はじめに

今回、皆様にご紹介するのは、カンボジアの地方部の2校の小学校におけるスクールサポートの共同プロジェクトになります。

具体的には、

①学校外壁と校門の建設

②職員棟の改修

になります。

以下、カンボジア支援の背景にあるものと本プロジェクトの意図するところをお読みいただけましたら幸いです。

このプロジェクトで実現したいこと

それは、『コンポンスプー州プレイボン小学校とボンクナー小学校の教育環境改善の支援』です。

わたしたちは、本プロジェクトを通して、カンボジアの子どもたちや先生方の教育をエンカレッジしつつ、共により良い学校づくりをお手伝いしていきたいと考えています。

当団体の活動紹介

皆さん、はじめまして。

国際協力NGOチアフルスマイルの松田と申します。(2023年9月から新名称「JECSAカンボジア」)

本団体は、2018年設立以来、カンボジアのスバイリエン州、コンポンチャム州、コンポントム州、プレイベン州、コンポンスプー州などの地方部・農村部の学校への教育支援活動に取り組んできました。

恵まれない環境の中にあっても、一生懸命に取り組む先生方や子供たちをエンカレッジするために、これまで約80校に7,215冊の図書や教材を届け、トイレ建設・水道建設などの教育環境改善の支援などを行ってきました。

現在は、コンポンスプー州の6つの小学校において、教育局の後援のもと英語指導教室を開講しております。

カンボジア支援の背景にあるもの

さて、カンボジア教育支援の背景として真っ先に挙げられるのが、1970年代に起こった「ポルポト時代の虐殺」とその後、続いた内戦時代の国土荒廃です。

原子共産主義を掲げて政治を行ったポルポト(サルットサル)と幹部たち。

少年少女に共産思想に基づく教育を施し、軍隊を組織しました。

1975年4月6日、クメールルージュ(赤いカンボジア)軍が首都プノンペンを制圧。

都市住民は、地方部へ強制退去させられ、プノンペンは3日のうちにゴーストタウンになったといわれています。

炎天下の中、強制的に徒歩で移動させられる数百万の住民たち。途中で、命を落とした人も少なくなかったそうです。

着いた先で待っていたのは、牛馬のごとく労働に明け暮れる生活。

資本家、医師、教師、学生など、知識階級の人々は、容赦なく収容所に送られました。

そこでは、凄惨な拷問の数々が行われました。

「腐ったリンゴは樽ごと腐らせる。」これが、クメールルージュの政治思想の根幹にありました。

首都プノンペンにあるトゥールスレン博物館には、その事実が展示されています。

このような恐怖政治のもと、人々はお互いが疑心暗鬼に陥りました。他人の名前を語れば、今度はその人が拷問を受けることになるからです。

こうして、強制的に自白させられた人々の行き先は、キリングフィールドといわれた処刑場。

深夜にトラックで運ばれ、ここで日常的に殺戮が行われました。

ここも公開されていますが、あまりに凄惨なゆえに、見ることをためらう人も多いのです。

ポルポトの政治は、3年8か月で終焉を迎えましたが、この後、ベトナム軍が駐留し、国内は4派に分かれた内戦状態に入っていきました。

1991年パリ和平宣言によって、この内戦が終結を迎えるまで、実に22年間もカンボジア国内は戦闘状態が続いたのです。

家を焼かれ農地を失った人々は、難民キャンプに逃れました。

これらの事実が、我々にカンボジア教育支援の必要性を訴えかけています。

とりわけ、このポルポトの共産主義政治のもとで、9割以上の学校教師を失ったことが、この後のカンボジアの復興の大きな障害となりました。

失われた20年数年の歳月により、教育機能は完全に無くなり、現在もなお、中高年世代の人々に文字が読み書きできない文盲といわれる人々が多いのはこれが理由なんです。


もちろん、今もなお、貧しいがゆえにまともに教育を受けられない世帯もたくさんあります。

(出典 2008年-2009年 教育白書 カンボジア教育省)

