(2019.7.7追記)

ネクストゴール400万円を目指します!

LITALICO チーフエディターの鈴木悠平です!

353名もの方にご支援いただき、先ほど目標金額の350万円を達成いたしました!みなさま応援、本当にありがとうございます!メンバー一同、心から感謝しております。

障害や病気のあることで学ぶことを諦めなくていい、当事者が、当事者のための最先端の「知」にアクセスできる、自分たちで自分たちの未来を描くことを、当たり前の権利として保障される未来をつくりたい。

そんな思いから立ち上げた未来構想プログラム「LITALICO研究所 OPEN LAB」、みなさんのご支援のおかげで、当初掲げていた以下の取り組みを、無事実施できることとなりました。

①社会的マイノリティ領域への興味・関心の輪を広げる
・社会的マイノリティ分野に関心を持つ人々の裾野を広げるために、講師陣とライター・カメラマン・動画編集者に正当な報酬を支払い、高いクオリティのコンテンツをお届けします。
②遠方の方も聴講ができるようオンライン受講制度
・全ての講義に「オンライン受講券」を用意し、東京の講義会場に来られない方の聴講手段を確保します。
③障害・病気による聴講の困難さへの環境整備
・②のオンライン受講券に加え、会場で可能な「合理的配慮」を、参加者の要望に応じて可能な限り実施します。
想定される合理的配慮の例)
  - 難聴・聴覚障害のある方向けのライブ文字起こしや手話通訳
  - 聴覚過敏のある方向けのイヤーマフの貸出
  - 精神疾患のある方、体調不良の方向けの休憩スペースの確保
④経済的に困難な方向けのスカラーシップ制度
・全ての講義に各回3名の「スカラーシップ枠」を設けます。「経済事情から参加は難しい…それでも、この講義に参加して自分の未来を切り開きたい!」そんな思いをもった当事者の方を、公募・選考制で講義に無料招待します(詳細は追ってご案内いたします)。
・全ての講義において、その概要をまとめた「レポート記事」および「レポート動画」コンテンツを制作し、無料公開します。
⑤英語翻訳でのコンテンツ発信
・非日本語話者の方も学べるよう、レポート記事の英文翻訳版を作成します。

本日が最終日、残り約10時間で、ネクストゴールの400万円にも挑戦したいと思います!

追加50万円の使途は以下の想定です。

①イベント・学びの場における情報保障・合理的配慮の調査研究費用として

クラウドファンディングを開始したあと、OPEN LABが実施しようとしている情報保障の取り組みに多くの関心と賛同のお声をいただきました。現在、早速来週の第1回講義の準備をしておりますが、受講生のみなさまからのご相談をお聞きするにつけ、学ぶことにはさまざまな障害・困難さがあることを改めて痛感しています。

そこで、1年間のOPEN LAB運営過程で溜まった情報保障・合理的配慮の知見を、どなたでも活用していただけるように、「調査研究」を実施したいと思います。

具体的には、受講生や一般の方へのアンケートやヒアリング、先行研究レビュー等を通して、学ぶことへの障害の実態を明らかにし、困りごとに応じてどのような対応が実施可能か、コストや技術的な面も含めて、対応方法や事例をまとめていきたいと思います。調査レポートの公開・配布や、学会での発表や論文投稿といったアウトプットを想定し、調査計画を立てる予定です。そのためのリサーチ費用に当てさせていただきます。 

②スカラーシップ増枠による、選抜スカラーシップ生の交通費補填として

プロジェクト開始当初は各回3枠で予定していた、経済的に困難さのある方が無料で講義参加できる「スカラーシップ制度」ですが、5万円の「スカラーシップ応援券」で支援いただいた方がおられたため、若干名の増枠を実施することとなりました。スカラーシップ生には、講義の無料受講と交通費実費支払いを予定しています。選抜されたスカラーシップ生が遠方からお越しの場合の、交通費補填として、全体予算の中に組み込ませていただければと思います。「スカラーシップ応援券」で支援いただいた方には、スカラーシップ生からの受講レポートもお送りします。


※すでにファンディングは成立し、ネクストゴールが達成されなかった場合でもプロジェクトは実施されますが、OPEN LABの知をより多くの人に届け、OPEN LABが終わったあとも社会全体の共有財産として知見が残されるよう、上記調査へのご支援をお願いいたします。


終了日は本日7/7(日)23:59です。応援をどうぞよろしくお願いいたします!


