2017/01/08 01:48

鴨長明は、平安時代末期から鎌倉時代にかけての日本の歌人・随筆家で、30歳のときに鴨川の川原に小屋を建てて暮らしていました。その後、50歳の春に家を出て出家し、60歳になるころに、さらに小さな「方丈庵」を、京の郊外・日野山(京都市伏見区日野町)に建てました。


京都の河合神社に復元された方丈庵。
現在は建物を保護するために屋根がかけられています。 


・一丈(3.03m)四方(2.8坪)のスモールハウス
・生活の場、精神(仏教と芸術)の場に分けられたワンルーム
・日本の伝統工法である木造軸組工法
・解体すると、大八車2台で運搬できる
・3つの革カゴには、和歌・音楽・仏教に関する書物
・琴と琵琶(折りたたみ式や組立て式)を所有

 

アトリエかわしろ生活館 |鴨長明の方丈庵 より
http://seikatsukan888.blog112.fc2.com/blog-entry-49.html

鴨長明はこの小さな庵を「何のためらいもなく、自分に正直になれる家」と言っているそうです。『徒然草』や『枕草子』とあわせて「日本三大随筆」とも呼ばれる『方丈記』は、この庵で記されました。

 またいきほひある者は貪欲(とんよく)深く、
 独身なるものは人に軽めらる。
 財あればおそれ多く、
 貧しければ恨み切(せち)なり。
 人を頼めば身他の有(う)なり。
 人をはぐくめば心恩愛につかはる。

 世にしたがへば身くるし。
 したがはねば狂せるに似たり。
 いづれの所を占めて、
 いかなるわざをしてか、
 いばしもこの身を宿し、
 たまゆらも心を休むべき。

鴨長明は「世の流れに従えば、身は苦しい。従わないでいれば、変人扱いされかねない。いったいどこに住み、どう暮らせば、しばしの間、この心を休ませることができるのだろうか?」と記しています。

方丈庵は分解して運べますが、トラックハウスは家ごと移動できます。琴と琵琶の代わりに、ウクレレと三線を車に積み込もうと思っています。

また、鴨長明は小さな庵に暮らしていましたが、その背後には伏見の広大な森がありました。長明はその森を自分の庭として、散策したり、花を愛でたりしていました。アクティブホームレスの僕は、日本全国が “広大な森” になります。

ボンゴトラックの荷台は、幅1.6m×長さ2.7mあります。後方にドアをつくり、入ってすぐのスペースの両側に机とキッチンを備え付け、奥の2mくらいは小上がりの畳にします。室内の広さは、ほぼ一坪(3.3平方メートル)なので「一坪庵」と名づけることにしました。

建物の構造は、木造軸組工法と板倉工法でつくる予定です。板倉工法とは、柱に溝を掘って、そこに杉板を落とし込んでいく方法です。通常は4寸角(120mm角)の柱に30mm厚の杉板を合わせますが、今のところ3寸角(90mm角)の柱にしようと思っています。室内は柱と板がそのまま見える形になります。 


埼玉県の「仲宿古代倉庫群」の板倉造り

壁の間には45mm厚のスタイロフォーム(断熱材)を入れ、外壁は柱を隠すように板を打ち付けて、小屋全体の強度を出します。外壁には、焼杉を使いたいと思っています。焼杉は、表面を炭化させているので耐候性と耐久性があります。焼きっぱなしの凸凹した板を使うか、表面を磨いたものを使うか、まだ悩んでいるところですが、下側を黒い焼杉、上側をナチュラルな杉板のツートンカラーにしたいと思っています。


シンリン共同株式会社 より
http://www.shinrinkyodo.co.jp/sugi6.html

屋根は「ONDULINE」(オンデュリン)の波型屋根シートを使う予定です。フランス製の天然繊維アスファルト系屋根材(アスベスト未使用)で、遮熱性(トタンの6倍以上)と防音性に優れていて、しなりがあって簡単に割れないそうです。屋根下地との間に波形の空間ができるので、夏場の熱気も逃がせそうです。また、専用の天窓があるのも魅力的です。


ONDULINE Classic システム
http://jp.onduline.com/products/roofing/onduliner-classic-sisutemu

 

ソーラー関係の内訳は、こんな感じになっています。電動工具をソーラー発電でまかなうために、少し余裕のあるシステムを考えています。

・ソーラーパネル(国産)200W ×2 約4万円
・Tracer MPPTチャージコントローラー 30A 約1.5万円
・バッテリー STH700-4(4V 233Ah)×3 約3.5万円
・電菱 正弦波DC/ACインバーター1500W 約6万円
(もしくはバッテリー充電のみにして、同350W 約2万円)

 

残り7日で、現在45%のご支援をいただきました。ありがとうございます。ただ、理想の小屋をつくるのには、まだ予算が足りません。目標に満たない場合は、小屋の設計そのものを見直す必要もあり、ラストスパートの応援&シェアを、あらためてお願いしたいと思います。シェアするときに、何か一言、添えていただけると、大きな力になります。

最後のひと押し、よろしくお願いします!