2019/06/19 08:00

LITALICO研究所 OPEN LABクラウドファンディングを応援してくださっているみなさま、ありがとうございます。鈴木悠平です。

本日も、応援メッセージのご紹介です。パニック障害の症状から、イベント当日に参加できなくなることもあるという、たしろさとみさんの体験談。ほんの少しのコミュニケーションや環境の工夫でとっても助かることがあります。


はじめまして、たしろさとみです。約一年前に、二年弱勤めた特例子会社を退職し、現在絶賛求職活動中の身です。この一年は、療養をしたり仕事を(ちょっと)したり入院したり、暇なようでめまぐるしい一年を送っていました。趣味は友達の影響で、眠れない夜にTwitterで短歌を詠んだりしています。 

はじめて精神障がい者保健福祉手帳をもらったのは7年前、統合失調症で入院したのがきっかけでした。それまで定期的に病院を受診することのなかった私は、そこで初めて、自分が「なかなかに、生きづらい」ひとであることを、しっかり認識したのです。 現在は適量を守った服薬のおかげで、統合失調症自体は寛解(かんかい/服薬していれば症状が出ない状態)しています。ですが、心療内科に通院するようになって、自分が困っていた症状は実は「パニック障害」であったのか、とか、「双極性障害」の疑いがある、とか、色々な疾患が明るみになってきました。鈴木悠平さんと初めてお話ししたときには、「こうなってくるともう精神疾患のデパートですね!」と笑い話になったりしています。

 こんな風に、基本的にわたしのそとづらは、オフラインで対面するとにこにこしていて人とコミュニケーションをとるのが大好きで、人に笑ってもらうとこっちもハッピーになる、というパーソナリティでいます。

ですが、ひとりになったり、内面をさらけ出せる人の前では、必死に頑張って入った大学を2年も休学したり、周りと比べると「ライフステージ何周遅れてるんだろ、そもそも外れてる?」と思ってしまったり、病気にならなかった「もしも」の世界線について不毛だと思いながら考え悩んでしまったり、そんな日は精神障がい者になってから、たくさん、たくさんありました。 


外出時の「パニック障害」が、講義・イベント参加の障壁に

直近で一番困っている症状は「パニック障害」のそれで、症状としては、ストレスが過剰にかかったり、寝不足だったり、そんな様々な要因が重なった日に、電車に乗ったり人混みの中を歩いたりすると、急に気分が悪くなって、座り込んでしまいます。

元気いっぱいな日に外出しようとしても、症状が出てしまうことはあり、その度に駅のトイレに駆け込んで、涙目になりながら落ち着くのを待ちます。私はその症状が出ると、決まった薬を飲み、水を飲みながら深呼吸して苦しい波が引くのを待つ、という自分なりの対処法を見つけましたが、外出すると症状が出るので外出が難しい/プレッシャーになるということはやはりあります。

また、基本的に外出すれば一人で目的地まで移動しなければならないし、移動中に症状が出ないか、とか、外出先で会う人の前で症状が出ないだろうか、とか、外出先の場所で症状が出ないか、等々、不安が常についてまわるので、どうしても外で何かするのがおっくうになったり、「この用事はリスケしても大丈夫なものか」ということを事前に確認しなければいけなかったり、悩みは尽きません。 


そんなことを考えながら、Twitterをふと見ると、鈴木さんが「講義やイベントへの参加で困ったことはありませんか」という旨のツイートをしていらっしゃいました。

すかさず私は、今まで外出やイベント参加で困っていたことをお返事すると、鈴木さんが「会場に休憩スペースを設けるとか、本人と主催者の間で事前に情報共有しておくことで少し安心が生まれたりとか、途中退出した時用にアーカイブが見られたり…とかはどうかな?」と、積極的に学びの姿勢をサポートしてくださる提案をくださいました。

この時に初めて思ったのは、病気や疾患を持っていない人ベースで考えられ、構築されるのが当たり前だった今までの学びの場ではなく、生きづらさを抱えている人の様々な視点から多角的で柔軟に学びの場が形成されることの、なんとありがたく素直に嬉しいことだろう、という率直な感想です。 

外出が中々難しくても、やっぱり生であの人の話を聴いてみたい、学びたい。その気持ちは、地方から東京に出てきて、様々なセミナーや勉強会が開催されているところを体感して、より強くなりました。なぜならそこには、会場の雰囲気やライブ感があり、たまたま隣の席に座った全く知らない(でも学びたい!という意志を共有している)だれかとのかけがえのない出会いや、そこでのつながりがあるからです。 

そんなとき、どんな配慮があれば嬉しいだろう。私が考えられるのは、

 ・主催者との間での「困りごと」「疾患」の情報共有 ・調子が悪くなった場合の休憩室の用意や、席順の調整(トイレや出入口の近くに座らせてもらう等)

 ・現地参加できない人のためのライブビュー、アーカイブの作成(これ、とっても助かります)

 などです。 

私が外出が困難そうなときでもあえてイベントに参加するのは、「場」に参加することで、近くの人や質疑応答で面白い発言をした人に直接お声がけしたり、運が良ければ登壇している方とも繋がりができたりする、ライブ感の圧倒的なよさがあるからです。

しかしこれも、最近ではZoomなど同時進行型のライブチャットなどがありますから、直接参加できない人がリモートで雑談までできる、という環境なんかできれば、最高だなあ、とも思います。 


最後に、OPEN LABのクラウドファンディングへの気持ちを少しだけ。

私が何かをしよう!と思った時に、障がいや病気のせいで何となくその気持ちをなかったことにしたり、代替案で妥協してきた経験は、幾度もありました。それは、「学び」だけではなく、「働く」という観点からもそうです。

私は今、在宅での就労を目指して求職中です。それはやはり、「外出が難しい」という困難な点が私にとって大きな壁として立ちはだかるからです。

でも、やる気や好奇心はあるし、人とつながりたいし、成果だって出したい。 OPEN LABの取り組みが実現すれば、そもそも論として「障がいや疾患が壁になって動けない」人にとってフレンドリーな環境づくりを進めるのが、社会としても当たり前の世の中になる、大きな第一歩になると考えます。

生きづらさを抱えている人を、「助けてあげる」という上から目線ではなく、環境構築を様々な視座を持つ人ベースでしていくのが、当たり前の世の中になる、大きな一歩のために。

みなさま、ご支援のほど、よろしくお願いします。 


たしろさとみ

Twitter: https://twitter.com/satomi_tashiro 



たしろさん、ありがとうございました!

症状が出て外出参加が難しいときにも安心の動画アーカイブや、それでもやっぱり生で参加したい!という気持ちをサポートする会場運営者の姿勢など、たくさんのヒントをいただきました。

OPEN LABを通してノウハウを蓄積し、みなさんに共有していきたいと思います。

実現のためにも、ぜひクラウドファンディングへのご支援をお願いします!

https://camp-fire.jp/projects/view/162982