***

はじめまして。株式会社LITALICO チーフエディターの鈴木悠平です。

「障害のない社会をつくる」をビジョンに、障害のある方の就職支援、子どもの発達を支援する教室、当事者や保護者がつながるオンラインコミュニティなどを運営する株式会社LITALICOで、障害のある方の支援に関する学術研究や、メディアを通した情報発信を担当しています。



今年の新たな取り組みとして、全国の社会的マイノリティ当事者がつながる知のコミュニティ「LITALICO研究所 OPEN LAB」を開講するために、クラウドファンディングを実施します。

さまざまな分野で活躍する当事者・専門家・起業家の方々を講師としてお招きし、社会的マイノリティ領域の課題や解決策、未来のビジョンを受講者の皆さんと共に考える学びの場です。

障害や病気のある当事者の方、経済的な困難さや遠方におられる方も参加できる、「オープン」な知のプラットフォームとなるよう、講義における合理的配慮や情報保障を徹底します。

このクラウドファンディングでは、この取り組みを全国に届けるための「開講サポーター」を募集したいと思います。

「障害のない社会」の実現に向けた一歩として、ぜひみなさんのお力をお貸しください。


社会的マイノリティがテーマの勉強会に、当事者が参加しにくい現状を変えていきたい

発達障害や精神障害、LGBTや子どもの孤立、格差や貧困…。ここ10年ほどで、こうした「社会的マイノリティ」領域に対する認知や関心はずいぶん高まりました。

当事者の方々が自ら声をあげたり、当事者を取り巻く状況を改善しようとするNPOや企業が提供するサービスも増えてきています。

また、社会的マイノリティについて考えることを目的としたイベントや勉強会も多く行われるようになってきました。

ですが、まだまだ困っている当事者の方々に、その情報や便益が十分に届きにくいという課題があります。


たとえば、そうしたイベントや勉強会の開催地は、ほとんどが東京をはじめとする大都市圏に集中しています。地方在住のマイノリティ当事者にとって、自分がよりよく生きていくための知識を得たり、同じ経験や関心を持つ仲間とつながったりする機会はまだまだ少ないと言えるでしょう。


障害・疾患がある方の中には、治療中のため働けていなかったり、自分に合った仕事や働き方の機会がまだまだ少なく、収入や雇用形態が不安定だったりと、経済的に脆弱な立場にある方も少なくありません。社会課題を扱うスクールやオンラインサロンがあっても、高額な参加費がハードルとなり、社会的マイノリティ当事者が実質的に排除されてしまう、という経済格差の問題もあります。


また、さまざまな障害・疾患がある方の特性を踏まえた「合理的配慮」を実施しているイベントや勉強会はほとんどありません。

・難聴・聴覚障害のある方向けのライブ文字起こしや手話通訳
・聴覚過敏のある方向けのイヤーマフの貸し出し
・精神疾患のある方、体調不良の方向けの休憩スペースの確保

など、マイノリティ当事者の方が安心して参加できる空間づくりのためには、さまざまな特性を踏まえた合理的配慮を標準化していく必要があると考えています。


今回開講する「LITALICO研究所 OPEN LAB」では、マイノリティ当事者の方々が、自分たちの未来を切り開くための「知」にアクセスできる環境を実現したいと思います。

オンライン聴講やイベントレポート記事・動画の配信等、スカラーシップ枠、会場での合理的配慮などさまざまな方法を通して、「オープン」な学びのコミュニティづくりを目指します。


当事者・専門家・起業家…多様な分野の講師と未来を描きたい

社会的マイノリティ当事者の方々が参加しやすい環境づくりと同時に、講師となるゲストの方々にとっても新たな問いや示唆が得られ、分野横断的なつながりが生まれるコミュニティをつくることも大切です。

