2019/06/04 00:09
ー募集ー

日給:400円
業務内容:炎天下で砂埃が舞う中、重たい石の運搬
勤務時間:9時〜17時
備考:天候や受注の状況により不定期のお仕事になります。

 

 

この求人を見てあなたは何を思うだろう?

 

「あなたにはこの仕事以外は紹介できません。それが嫌なら無職です。」 

 

まさにそんな現実が突きつけられている人達がネパールにいる。
私たちがヒアリングさせていただいたおばあちゃんはその1人だった。

 

56歳の細身のおばあちゃんは、この仕事で自分の生計を立てているだけでなく、手の不自由な旦那さんと孫も養っている。

 

生きるためには働かなければならない。
ただ、安定した職に就けないのはなぜなのか?

 

 

それは、おばあちゃんが『教育』を受けていないからだ。

読み書きや計算などの生活の基礎知識がないと就ける仕事が非常に限られてしまうのだ。

 

村の写真

▲おばあちゃん達が住む村。家はレンガ造。

 

 

おばあちゃんの家族にはある共通点がある。

 

 

おばあちゃんは学校に行っていない。

2人の息子も学校に行っていない。

 孫も学校に行っていない。

 

 

 

みんな『教育』を受けていない。

 

 

 

 

これはなにかの偶然なのだろうか?

 

 

 

『教育』を受けられない。

だから、字が読めない。計算できない。

だから、安定した職に就けない。

だから、収入が少ない。

だから、子供教育』を受けさせられない。

だから、子供が字を読めない。計算できない。

だから、子供が安定した職につけない。

 

これはただの偶然なんかじゃない。
確実に貧困の連鎖に陥っていた。

 

家畜の痩せた水牛の写真

▲家畜の水牛は痩せて肋骨が浮き出ていた。

 

 

実際、家を出た32歳と35歳の息子は現在職につけていない。

 

 

孫は今12歳だ。

私がおばあちゃんに「給食があれば、孫は今からでも小学校に通える?」なんて本気で聞いたものだから周りの大人は苦笑いしていた。

 

彼は給食を支援できても小学校に入って1年生から学ぶ余裕なんてないんだろう。

 

 

もう手遅れだった。

 

 

彼は一生教育を受ける機会はないのだろう。

 このままでは貧困の連鎖は続いていく。

 彼は将来どんな生活を送るのだろうか。

 

 

現状を知った今、動き出さずにはいられなかった。
誰かが動かなければこの連鎖は終わらない。

 

 

おばあちゃんは私たちに、

 

「本当はとても学校に通いたかった。昔は早く嫁いで家庭を持つことが女性の理想だとされていた。だから、女の子に勉強させても意味がないと言われ、学校に通わせてもらえなかった。」

 

と涙ながらに語った。

 


こうなってしまった今、私たちはおばあちゃんや孫に何かしてあげられるだろうか。

 

 

時間は巻き戻せない。

 

 

私たちは今できることを全力でやるしかない。

 

 

 

学生団体LUCKY 副代表 真鍋 達也