はじめに・ご挨拶

はじめまして。貫井(ぬくい)と申します。私は12年前に「小児脳幹部グリオーマ」という悪性脳腫瘍で、当時6歳の一人娘を亡くしました。この病気は、小児がんの中でも最も厳しいものの一つで、
発症と同時に余命1年を宣告されるという、未だ治療法が見出されていない「不治の病」です。
私は、娘の死後、「小児脳幹部グリオーマの会」という患者家族のネットコミュニティーを立ち上げました。そこで初めてこの病気の信じられないような過酷さが可視化されたのです。設置された掲示板には、毎月のように小さな子どもたちの悲報が投稿され、積み重なって行きました。
信じられない事ですが、この状況は12年を経過した今でも全く変わっていないのです。
年間発症数40名から70名とされる希少疾患ですが、この間、旅立った子どもたちは、約500名にもなります。そして当然、その悲しみを経験した家族もその数だけ存在するのです。


商品・お店が作られた背景

「レモネードスタンド」をご存知ですか。2000年頃、アメリカの小児がんの少女が、レモネードを売って得たお金を、同じ病気の子どもを助けたいと病院に寄付したことがきっかけとなり、世界に広まった小児がん支援チャリティーの形です。
近年、日本でも各地で活発に開催されており、今ではレモンという食材は、小児がん支援のアイコンとなっています。私たちは、この「レモネード」を「レモンカレー」に変え、小児がんでお子さんを亡くした喪失経験家族によるチャリティーイベントを行ったらどうかと考えました。
また、「グリーフケア」という言葉をご存知でしょうか。家族や親しい人物の喪失経験によってもたらされたグリーフ(悲嘆)へのケアを意味します。
小児がんで亡くなるのは、小児脳幹部グリオーマだけではありません。1年間で2000名から2500名の子どもたちに発症するとされる小児がんですが、今は約80%は治癒するとはいえ、毎年280名ほどは、残念ながら亡くなっていると言われています。
我が子を亡くした親やそのきょうだいがその後の人生を送るために、グリーフケアはとても重要で、欧米などでは、悲嘆家族へのケアは手厚くされますが、日本では全くそのような状況にはなっていません。
レモンカレースタンドの開催は、小児がん支援チリャリティーと同時に、この「グリーフケア」であることも目指しています。

私たちの商品・お店のこだわり

では、なぜ、今回「レモネード」ではなく、「レモンカレー」なのか?
そしてレモンカレーとグリーフケアがどう結びつくのでしょうか?
病気や喪失、悲嘆といったテーマの活動は、どうしても悲しく厳しく、支援者も協力者もネガティブな気持ちを拭うことはできません。
そういった活動に、カレーという人々の笑みを誘わずにはいられない大きなポジティビィティーを内包した誰にでも好まれる食べ物を持ってくる事で、少しでも厳しいテーマを緩和し、多くの人々にアプローチすることができないだろうかと考えました。
そう、カレーを嫌いという人は滅多にお目にかからないほど、日本人はカレーが大好きです。まさに国民食と言えます。
しかしその中で、「レモンカレー」というのは、あまりメジャーとは言えないかもしれません。もしかしたら、まだ食べたことの無い方も大勢いると考えられます。つまりこれは、まだまだ工夫と拡大の余地があるカレーのジャンルという事です。そこで、私たちは独自のオリジナルレシピを開発し、「レモネードスタンド」ならぬ「レモンカレースタンド」という形で、これを小児がん支援と結びつけることはできないかと考えました。

実現したいこと

では、なぜ、それがグリーフケアにつながるのか?
通常、グリーフケアのグループワークは、円になって座り、自らの経験を語り合ったり専門家の講演を聴いたりといった形で行われます。
しかし、今回のイベントでは、小児がんにより子どもを亡くした家族を中心にスタッフを集めチームを組み、それぞれ意見やアイデアを持ち寄り、みんなで一つずつ作って行きます。あーでもない、こーでもないと話し合っていく過程で、各自の様々な悲嘆経験を語り合ったり、思いを共有する場面も訪れるはずです。ある共通する目的を持ち、その達成のために、頭や手足を動かして作業をしながら、それぞれが抱える悩みや悲しみを共有することで、一瞬でも救われたり、心が軽くなることがあるはずです。そう、みんなでレモンカレースタンドを作り上げていくその過程こそが、「グリーフケア」となって行くのです。
私たちは、そんなことが実現できる場所を作りたいと思っています。

