医療専門職に向けて失語症支援のための本を作りたい!! 
●失語症支援のための本を作りたい

 はじめまして!

 最期まで大切な人とありのままの自分で会話を楽しめる社会を目指すために、失語症支援のための本を作りたい!プロジェクト主催、在宅医療の現場で言語聴覚士として関わっている、菅野小百合と申します。


このプロジェクトは、医療・福祉の専門職に向けて失語症支援のための本を広めることで、失語症者との関わりで生まれる、「失語症だから伝わらない…」「失語症だからできない…」という“失語症だから”という思考を変えたい。そして誰もが、最期を迎えるのその瞬間まで目の前の大切な人と心から笑顔で会話を楽める!そんな社会にすることが目的です。


「ただ、ことばで伝える」そんな当たり前のことが、実はとても難しい現実があります。

私はこれまで、リハビリの専門職として、多くの患者さんに関わってきました。その中で、自分ではない誰かが決めた閉鎖的な空間の中で胸の内にある沢山の”したい”を諦め、ただ与えられた時間を“過ごす”ためだけに生きる…そんな方々を見てきました。その横で、患者を支える医療・福祉の専門職が

「何が言いたいかわからないことを長々と聞いている時間はない」

「伝わらないんだから、話しても意味ないでしょ」

と当たり前のように対応する現実。それをやりきれない思いを抱えながら過ごしてきました。

失語症の多くは脳梗塞などの脳の疾患によって発症します。言語機能の回復過程は数年にも渡るとされる一方で、医療保険で算定できる期間が発症から6ヶ月という縛りがあるため、事実上病院からの退院を機に言語機能を回復するための支援を十分に受けられなくなる方が大半です。

うまく社会復帰の機会が与えられても失語症に理解がある方との出会いがなければ

失敗を恐れずありのままの自分で会話できる場

は失われたままです。勇気を出して誰かに話しかけても目の前の相手が不思議そうにこちらをみている、期待した表情ではない…それが幾度も続けば話す意欲を失ってしまいます。

復帰直後は周りが気にかけてくれて話すことはあったが最近は挨拶程度で話す機会が激減。

徐々に「話さなくてもいい」という選択をする機会が増え、周りからは「話さない人・話せない人」と認識され、話さないことでことばの回復機会がさらに減る。

”話さないから話せない”という悪循環に入ってしまいます。

多くの失語症者が十分な支援を受けられないまま、社会復帰を余儀なくされています。その結果、家庭でのコミュニケーション、仕事でのコミュニケーションなどがうまくいかず、社会復帰が阻まれてしまいます。。

結果として引きこもりの生活を強いられる。人としての尊厳が確保されない。

それが失語症者の現実のひとつです。


●失語症になったら?


今回課題として取り上げている失語症とは、

脳の損傷(外傷や脳卒中等)により

会話や文字でものごとを表現したり、理解したりする能力が部分的または完全に失われる障害」のこと。

年齢に関係なく起こり、脳の萎縮によっても出現する可能性があると言われています。

具体的には相手の言うことが理解できない、ことばが出ない(「あー」や「うー」しか言えない等)、文字が読めない、ひらがなが書けない、時計の数字の意味がわからないなどといった症状がみられます。

 現在失語症患者は全国に約50万人(※1)いるとされていますが、コミュニケーション能力全般に障害を負うという特性から社会的認知、保健・医療・福祉などあらゆる分野で対応が遅れています。
(※1:特定非営利活動法人日本失語症協議会2020年資料より)

私は、脳外科専門病院、総合病院、訪問看護ステーションでの勤務と、13年間様々な角度から失語症者と関わってきましたが、失語症者に対する支援や生活環境に依然として大きな変化がないのが現状です。


●失語症を支える医療・福祉の専門職の役割

目を開けたら突然、相手の話していることが解らない、話せない状況になっている…そんなあり得ないことが現実となるのが失語症です。

その現実に混乱される方も少なくありません。運良く命を繋ぎ止めたとしても自分が自分でない…心理的な負担が非常に大きく情緒不安定になり暴れ始める、突然心を閉ざす方もいらっしゃいます。

そのため、失語症者を支える医療・福祉の専門職の関わりは非常に重要なものとなります。

しかし、約20種あるとも言われる医療・福祉の専門職は失語症者病態や機能を十分に理解出来ているのか?

