を用意します。例えば「女らしさ・男らしさを押しつけられたとき、なんと言われましたか?」。来場者が答えを書いたカードをアート作品として掲示します。

クラウドファンディングではこのプロジェクトの運営を応援していただきながら、多くの人にアート作品に参加いただきたいと考えています。そのため、応援してくださった方にもカードへ回答を記入してお送りいただくことで、作品の一部として会場に展示します。


◎参加型アート「The Clothesline」について

「The Clothesline」は、メキシコのフェミニストアーティストであるモニカ・メイヤーによる作品の一つで、日常の中の格差や差別などの社会的に表に出にくい「声なき声」を拾い上げ、社会課題を見える化します。「The Clothesline」の特徴は、展示されている用紙やフレームだけが作品なのではなく、それまでの経緯(今までの歴史を学んで質問を作ったり、ワークショップをしたり)や、その場で交わされた対話など、そこに関わる全てのストーリーが作品であること。このようにアーティストが対話や討論、コミュニティへの参加や協同といった実践を行なうことで社会的価値観の変革をうながすことをソーシャリー・エンゲイジド・アートと呼びます*。

The Clothesline in Kunitachiでも、このアートプロジェクトを国立市で開催することで、市民同士がアートを通して社会課題について対話する機会と機運を醸成することを目指しています。

*出典:アートスケープ



◎女らしさ・男らしさについて問うThe Clothesline in Kunitachi 

「The Clothesline」では、その国、地域ごとに事前にどんな質問をするか、どんなテーマで声なき声をひろうか、その地域に住む人たち自身で話し合い決めます。

国立市での開催に共感したメンバーで構成されたThe Clothesline in Kunitachi 実行委員会で、複数回の話し合いをもとにテーマと質問を考えました。


テーマは「女らしく、男らしく。だれかの常識は、わたしにとっての非常識。」。

国立市は、ソーシャル・インクルージョン(すべての人を社会的孤立や排除から守り、社会の一員として包み支え合うこと)の理念を掲げ、多様性を大切にするまちづくりを推進しています。社会全体でもジェンダー平等に対する取り組みが見られています。

しかしどれだけの人が、性別に関係なく自分らしくふるまえる社会になっている、と実感しているのでしょうか。

「女性がお茶を汲んだ方がおいしいから」「九州男児らしくないね」。これはメンバーが実際に言われたり聞いたりした言葉。話し合いの中で、日常の中には女性らしさ、男性らしさを押しつけられ、違和感や不快感、そして生きづらさを感じる場面は当たり前にあることを私たちは改めて実感しました。そこでもっと多くの人の声を拾い集めるための質問を考えました。



◎「女らしさ・男らしさを押しつけられたとき、なんと言われましたか?」

私たちは下の4つの問いを考えました。そして、読者の皆さんや展示会場にいらした方に実際に受けた言葉やふるまいなどをメモに書いてもらいアート作品として掲示することで、改めて考え、それについて会話するきっかけにしたいと思います。


問1「女らしさ・男らしさを押しつけられたとき、なんと言われましたか?」

問2「女らしさ・男らしさを押しつけられた経験はどんなものでしたか?」

問3「身近な人が、女らしさ・男らしさを押しつけられていたことはありますか。

それはどんな場面でしたか?」

問4「女らしさ・男らしさを押しつけられることがあったら、どうしたいですか?」



◎プロジェクトを応援していただくと、あなたの答えを掲示できます。

このプロジェクトを応援いただいた方にも、質問に対する答えを書いていただきたいと思っています。会場に来れない方にも書いていただくことが様々な答えを提示でき、女らしさや男らしさについて考えをより深めることができると考えるからです。

そのため、応援いただいた方へのリターンには4つのカードと返送用封筒が付いてきます。



◎応援していただいたお金の使い道

クラウドファンディングの目標金額は20万円。応援いただいたお金はThe Clothesline in Kunitachi で使われる什器のレンタル料と送料にあてます。