こうした領域の勉強会において、講師となり得るプレイヤーはまだまだ少ないのが現状です。中には、当事者として自ら団体やプロジェクトを立ち上げたり、まだ確立していない新たな学問分野を開拓しようとしていたりと、ご自身の活動の十分な収益化が難しいなかで、挑戦を続けられている方もおられます。

一方で、こうしたイベントの主催者となる団体の方々も金銭面に余裕がなく、講師の方々に十分なお支払いをすることが難しい、というケースも少なくありません。


まだまだ発展途上であるこの領域のプレイヤーたちが心置きなく議論できるよう、正当な報酬を支払うこと。これも今回のOPEN LABでこだわりたいと考えている点です。

また、それぞれのテーマが各論でバラバラに語られがちな現状を乗り越え、社会課題領域全体を俯瞰できる学びの場となるよう通年でのシリーズ講義を企画しました。当事者・専門家・起業家等、多様な分野・立場の方々が協奏し、未来に向けた議論と対話を深められる場をつくりたいと思います。


なぜクラウドファンディングをするのか?

こうした問題意識のもと開講する「LITALICO研究所 OPEN LAB」が、さまざまな社会的格差を乗り越え、全国の当事者・支援者がつながる知のコミュニティとなるべく、みなさんに「開講サポーター」として支えていただきたい。それが、今回クラウドファンディングという手段でご支援をお願いする理由です。


「株式会社であるLITALICOが、なぜクラウドファンディングを?」と思われた方もおられるかもしれません。

もちろん、ただ「講義を実施する」だけなら、クラウドファンディングを行わなくても実現は可能です。会場はLITALICO本社にセミナールームがあり、告知や設営といった運営事務は、社員たちで行います。講師の方へのお支払い分だけなら、会場に来られた方の参加費で賄うことも可能です。


ですが、そうした運営方式では、これまでお伝えしてきた「学習機会の格差」を解消することができません。

会場での合理的配慮の提供、経済的に困難な方向けのスカラーシップ、場所と時間を選ばずアクセス可能なレポート記事や動画など…このOPEN LABを本当に「オープン」な学びの場にしていくための環境整備やコンテンツ制作のための資金をつくるべく、みなさんに「開講サポーター」となっていただきたいのです。

以下では、格差を乗り越えるためのOPEN LABの取り組みや資金の使途、開講サポーターとなっていただける方へのリターンについてご説明します。


誰もがアクセスできる学びの場に向けた、OPEN LABの5つの約束

社会的マイノリティ当事者の方をはじめ、さまざまな状況にある人がOPEN LABの知にアクセスできるように、私たちは以下の5つの障害に対応する環境整備を実施することを約束します。


①社会的マイノリティ領域への興味・関心の輪を広げる

・社会的マイノリティ分野に関心を持つ人々の裾野を広げるために、講師陣とライター・カメラマン・動画編集者に正当な報酬を支払い、高いクオリティのコンテンツをお届けします。


②遠方の方も聴講ができるようオンライン受講制度

・全ての講義に「オンライン受講券」を用意し、東京の講義会場に来られない方の聴講手段を確保します。


③障害・病気による聴講の困難さへの環境整備

・②のオンライン受講券に加え、会場で可能な「合理的配慮」を、参加者の要望に応じて可能な限り実施します。

 想定される合理的配慮の例)
  - 難聴・聴覚障害のある方向けのライブ文字起こしや手話通訳
  - 聴覚過敏のある方向けのイヤーマフの貸出
  - 精神疾患のある方、体調不良の方向けの休憩スペースの確保

 

④経済的に困難な方向けのスカラーシップ制度

・全ての講義に各回3名の「スカラーシップ枠」を設けます。「経済事情から参加は難しい…それでも、この講義に参加して自分の未来を切り開きたい!」そんな思いをもった当事者の方を、公募・選考制で講義に無料招待します(詳細は追ってご案内いたします)。
・全ての講義において、その概要をまとめた「レポート記事」および「レポート動画」コンテンツを制作し、無料公開します。