そして、教育を受けていない親が、我が子にも教育は不要と考える世代間連鎖なるものも未だに存在します。

児童労働が多いこともカンボジアの社会問題の一つです。

2023年現在でさえ、義務教育の中学校の修了率は49%である事実。

これが、カンボジアの実情です。

日本との関連性

20世紀のアジア史には、世界各国の思惑が関わっています。

当然、日本も無関係ではありません。

欧米の植民地政策 → 日本の敗戦 → 東西冷戦の始まり → 朝鮮戦争の勃発 → ベトナム戦争(戦火はインドシナに) → カンボジア内戦


さて、皆さん。

今年(2023年)は、日本とカンボジア友好70周年に当たる記念すべき年に当たります。

これは、今から遡ること70年前に、アジアの国王としては初めて、シアヌーク前国王が来日し、カンボジアは日本と友好の道を模索したのです。このときに、カンボジアは、第二次世界大戦中の日本軍のカンボジア進駐により被った被害にかかる対日賠償請求権を放棄し、日本はその行為に報いるため、経済・技術面での協力を約束しました。

日本のODAがカンボジアに投じた支援額は、最も多かった2017年で1億6,400万ドル(237億円)。

その中でも日本のODAの象徴として挙げられるのが、2015年に完成したメコン川に架かるつばさ橋の建設です。

この橋は、6年の歳月と121億円の無償資金援助により完成しました。

カンボジア政府は、日本への感謝の気持ちを500リエル札に表しています。

安倍総理が亡くなったときに、カンボジア全土で半旗が掲げられたのも、カンボジアの人々が日本の支援に感謝の心を持っているからこそのことなんです。

首都プノンペンも、2010年~2020年にかけて目覚ましい経済発展をしています。

学校支援の必要性

しかし、こういった巨額の支援がある一方で、地方部ではカンボジア政府からほとんど支援を受けられずに老朽化したままになっている学校が未だに多く存在していることをご存じでしょうか。

コンポンスプー州プレイボン小学校とボンクナー小学校もその学校のうちの一つです。実は、両校とも2021年から当団体が教育環境改善の支援にかかわっている学校です。

ますは、チャンタナル地区にあるプレイボン小学校です。

2019年には、トイレ建設資金支援のプロジェクトを行い、700名で4つしかなかったトイレが10になりました。このときには、クラウドファンディングで皆様から530,000円のご支援をいただきました。改めまして、お礼を申し上げます。

このプロジェクトを皮切りにして、これまで、

①校舎周りのコンクリート舗装

②ごみ焼却炉の設置

③リサイクルボックスの設置

④水道設備の修繕

⑤図書室へのコンピュータとプリンター設置支援

⑥机椅子の支援

⑦校庭のソーラー照明の設置

などの支援を行ってきました。

また、グラウンド整備、草刈り、校舎内外・トイレの清掃活動、机椅子の修繕など、人力が必要とされる活動もスタッフ総動員でサポートしてきました。

でも、まだまだ、手を入れなければならない箇所があります。

それは、お金がかかる支援です。

ひび割れた校舎外壁の改修

補修が必要な窓や扉

これらは、応急の補修で済ませられるものとして、次回以降に修繕に取り掛かる予定ですが、今回、プレイボン小学校が最優先課題として挙げているのが、

・学校周りの外壁の設置

・正門の設置

です。

先生方は、日本の皆様からの支援を熱望されています。

リム先生は、ご自身が在職中の間に、この建設をやり遂げて退職したいとの意向です。そして、10年後・20年後の未来の子どもたちのために整った学びの場を残してあげたいと考えていらっしゃいます。


プレイボン小学校は、700人在籍する3つの校舎のある大きな学校ゆえに、外壁の必要数は237枚。そして、1枚の建設費用は125米ドルです。(日本円で約18,000円)

支援した方々のお名前が、1枚1枚に刻まれています。

現在、建設途中ですが、地域から支援を集めて建設できる数は100枚が精いっぱいです。残り137枚分の建設資金が学校にはありません。


また、学校の顔である校門の建設には、3,000$の費用がかかります。(下は参考写真)