その答えは…残念ながらほとんどの医療・福祉の専門職が機能を十分に理解できていない、関われていない。そんな現実があります。



●失語症ってなんだか難しい

では医療・福祉の専門職が失語症に関する病態や機能についての理解が十分ではない要因は何なのでしょうか。

それはなぜか…

「失語症ってなんだか難しいよね、複雑だし、目に見えないし。」
「失語症の詳細は言語聴覚士さんからご家族に伝えといて!」
「言われた通りに伝えたんだけどね、1回でできてないんだよねー。」


医療・福祉の現場でよく耳にするこれらのフレーズに答えが詰まっている。

おそらく、

・見てすぐに何がどう悪いのかわからない
・横文字・漢字を使った専用用語が多く学びに時間がかかる
・症状が多種多様でパターン化されておらず対応をマニュアル化できない

という問題があるからではないかと考えています。

もちろんこのような声を聞けば、失語症者のことばの機能を簡単に説明し、実際の問題となる生活場面において、他職種と失語者と言語聴覚士の3者で問題解決していきます。

しかしこれは現場に言語聴覚士がいるからできることなのです。
失語症の専門家である言語聴覚士がいる環境そのものが限られています
結果として、失語症の専門家が直接介入して対応することができる人数は限られてしまいます。

実は失語症者との会話において必要なことのひとつひとつは難しいことではありません。ほんのちょっとしたことを意識するだけ、注意するだけで可能です。


失語症者との会話が難しい、失語症者と距離をおいてしまうそんな医療の現場を少なくできたなら。

もっと多くの医療・福祉の専門職が失語症者との対話方法について知ることができたなら。

「話さないから話せない」から「話すからはなせるようになる」に変わるのではないでしょうか?

そう考えた結果、

医療専門職に向けた絵本を作りたい!!

そう考えました。


一般の人やご家族でも理解可能な専門用語を噛みに噛み砕いた、知っておくことで失語症者との対話における不安や対応に困るといったモヤモヤを解決できる知識をまとめた本です。

今回この本をより多くの医療専門職に届けられるようにします。

これからの数年で、高齢者数が激増していきます。また、2025年には地域包括ケアシステムが本格的化し病院医療から地域医療での支援が主流となり、医療専門職が失語症者への関わる機会が急増し、専門家としての対応力が求められる時代がやってきます。その状況になるのがわかっているのを放っておけないのです。

この状況を変えたい。そして自分の大切な人と最期まで心から会話を楽しめるようにしたい。

その先にある自分の「したいを叶えた人生」だと言えることを当たり前にしたい。

それはほんのちょっとの工夫で可能なことだということを知ってもらいたいのです。



・失語症者との対話の知恵を、医療の現場で当たり前にする
・言語聴覚士以外の“安心して話せる場”“安心して話せる専門職”を増やす
・言語聴覚士の専門的な支援が必要な方に支援の手が繋がる

これらがわたしが目指す未来の形です。


今後のスケジュール

●資金の使い道

【目標金額】
350,000円

【概算内訳】
・絵本制作・印刷に関わる費用:238,500円
・絵本以外の返礼品費用:30,000円
・返礼品荷造り送料:50,000円
・CAMPFIRE手数料:31,500円

なお、目標金額を超えた場合は責任をもって管理し、今後の当法人の失語症支援にまつわる支援活動資金にさせて頂きます。

●制作する本の詳細

タイトル:「〜イラストでわかる〜失語症と対話する30のレッスン(仮題)」
総ページ数:100ページを予定
 目次等(5ページ)
 イラストを通しての具体的な対話方法(60ページ)
 コラム(20ページ)
 症状を知るヒント(15ページ)
販売価格:本プロジェクト終了後、3500円で販売予定です。本プロジェクトでのみ3000円にて提供いたします。
販売方法:出版社を通さず自費制作となります。今後は法人の運営するネットショップにて販売予定です。販売方法確定後は当法人のHP (サイトはこちら★)にて告知いたします。