⑤英語翻訳でのコンテンツ発信

・非日本語話者の方も学べるよう、レポート記事の英文翻訳版を作成します。


クラウドファンディングの目標金額・用途とリターン

今回のクラウドファンディングでは、「350万円」を目標金額として支援を募集します。

これは、上記の5つの約束を実現するための環境整備やコンテンツ制作のために必要な金額です。

2019年7月〜2020年3月まで、毎月1回、合計9回のシリーズ講義となるOPEN LABでは、現状、以下のような支出を想定しています。


■OPEN LAB支出

①講師への謝礼: 約100万円
 - 単独登壇回の講師に10万円、複数人登壇回の講師に5万円をお支払いします

②コンテンツ制作費: 約250万円
 - ライターによるレポート記事執筆費5万円/回
 - カメラマンによる当日撮影費3万円/回
 - 動画制作クリエイターによる配信・レポート動画編集8万円/回
 - 講演内容の文字起こし費用1万円/回
 - レポート記事の英文翻訳費10万円/回

③講師・ライター・スカラーシップ生等の旅費交通費(遠方の方含む): 約30万円

④会場での合理的配慮、スカラーシップ枠提供予算: 約20万円

⑤クラウドファンディング手数料: 約50万円


このうち、①講師への謝礼分である約100万円分は、クラウドファンディングとは別途告知する、通常の参加申し込み枠での参加費で概ね賄えるように収支設計いたしました。残りの②〜⑤の費用350万円を、今回のクラウドファンディングでご支援いただきたいと思っています。

当日、会場に来られない方や、経済的に困難な状況にある方も含めて、OPEN LABの内容を「オープン」に届けていくためのコンテンツ制作・配信費、翻訳や合理的配慮、スカラーシップ枠などの費用を、「開講サポーター」としてみなさんに支えていただきたいのです。


支援いただいた皆さんにもOPEN LABに参加していただけるよう、複数種類の支援方法・リターンをご用意しております。

【開講サポーター】
OPEN LABの趣旨に賛同し、立ち上げをサポートいただける方向けのプランです。活動報告をお送りするほか、アニューアルレポートの配信、ゼミへのご招待など、支援金額に応じた追加のリターンもご用意しています。以下の4つからお選びいただけます。

■開講サポーター(ライト)
①活動報告メールをお送りします


■開講サポーター(スタンダード)
①活動報告メールをお送りします
②OPEN LAB全講義終了後の「アニューアルレポート」(PDFファイル)をお送りします


■開講サポーター(スペシャル)
①活動報告メールをお送りします。
②OPEN LAB全講義終了後の「アニューアルレポート」(PDFファイル)をお送りします。
③OPEN LAB各講義のオンライン配信およびアーカイブ映像を限定公開チャンネルにて通年聴講いただけます。
④講義の内容を振り返り、更に学びを深めるクローズドの「ゼミ」にご案内します。

※クラウドファンディング終了後、購入してくださった方の中でゼミの日程を調整します。
※ゼミ会場は、東京・中目黒のLITALICO本社または東京都内のレンタルスペースを予定しています。
※調整した日に来れない方はビデオ会議システムを用いて接続、または「ゼミ」の様子を簡易レポートでお伝えします。


■開講サポーター(法人)
①活動報告メールをお送りします。
②OPEN LAB全講義終了後の「アニューアルレポート」(PDFファイル)をお送りします。
③社会的マイノリティに関する社内向け勉強会または、事業・研究プロジェクトに関するディスカッション(1回,2時間)を行います。

※③については個別に日程調整を行います。
※③について、首都圏外の場合、別途旅費交通費をいただきます。


【スカラーシップ応援チケット】 

本チケット購入1件につき、各回のスカラーシップ枠を1枠増枠いたします。


①活動報告メールをお送りします。
②OPEN LAB全講義終了後の「アニューアルレポート」(PDFファイル)をお送りします。
③OPEN LAB各講義のオンライン配信およびアーカイブ映像を限定公開チャンネルにて通年聴講いただけます。
④スカラーシップ生による講義受講レポートをメールでお送りします。


【スペシャルスポンサー】
OPEN LABの特設サイト、アニューアルレポート等に「スペシャルスポンサー」としてお名前やロゴをご紹介させていただくプランです。

■スペシャルスポンサー(個人)
①活動報告メールをお送りします。
②OPEN LAB全講義終了後の「アニューアルレポート」(PDFファイル)をお送りします。
③OPEN LAB各講義のオンライン配信およびアーカイブ映像を限定公開チャンネルにて通年聴講いただけます。
④OPEN LAB特設サイトおよび「アニューアルレポート」に、スペシャルスポンサーとしてお名前を掲載いたします。