The Clotheslineの回答のカードが絵画だとすると、この什器は額縁のような存在となるため、展示空間の中で重要な役割を果たします。そこで、デザイン性の高いのものを選びました。社会課題など敷居の高くなりがちなテーマであっても、洗練されたデザインで多くの人の興味関心を引く空間を演出したいと考えています。

また、目標金額のうちの8%をクラウドファンディングの手数料にあてます。

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


◎実施スケジュール

2021年12月 クラウドファンディング開始

2022 年1 月14 日(金)〜20 日(木) The Clothesline in Kunitachi(メインイベント) 

実施場所:旧国立駅舎(メイン会場)ほか

2022年1月23日(日)Re: The Clothesline(アフターイベント)


※会期中のイベントは新型コロナウイルス感染拡大の状況をみて中止、または追加の可能性があります。


◎プロジェクトメンバー:The Clothesline in Kunitachi実行委員会

代表(発起人):洪華奈

国立市に3年前に引っ越してきたコミュニティデザイナー。市内で地域の文化と本のあるお店「Museumshop T」を運営。そのほかに橋を架ける仕事(様々なコーディネート業)に携わる。2019年あいちトリエンナーレにて「The Clothesline」に出会い、様々な意見の人々が作品を通して対話をすることに刺激を受ける。その後性別に関するもやもやや、コロナ禍での閉塞感などについて何かアクションを起こせないかと考えていた時この作品を思い出す。暮らしている国立市で、人々がアートを通して社会課題について対話をする機会をつくりたいと思い、今回プロジェクトを立ち上げた。


岡崎未侑

国立市在住。公共ホール職員として劇場と地域の文化事業に携わる。仕事を通し、自分の日常生活と住む街の関係性について興味を持ち始める。女子校、ミッションスクール、寮生活などの経験から学生時代より自然とフェミニズムを意識してきたことも相まり、本プロジェクトに参加。さまざまな立ち位置の人が同一線上で言葉を交わし合えることに魅力と期待を感じている。子どもの頃から一番好きな色は青。趣味は音楽、ピラティス、プロ野球観戦。


土屋一登

国立市在住。個人事業主としてNPOの伴走支援を行っている。子どもの頃から「男らしさ」に惑わされ、数々の失敗を経験。アメリカの大学でジェンダー学やフェミニズム文学に触れたことから「女らしさ」や「男らしさ」に疑問を持ち始める。数年前に「男らしさ」を手放したことで「自分らしさ」を取り戻した原体験から、本プロジェクトのコンセプトに共感し、参画。


南部道子

コピーライター。国際協力NGO勤務。生まれも育ちも多摩エリア。ボーイッシュな恰好が好き。いまだに化粧の仕方がよくわからない。出産を機に国分寺に引っ越し、国立本店での活動を通して好きなことで人や地域とつながる面白さを知る。駅前のいつも見ている風景の中で、発見や驚きを与えたり、考えを深めるきっかけとなるところに、このプロジェクトの醍醐味を感じる。



堀田真優音

大学生。学生団体「澁澤塾」に所属。高校3年間を女子校で過ごした経験から、ジェンダー問題を意識するようになる。国立市における地域活動をきっかけに、本プロジェクトへ携わることとなる。


間瀬英一郎
地域創業支援。愛知県出身。進学を機に東京・国立市に転入。映画好きで、学生時代は映画製作に没頭。2015年開催の「くにたちアートビエンナーレ」では実行委員長に就き、映画祭企画を主導。ジェンダー関連では、市行政の管理職における性別の不均衡の是正に関する陳情を不偏不党の立場で計3回に渡り提出し、いずれも全会一致採択で施策に反映される。ジェンダーやセクシュアリティの問題を考えるイベント「セイベツ」の主催など。


山岡麗奈
大学生。学生団体「澁澤塾」に所属。高校生の時、「性の在り方はグラデーションである」という考え方に出会ったことがきっかけで、SOGIやフェミニズムに興味をもつ。

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