学校の入り口に、上のような立派な校門が作られたら、子供たちも先生方も、きっと誇らしい気持ちになることでしょう。

子どもたちも、日本の皆様からの支援を期待しています。


そして、もう一つの支援対象は、サムロントン地区にあるボンクナー小学校

小中併設の中規模校で、400名の子どもたちがここで学んでいます。

小学部の1棟は、内戦後に建設された木造校舎。

手洗いの設備が整っておらず、これもこの学校の教育環境改善の支援項目の一つとなっています。

この学校の教育設備改善を常に考えるKosal先生。

貧しい村ゆえに、十分な支援金が集まりません。

今回の修繕の対象は、ボンクナー小学校の職員室です。

建築後、30年近く経過しています。

隣接する図書室は、数年前にあるNGO団体の支援により改装されました。

今回、改修を考えているのが、この職員棟の内外部の部分改修です。

再塗装と床にタイルを張ります。

傷みで開閉不能になった窓。

建物周りのひび割れたコンクリート。

改修にかかる費用として、2,650$の見積もりを得ています。

解決したい社会課題

今回の支援は、教育環境改善のための支援です。

子どもたちの教育に、直接的に届くものではありません。

しかし、学校の設備が良くなることは、カンボジアの子どもたちの学びや先生方の心を大いにエンカレッジします。

これまで、挙げさせていただきましたように、

・カンボジア政府からのサポートは望めません。

・地域からの支援金にも限界があります。


私たちは、学校を地域ごと元気にするために活動をしています。

このような環境の中で、一生懸命に学ぶ子どもたち。

そして、その子どもたちのために尽力している先生方。

各学校を支える当団体のスタッフたち。

そして、日本からお越しいただくスクールサポーターの方々。

わたしたちは、現地の子どもたちや先生方と手を取り合いながら、教育の質の向上に努めています。

学校が元気になれば、必ず教育の質も向上します。


応援メッセージ

日本の皆さん、私はカンボジアでアパレル関係のビジネスをしているHAVAIといいます。私自身がプレアヴィヒア州の貧しい村の出身なので、地方の学校の施設が不十分なことは身をもって知っています。カンボジアには、このような学校がだまだたくさんあります。ぜひ、皆さんのお力で、地方部の学校の設備改善に力をお貸しいただければ幸いです。

JECSAカンボジア 代表 Sun Havai

資金の使い道

ー目標金額の内訳、具体的な資金の使い道

【収入】

(プレイボン小学校)

外壁建設費:2,000,000円

校門建設費:600,000円

(ボンクナー小学校)

職員棟改修費用:360,000円

【支出】

全体広報費:50,000円

交通費:20,000円

オリジナルシャツ代金:200,000円

リターン送料:15,000円

手数料:約360,000円(9%+税)

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合計 2,960,000円

上記、収入から支出を引いた残額で、各校の建設を進めていきます。

実施スケジュール

7月中旬 クラウドファンディング開始
9月中旬 工事開始
12月31日 施工完了

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

リターン

本プロジェクトのリターンは、2つございます。

1 ご支援者に対し、学校側の意思で日本の支援者のお名前を各場所にアルファベットで刻ませていただきます。完成時には、お名前を刻んだ建物の写真をお送りします。

①プレイボン小学校の外壁建設支援

②プレイボン小学校の校門建設支援

③ボンクナー小学校の職員棟改修建設支援

2 全員に、ご支援の証として、JECSAカンボジアが日本カンボジア友好70周年を記念して製作した両国国旗の入ったシャツを提供いたします。(サイズS・M・L)

最後に

本プロジェクトは、単に「無いものを与える支援」とは異なります。

日本とカンボジアとが、力を合わせて、共により良い教育環境を作り上げていく草の根プロジェクトとして取り組むものです。

我々が、工事が完成するまで、我々が学校に足を運び、お手伝いしながら、施工を最後まで見届けます。

日本-カンボジア 友好70周年記念事業として実施する本プロジェクト。

皆さんも、我々と共に、スクールサポーターとして名前を刻み、いつかカンボジアに来て、学校に足を運んでいただけたらと思います。

我々現地スタッフをはじめ、先生方も子どもたちも、そのときを心待ちにしています。

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