■スペシャルスポンサー(法人)

①活動報告メールをお送りします。 ②OPEN LAB全講義終了後の「アニューアルレポート」(PDFファイル)をお送りします。
③OPEN LAB特設サイト、「アニューアルレポート」、講義時の投影スライドに、スペシャルスポンサーとして団体ロゴ・団体名を掲載いたします。
④社内スタッフみなさまにご聴講いただける、法人さま向けオンライン配信アクセスコードを発行いたします。OPEN LAB各講義のオンライン配信およびアーカイブ映像を限定公開チャンネルにて通年聴講いただけます。
⑤OPEN LAB各講義へのフリーアクセスチケットを各回3名さま分ずつ発行いたします。


【オンライン受講券】
①活動報告メールをお送りします。
②OPEN LAB全講義終了後の「アニューアルレポート」(PDFファイル)をお送りします。
③OPEN LAB各講義のオンライン配信およびアーカイブ映像を限定公開チャンネルにて通年聴講いただけます。

※本チケットを購入することで、全ての講義をオンライン聴講可能です。
※各回の先行予約券と併用可能です。
※開講サポーター(スペシャル)にてご支援いただいた方は、リターンにオンライン受講券が含まれておりますので、重複購入は不要です。


【各回講義の先行予約券】

全9回のOPEN LABの講義の先行予約券を、本クラウドファンディング上でお選びいただけます。各講義は毎回50名の参加枠を設けており、各回20名分を先行予約枠として本クラウドファンディングのリターンとして提供いたします。

①活動報告メールをお送りします。
②OPEN LAB全講義終了後の「アニューアルレポート」(PDFファイル)をお送りします。
③購入いただいた回の講義に先行予約枠でご参加いただけます。

※開催場所は、株式会社LITALICO本社です。
※本リターンは先着順となります。
※50名の参加枠のうち、20名分を先行予約枠としてご案内します。
※残りの参加枠は、後日Peatix経由での抽選申し込みとなります
※ゲスト・日程が全て確定した回からチケットをオープンいたします。クラウドファンディング期間中に全てのチケットをオープン予定です。


【年間フリーアクセスチケット】OPEN LABすべての講義・ゼミに参加できるチケットです。

①活動報告メールをお送りします。
②OPEN LAB全講義終了後の「アニューアルレポート」(PDFファイル)をお送りします。
③OPEN LAB全ての講義に任意でご参加いただけます
④OPEN LAB全ての講義のオンライン配信およびアーカイブ映像を限定公開チャンネルにて通年聴講いただけます。
⑤講義の内容を振り返り、更に学びを深めるクローズドの「ゼミ」にご案内します


多様な分野で活躍する講師陣が集結、ここでしか聞けない濃密な議論を

以下では、OPEN LAB全9回の講義のテーマとゲスト講師の方々をご紹介します。日程・ゲストが確定した回から先行予約券をオープンいたします。ぜひともご参加ください。


第1回 「障害のない社会」に向けた現在地と課題、そして

「医療モデル」から「社会モデル」、「当事者運動」から「当事者研究」…先人たちの挑戦が切り開いた地平に私たちは立っています。福祉制度が整備され、テクノロジーが進化し、当事者主導の研究や就労の事例・方法論も蓄積つつある現在。一方で、ポスト制度化時代の連帯の難しさ、フィルターバブルと呼ばれるインターネット言論空間の分断や両極化、相模原の事件に象徴されるような優生思想への揺り戻しのリスクなど新たな課題も指摘されています。シリーズ第1回は、熊谷晋一郎さんをお招きし、障害のある当事者を取り巻く歴史を振り返りながら、現在の課題と未来の可能性について考えたいと思います。

日時: 2019年7月10日(水) 19:30〜22:00(18:30開場)
場所: 株式会社LITALICO本社 セミナールーム(東京・中目黒)
ゲスト:
熊谷晋一郎さん
東京大学先端科学技術研究センター准教授・小児科医