※上記は全て予定であり、制作過程において予告なく変更することがございます。あらかじめご了承ください。

●実施スケジュール

7月下旬 クラウドファンディング終了
9月下旬 レッスンブック作成開始
12月下旬 レッスンブック発送予定


●応募方式

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


【ご支援コース】

1,000円
プロジェクトを応援してくださるあなたにお礼のメッセージをEメールにて送らせていただきます。


3,000円
本プロジェクトで作成されたレッスンブックを1冊お届け致します。


8,000円
本プロジェクトで作成されたレッスンブック1冊
レッスンブックを詳しく解説する説明会の参加権
をお送り致します。

※説明会詳細
 開催日時:令和4年12月頃を予定しています
 開催方法:オンライン(ZOOM)
 案内方法:プロジェクト終了後日程等をメールにてご連絡いたします
 参加費:無料
 人数:制限なし。ZOOMの入場制限以上のお申し込みをいただいた場合は複数回開催いたします。
 内容:本プロジェクトにて作成されたレッスンブックの内容や使用方法などを、製作者である菅野自身でご説明します。


10,000円
レッスンブック1冊
心を込めたお礼のメッセージ
をお送りいたします。


【登場人物になろう権】

10,000円
レッスンブック1冊をお届け
本プロジェクトで作成されるレッスンブックの登場人物となっていただきます。

※登場人物イラストの制作の流れ
プロジェクト終了後に、製作者より、登録いただいたEメールアドレスへご連絡いたします。その際に、ご職業やお写真データ(JPEG形式推奨)をお預かりいたします。提出締め切りは令和4年8月末を予定しております。


【お名前掲載】

30,000円
レッスンブック1冊をお届け
レッスンブックにお名前を記載させていただきます。


【スポンサーコース】

50,000円
レッスンブック1冊をお届け
レッスンブック1ページに広告を掲載させて頂きます。
※掲載するPDFデータのご用意の上、プロジェクト終了後にお伝えするEメールアドレスまでお送りください。ご送付の締め切りは令和4年10月末日を予定しております。ご用意が難しい方は、写真・ロゴデータを、同様にEメールにてお送りください。当法人にて責任を持って、広告ページを作成いたします。広告は掲載期間は設けず、本レッスンブック内に掲載された状態で作成され、以後使用されます。


100,000円
レッスンブック1冊をお届け
心を込めたお礼のメッセージ
レッスンブック1ページに広告を掲載させて頂きます。
※掲載するPDFデータのご用意の上、プロジェクト終了後にお伝えするEメールアドレスまでお送りください。ご送付の締め切りは令和4年10月末日を予定しております。ご用意が難しい方は、写真・ロゴデータを、同様にEメールにてお送りください。当法人にて責任を持って、広告ページを作成いたします。広告は掲載期間は設けず、本レッスンブック内に掲載された状態で作成され、以後使用されます。


おわりに

失語症に関する書籍は数多く存在します。専門用語が沢山の辞書のような書籍、当事者の体験が書かれたノンフィクションの書籍…失語症を知るには十分すぎる本があります。しかし、出版されている書籍はあくまで”失語症者”が主語であり、医療者が接する上での心構えが記載されている書籍が多い印象を受けています。その一方で現場で医療者が主語となる”今すぐ行動できる!””即戦力”として使える書籍は少ないように感じています。出来るだけ沢山の方に伝わることばで、言語聴覚士の私だから表現できる視点で本を作成し、広めたい!そう思っています。

誰もが、最期を迎えるのその瞬間まで目の前の大切な人と心から笑顔で会話を楽める!そんな社会にしたい。1人でも多くの失語症者に失敗を恐れずありのままの自分を表現できる、話すことを楽しんでもらえる社会をつくりたい。

そんな想いに共感いただける方にご支援いただければと思います。



●プロジェクトチーム 代表

菅野小百合(言語聴覚士)

現在、在宅医療の分野で訪問言語聴覚士として成人の言語療法、摂食機能療法を中心に行っている。対象者の信念や生活に寄り添ったリハビリテーションを展開することを得意としている。
 これまで脳外科専門病院、総合病院、訪問看護ステーションに言語聴覚士として勤務し、病院医療では学会発表や研究を通して治療の重要性を発信、在宅医療では無理なく継続できる生活に寄り添った支援方法を発信してきた。急性期~生活期と様々な角度から患者と関わることで”自分らしく生きること”の重要性を実感し、今後の活動の軸としている。



※掲載されている画像等は当法人が権利を保持しているもの、もしくは写真AC(https://www.photo-ac.com/)よりダウンロードしたものとなっております。

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