圧倒的に足りない日本の小児がんの研究資金について

グリーフケアとともに、今回のイベントのもう一つの柱は、治療研究支援チャリティーという事です。
日本の小児がんの研究資金は世界的に見て圧倒的に足りません。
日本は臨床研究が実にアメリカの1/10程度しか行われていません。
その一つの原因は研究資金の不足ということに尽きます。
医薬品の研究開発資金は、アメリカが年間3.6兆円に対して、日本が1,400億円で、実に26倍もの差があります。アメリカと日本のGDPは4倍程度の差しかないのにです。
また、欧米では成人がんの薬の開発とともに、小児の薬も開発するように製薬企業に対して、ある程度のインセンティブを与えて開発を促すような制度もありますが、日本にはそういった制度もありません。日本人全体で年間100万人発症するがんの中で、小児は2000人程度の希少疾患であるため、企業は小児の薬を開発しても全く利益が望めないので、なかなか作ろうとしません。
また、海外の薬剤を輸入しようにも、画期的な薬を開発する海外のベンチャー製薬企業から見て、日本は薬価も安く、治験のコストも割高で、また急激な少子化や国内経済の停滞もあり、市場としての魅力が無く、次第に見捨てられつつあるのが現実です。これをドラッグロスと言いますが、世界では治療できる病気が、日本の子どもたちだけ治療できないという悪夢のような状況がいよいよ現実化しつつあります。
この状況を少しでも変えていくには、国民全体へ小児がんの問題点を広く周知していくしかありません。国の制度を変え、国の研究支援を促す世論の方向性を作ること。それには、あらゆる手段を使って啓発・啓蒙を行なっていくしかありません。
製薬には莫大な資金と多くの年月が必要です。欧米のように、支援団体自らが少しでも研究資金を集めて、研究者をバックアップして行くことも必要でしょう。寄付に関する文化や制度が欧米とは異なるとはいえ、今後、研究資金の差が日本の子どもたちの生命を左右する事態も予想されるとなれば、そうも言っていられないかもしれません。資金集めのためのあらゆるアイデアを実行してみる事も必要になってくると思います。

プロジェクトで実現したいこと

今回、第1回目の試みとして、グリーフスタッフによるオリジナルレモンカレーの開発と完成を達成します。
キッチンスタジオを2日間借りてお店とし、1日目は、メンバーで研究し準備していたオリジナルカレーを料理講師とともに試作し、味を仕上げ完成させ、翌日の準備をします。2日目は、完全予約制によりお客様にご来場いただき、カレーを提供致します。
ご来場いただいた皆様には、小児がんについてご説明し、支援への理解を深めていただき、任意の額による小児がん治療研究のための募金をいただけたら幸いです。
お料理+グリーフケア+小児がん啓蒙・啓発+小児がんの研究支援・・といった事を実現できたらと思っております。
小児がん研究の支援先は、日本小児がん研究グループほか国内のがん研究機関を考えております。

資金の使い道

目標金額は10万円となります。
・手数料 ー12,000円
・キッチンスタジオのレンタル料金が2日間(準備日・開催日)で2万円
・食材 30名分   2万円ほど
・料理講師謝礼    1万円
・リターン品製作費  1万円ほど 
・スタッフ交通費補助 2万円ほど
・レシピ開発費 1万円ほど
※もし、目標金額を超過しましたら、次回開催資金及び小児がん支援金に充当致します。

リターンのご紹介

ご支援いただく金額により、リターンは次のようになります。
1,000円のご支援には、お礼のメールをお送り致します。
3,000円のご支援には、お礼のメールと開発したオリジナルレモンカレーのレシピのPDFをお送りします。
5,000円のご支援には、お礼のメールと開発したオリジナルレモンカレーのレシピのPDFと今回のレモンカレースタンドの開催の様子をレポートしたPDFをお送りします。

最後に

プロジェクトの解説は以上となります。このような計画にご賛同いただけましたら、ぜひご支援いただきますようお願いいたします。
悲嘆の中にいるご家族が、わずかでも心が軽くなる瞬間を皆さんと作りたいと思っています。

「小児がんチャリティー グリーフレモンカレースタンド」
日程 9月17日(準備日)、18日(開催日) OPEN 11:30〜CLOSE 15:00
予約 8月中旬頃から来場者予約開始予定 SNS等で広報
会場 スタジオサンクレア 西武新宿線新所沢駅西口徒歩2分 https://studio-sunclea.com
主催・協力 
貫井孝雄 (かれんプロジェクト) https://soffy-nt.wixsite.com/karen-project
小児脳幹部グリオーマの会 https://glioma-net.com/page6

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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