 東京大学先端科学技術研究センター准教授、小児科医。新生児仮死の後遺症で、脳性マヒに。以後車いす生活となる。東京大学医学部医学科卒業後、千葉西病院小児科、埼玉医科大学小児心臓科での勤務、東京大学大学院医学系研究科博士課程での研究生活を経て、現職。専門は小児科学、当事者研究。主な著作に、「リハビリの夜」(医学書院、2009年)、「発達障害当事者研究」(共著、医学書院、2008年)、「つながりの作法」(共著、NHK出版、2010年)、「痛みの哲学」(共著、青土社、2013年)、「みんなの当事者研究」(編著、金剛出版、2017年)、「当事者研究と専門知」(編著、金剛出版、2018年)など。


第2回 「自己知」とウェルビーイング - からだが教えてくれたこと 

ただ生きるだけでなく、より善く生きること。一人ひとりが尊厳を持って自分らしく生きていくことができ、身体的にも、精神的にも、社会的にも良好である「ウェルビーイング」という概念が注目されています。それはすなわち、「幸福」と言い換えることができるかもしれません。身体障害や発達障害といった、他の多くの人達と異なる身体機能や認知パターンの特性を持つ人たちは、なかなか思い通りにならない自分の「からだ」や周囲とのかかわりのなかで、どのようにウェルビーイングを実現していくことができるのでしょうか。 ウェルビーイング研究の第一人者ドミニク・チェンさんと、ご自身の疾患症状・心身特性への理解を深めながら、企業・研究の現場で活躍する木戸奏江さん・岩本友規さんと共に、一人ひとりが自分らしく、より善く生きていくための実践知の抽出と共有を試みます。

日時: 2019年8月30日(金) 19:30〜22:00(18:30開場)
場所: 株式会社LITALICO本社 セミナールーム(東京・中目黒)
ゲスト:
ドミニク・チェンさん
研究者

1981年生まれ。フランス国籍。博士(学際情報学)。2017年4月より早稲田大学文学学術院・表象メディア論系・准教授。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デザイン/メディアアート学科卒業、東京大学大学院学際情報学府修士課程・博士課程修了。メディアアートセンターNTT InterCommunication Center[ICC]研究員/キュレーターを経て、NPOクリエイティブ・コモンズ・ジャパン(現コモンスフィア)を立ち上げ、理事としてオープンライセンスの普及活動を行う。2008年に株式会社ディヴィデュアルを共同創業、オンラインコミュニティやゲームソフト開発を行い、2015年と2016年には連続してApple Best of Appstoreを受賞。2008年IPA未踏IT人材育成プログラム・スーパークリエイター認定。NHK NEWSWEB第四期ネットナビゲーター(2015年4月~2016年3月)として一年間、情報技術の専門家として深夜ニュース番組のホストを務める。2016年度から2018年度までグッドデザイン賞・審査員、「技術と情報」、「社会基盤の進化」フォーカスイシューディレクターを務める。XXII La Triennale Milano『Broken Nature』展(2019.3.1~9.1)でぬか床ロボット『NukaBot』、あいちトリエンナーレ2019『情の時代』展(2019.8.1~10.1)では人々の遺言の執筆プロセスを可視化する『Last Words』を出展。主な著書に、『電脳のレリギオ:ビッグデータ社会で心をつくる』(NTT出版)、『インターネットを生命化する:プロクロニズムの思想と実践』(青土社)、『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック:クリエイティブ・コモンズによる創造の循環』(フィルムアート社)等。共著に『情報環世界:身体とAIの間であそぶガイドブック』(NTT出版)、『謎床:思考が発酵する編集術』(晶文社、松岡正剛との共著)等。訳書に『ウェルビーイングの設計論:人がよりよく生きるための情報技術』(BNN新社、渡邊淳司との共同監修)、『シンギュラリティ:人工知能から超知能まで』(NTT出版)。


