自己紹介

こんにちは。私たちはNPO法人POSSEです。20〜30代の若者ボランティアが中心となり、電話やLINEでの生活・労働相談の受付、相談会の開催、フードバンクと連携した食料配布などを行いながら、日々現場で貧困問題や労働問題の解決に取り組んでいます。
ゴールデンウィーク期間中の5月6日・7日に、埼玉県川口市の公共施設で、「その日の食事と居場所」を支え、その後の継続的な生活支援に繋げる相談会を計画しています。


インフレによる「電気か、食事か」を選ばなければならない状況の広がり

今年に入り、インフレによる食料価格やライフラインの高騰が続いています。東京の消費者物価指数をみると「生鮮食品を除く食料」は3月時点で前年度から8.1%上昇しています。また、電気・ガスの値上がりも続いており、東京電力は6月から約3割の値上げを予定しています。

 このような生活必需品の高騰は、これまで極限まで生活を切り詰めて生活してきた人々の暮らしを直撃し、人々の間には「電気か、食料か」を迫られる状況が広がっています。

私たちの相談窓口や、POSSEと連携するフードバンク(フードバンク仙台)にも、毎日のように深刻な相談が寄せられています。


①    子供三人を抱えるシングルマザーの30代女性

事務の仕事をしているが、収入10万に対して支出10〜11万で、うちライフラインは約4万円。物価上昇やエネルギー料金高騰で更に困窮しており、食費を節約している。寒い日でも、昼間は暖房をなるべくつけないようにしている。


②    生活保護を受給する50代女性

すでにガスが止まっている。電気は2カ月滞納しており、今月払わないとこれも止まってしまう。水道は家賃とセットになっており、家賃とともに1カ月滞納中。何とか公共料金を捻出するために1日2食にしている。

 

③    縫製工場で働く技能実習生

会社が所有する3LDKの住宅に11人で住まわされ、家賃の他に、1人あたり水光熱費8000円を徴収されていたが、今年の1月に、一方的に14000円と約2倍に引き上げが行われた。時給は最低賃金で、手取り15万円から家族に仕送りを行い、さらに倍になった水光熱費と家賃を払うと、生活費が2-3万円しか手元に残らない。食費を削るため、スーパーの半額商品を買うなどしてやりくりしている。 


 以上の相談からわかるように、このインフレの中で「明日の水や食事が手に入るかわからない」という人が増えています。フードバンクや生活相談窓口でこうした相談に直面する中で、私たちは、もはや日本社会の貧困のレベルが「生きるか、死ぬか」という水準になりつつあることを実感してきました。

 

日本社会の「地崩れ」が起き始めている

 緊急性を要する相談が増えていると同時に、相談件数そのものも増加しています。フードバンクでは昨年の半年間で1556件の食糧支援依頼、POSSEの相談窓口には年間で267件の相談が寄せられました。

その中でも特に目立つのが「これまで普通に働いてきた人」からの相談です。フードバンクの食糧支援依頼をする人の約半数は、現在も何らかの仕事に就き、働いている人たちです。ここからは、これまで非正規雇用で何とかギリギリの生活を成り立たせていた人の多くが、インフレ下で食料の確保すら難しいほどの貧困状態に陥っていることがわかります。生存を脅かされるほどの貧困は、もはや「ごく一部の人の特殊な問題」ではなく、非正規雇用で働くワーキングプアの人をも含み込んだ、多くの人が現実的に直面する問題となりつつあるのです。

このような社会状況の中で1人でも多くの人の生存権を守るべく、私たちZ世代のボランティアは、電話やオンラインで日々このような相談を受けつけ、必要があればその日のうちに相談者の元に駆けつけて公的支援に繋げたり、食料を渡したりという活動に奔走してきました。

相談者の家で生活状況の聞き取りを行うボランティア

ところが、日に日に相談が増え続ける中で、個別支援で生存を支えるのは限界があります。特に、ゴールデンウィーク期間中は日雇いの仕事も減り収入が得られなくなる人が増えるほか、行政の窓口も休みになってしまうため、多くの人が緊急の支援を要する貧困状態に陥る可能性があります。

 

相談会を開催します

そのような状況に対応するため、私たちは、ゴールデンウィーク中の5月6日と7日に、川口駅近くの公共施設で相談会を行うことにしました。

相談会場では、以下のような活動を行います。

 ・食料の配布
地域のフードバンク等と連携し、緊急の食糧支援を行います。

・緊急の宿泊先の確保
その日の夜に泊まる場所がない人に向けて、緊急の宿泊先の確保や生活費の支援を行います。

・労働・生活にまつわる相談受付
その場限りの支援にとどめず、来場者一人一人から相談を受け付け、生活保護の申請同行などを通じて公的支援に繋げたり、弁護士や労働組合などと連携し、労働問題解決に向けたサポートを行うなど、生活の基盤を整えるための継続的な支援を行なっていきます。

・外国人労働者向けの、外国語や「やさしい日本語」での相談受付
外国人労働者の多くは賃金未払いや職場での怪我が原因での失職などの労働問題を抱えていることや、在留資格によっては社会保障の対象外となることから、貧困に陥りやすい状況に置かれています。そこで、言語の壁などから支援に繋がりづらい外国籍の人も気軽に相談ができるよう、各言語での通訳や、「やさしい日本語」での相談を受け付けます。 


相談会の詳細

「なんでも相談広場ーインフレで生活が苦しい人、集まれ!ー」

日時:5月6日(土)・7日(日)

時間:10:00-17:00

場所:6日...川口市民パートナーステーション(キュポ・ラM4階、埼玉県川口市川口1-1-1)

   7日...フレンディア(キュポ・ラ4階、埼玉県川口市川口1-1-1)


寄せられたご支援の使い道

・アウトリーチの際に配布するチラシ、ポスター、備品 10万円

・相談を受ける会場の会場費 15万円

・相談者に配布する支援物資や、その運搬にかかる費用 40万円

・相談員の人件費、交通費 25万円

・通信費、手数料 10万円

皆さんのご支援が私たちの大きな力になります。1人でも多くの命と暮らしを守るため、ご協力をよろしくお願い致します。

 

ボランティアも募集中

私たちと共に、誰もが生きる権利を保障される社会の実現に取り組むボランティアを募集しています。現在POSSEには高校生や大学生、若手社会人の20〜30代のメンバーが集まり、生活相談を受けたり、街に出てアウトリーチ活動を行ったりしながら現場で貧困問題に取り組み、そこから見えてきた実態をもとに、社会発信などを行っています。

今回の相談会も、学生メンバーを中心に「相談会実行委員会」を立ち上げ、準備を進めています。支援に必要な制度や法律の知識などは、一緒に勉強して行けるので、事前の知識や経験は全く必要ありません。一緒に貧困支援の最前線で活動したい人は、ぜひご連絡ください。連絡先:volunteer@npoposse.jp

 

POSSE受賞歴

2021年 「第6回賀川豊彦賞」(公益財団法人「賀川事業団雲柱社」)受賞

2021年 「第8回エクセレントNPO大賞」(「エクセレントNPO」をめざそう市民会議主催、毎日新聞社共催)受賞

※NPO法人POSSEは非営利法人ですが、このクラウドファンディングにご支援いただくことでの税制優遇を受けることはできませんのでご理解ください。

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