2016/12/15 17:57

みなさん、こんにちは。九大の田北です。

今回はぼくの方から、「神集島購買部」を運営しながら、島のために日々奔走している区長さんの思いについて書いてみたいとおもいます。

神集島は、高齢化率の上昇に加え、急激に人口が減り続けています。1974年に1024人(234世帯)だった人口は、2016年11月現在で356人(183世帯)にまでなりました。

その人口減少に拍車をかけたのが、小中学校の統廃合でした。島内にあった「神集島小学校」および「神集島中学校」が本土の学校と統廃合され、2011年3月を最後に神集島には学校がなくなってしまったのです。また、その1年後には保育園もなくなってしまいます。

神集島小学校の閉校時、通学していた子どもは7名・6家族でした。そのうち3家族、園児を含めて8名の子どもたちが閉校後、島を離れてしまいました。現在、神集島には中学生はいません。小学生は3人。その子たちは毎日、汽船を使って、本土の小学校に通っています。

「学校がなくなる」ということは、残された島民の生活にも大きな影響を与えます。例えば、今までは学校の運動会などで集まっていた「島民たちの交流の場」がなくなりました。

「春の遠足、夏休み、運動会など、学校の風物詩がなくなったので、四季折々が感じられない」とおっしゃる方もいます。8月に本土に渡ると、昼間に遊ぶ子どもたちに出会うことができ、その時にはじめて「今はこういう時季か…」と感じられるということです。

何より、島で子どもたちが元気に遊ぶ声が聞けない状況が何ともさびしいと、島のみなさんは口を揃えておっしゃいます。

そんな中、島のみなさんは、拠り所だった小学校(廃校)を活用し、あらたな物産の開発やイベントの開催にがんばってきました。今回、支援をお願いしている「神集島購買部」は、その販売場所としての、島内ただひとつのお店であり、そして、島のみなさんにとっての貴重な交流の場となります。

「学校がなくなること、子どもたちがいなくなることは、仕方がない部分がある」と区長は言います。しかし、「今この島に生きる人たちが、神集島で生まれて、神集島に住んで、ほんとうによかったと思えるように、活動したい」と。

そして「島を離れた人たち、実家がなくなった人たちは、島に戻りたくても戻れんたいね。だから、小学校や購買部が『居場所』になったらよかとじゃなかかと」とおっしゃいました。

もちろん、小学校や購買部は今島に住んでらっしゃる方の「居場所」ではあります。でも同時に、島を離れた人たちにとっても「居場所」なんですね。戻りたいと思ったときに、戻れる場所があり続けること。それは、たとえ離れたとしても、島で生まれ、育った人たちにとっては、とても大きなことなんだとおもいます。

クラウドファンディングの期間は、残すところ数日となりました。

島でただ一つのお店を残すために。そして、島のみなさんにとってはもちろん、島に戻りたいと思った人たちの「居場所」を残していくために。引き続き、ご協力をよろしくお願いいたします!

(文:田北雅裕)