木戸奏江さん
WHILL株式会社 マーケティングコミュニケーション部

10歳の時に顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの診断を受け、20歳より電動車椅子を使用しての生活を始める。社会福祉士の資格を取得し、大阪府立大学を卒業。ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業 第34期研修派遣生としてアメリカに渡り、社会的マイノリティのアイデンティティ形成について関心を持つ。車椅子を使用し始めたことによる、見られ方が変わった自身の経験をきっかけに、次世代型電動車椅子のメーカー、WHILL株式会社に新卒入社する。現在3年目。「障害者であることから心理的に自由になる」をモットーにWHILLのマーケティング業務に携わる。


岩本友規さん
研究者・フリーランス


© naonori kohira
明星大学発達支援研究センター研究員。中央大学法学部卒業。3回の転職を経て、携帯通信キャリアに勤務していた33歳のとき発達障害の診断を受ける。翌年、興味や特性を活かせる仕事へ転身し、レノボ・ジャパン株式会社のシニアアナリストとしてglobal supply chain individual award、Integrated Operation individual awardなどを受賞。発達障害のある人の「自律」や「主体性」発達の研究や普及活動を行い、2018年から現職。2017年度厚生労働省委託事業「発達障害者就労支援者育成事業(南関東)」支援者向け交流会コーディネーター。日本LD学会LD-SKAIP委員会委員。著書:『発達障害の自分の育て方』(主婦の友社)。


第3回 「異才」はどこで花開く - 子どもたちの見ている風景 

「子どものためを思って…」「子どもの将来のために○○を…」きっとそれは善意なのだろうけれど、大人たちが先回りすることで、見えなくなってしまうものもあるかもしれない。子どもと同じ目線に立ってみて、心動かされる「何か」を一緒に探求すると、ちがった風景が見えてくる。学校の内外で、子どもたちと共に探求を続けるお二人と、学校の外で自分らしい働き方を見つけた若き表現者のお話をお聞きします。

日時: 2019年9月17日(火) 19:30〜22:00(18:30開場)
場所: 株式会社LITALICO本社 セミナールーム(東京・中目黒)
ゲスト:
福本理恵さん
東京大学先端科学技術研究センター 「異才発掘プロジェクト ROCKET」プロジェクトリーダー

1981年姫路生まれ。東京大学先端科学技術研究センターの交流研究員を経て、東京大学大学院博士課程に進学。心のメカニズムを探るべく認知能力(モノの捉え方)についての研究をするも、自身の体調を崩したことがをきっかけに、日々の食の重要性を再確認する。「豊かな心は、楽しい食卓から」をモットーに、「種から育てる子ども料理教室」のカリキュラム作成および運営に携わる。2014年からは東京大学先端科学技術研究センターにて、農と食から教科を学ぶ「Life Seed Labo」を企画運営する。2014年冬からスタートした「異才発掘プロジェクト ROCKET」のプロジェクトリーダーとして、立ち上げ当初の運営全般を統括するとともに、子どもの特性に合わせたカリキュラムを開発している。ROCKETでの実践を通して、これからの時代の学びを先導的に創造していくことを目指す。


加藤路瑛
株式会社クリスタルロード 取締役社長

中学2年生。12歳(中学1年)の時に株式会社クリスタルロードを立ち上げる。年齢制限により法人登記できないため、親が代表取締役、子が取締役社長になる起業スタイルを「親子起業」と名付け、親子起業の良さを伝える活動をしている。小中高生だけで運営する職業探究ウェブメディアTANQ-JOB(https://tanq-job.com/ )の編集長を務める。現在、2019年7月公開に向け、U-18専用のクラウドファンディング事業に取り組んでいる。また、現在、出版クラウドファンディングEXODUSに最年少作家として挑戦中(https://camp-fire.jp/projects/view/132464 )。子どもを理由に「今」を諦めなくていい社会をつくることをビジョンに掲げ、世の中の固定観念を変えることを自らのテーマにし、挑戦し続ける中学生起業家として活動している。


他、調整中(近日公開)
公立小学校の特別支援学校や通級の担任として、そこに通う子どもたちと一緒に、彼らが学びやすい方法や、自分の困りごととの付き合い方を探していく「自分研究」をすすめてきた先生をお呼びします。


第4回 わたしたちは何を「見て」いるのか - ユニークな身体と自己肯定 

「ありのままの自分で」そんな歌が一時期大流行しましたが、ありのままとはいったい何でしょうか。私たちが、集合的に、また個人的に持っている価値観。それを元にお互いに送られるメッセージ。他人の目線の内面化と葛藤。「ありのまま」かどうかはわからないけれど、「これが私です」と生きていくことはできるかもしれない。見ることと見られること、他者とつながることについて、3人のゲストと共に考えます。

日時: 2019年10月31日(木) 19:30〜22:00(18:30開場) 
場所: 株式会社LITALICO本社 セミナールーム(東京・中目黒)
ゲスト:
石井政之さん
ユニークフェイス研究所 代表

生まれつき顔に赤アザ(単純性血管腫)がある。大学卒業後、国内外の顔に病状のある当事者についてノンフィクション「顔面漂流記」を1999年発表。同時にセルフヘルプグループ・ユニークフェイスを設立。当事者支援の活動を開始する。2002年にNPO法人化。(2015年に解散)。2016年秋、次世代のユニークフェイス当事者のための活動、「ユニークフェイス研究所」を開始した。 著書「顔面漂流記」「迷いの体」「顔面バカ一代」「顔がたり」など。
 

伊藤亜紗さん
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授

もともと生物学者を目指していたが、大学3年次より文転。2010年に東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美学芸術学専門分野博士課程を単位取得のうえ退学。同年、博士号を取得(文学)。専門は美学、現代アート。主な著作に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社、近日刊)など。WIRED Audi INNOVATION AWARD 2017受賞。


藤岡千恵さん
NPO法人 大阪スタタリングプロジェクト
1976年、兵庫県生まれ。保育士、印刷オペレーターを経て、現在は医薬品メーカーで事務職に就いている。どもる大人のセルフヘルプグループ「NPO法人 大阪スタタリングプロジェクト」所属。

幼少の頃からどもり始め、小学校でクラスメイトとの違いを意識し始める。言葉の言い換えスキルを身につけることによってどもりが目立たなくなったが、30歳を目前にして、どもる自分を否定しつづけることに苦しくなり、2005年にどもる仲間のもとを訪れる。どもりへの抵抗を手放すことによってどもりの豊かさに気づき、世界が一変。

現在は運営メンバーのひとりとして毎週金曜日に大阪で開催される定例会や夏の吃音親子サマーキャンプなどを通じ、「どもりとともに豊かに生きる」を仲間と実践中。


第5回 「からだ」はどこまで拡がるか - 未来のコミュニケーションを創造する 

眼差しだけで音楽を奏で、映像を立ち上がらせる。やがて失われていく「肉声」を、AIによって記憶・合成し、自分の「こえ」として残していく。そこに実在しないはずのものの「さわり心地」を表現する。テクノロジーには、人間の身体を拡張し、「コミュニケーション」のあり方そのものを変容させる可能性を秘めています。今まで想像できなかったようなワクワクする未来をかたちにしている、二人の実践者をお招きします。

日時: 2019年11月27日(水) 19:30〜22:00(18:30開場) 
場所: 株式会社LITALICO本社 セミナールーム(東京・中目黒)
ゲスト:
武藤将胤さん
WITH ALS代表 / EYE VDJ

1986年ロサンゼルス生まれ、東京育ち。難病ALS患者。一般社団法人WITH ALS 代表理事、コミュニケーションクリエイター、EYE VDJ。また、(株)REBORN にて、広告コミュニケーション領域における、クリエイティブディレクターを兼務。過去、(株)博報堂で「メディア×クリエイティブ」を武器に、さまざまな大手クライアントのコミュニケーション・マーケティングのプラン立案に従事。2013年26歳のときにALSを発症し、2014年27歳のときにALSと宣告を受ける。現在は、世界中にALSの認知・理解を高めるため「WITH ALS」を立ち上げテクノロジー×コミュニケーションの力を駆使した啓発活動を行う。メガネ型デバイス「JINS MEME」を活用し、音楽(DJ)・映像(VJ)を眼球の動きだけで同時にコントロールするシステム「JINS MEME BRIDGE」を独自開発。MOVE FES.2016で初披露し、SXSW(サウスバイサウスウエスト)やINNOVATION WORLD FESTA など国内外の音楽フェスやイベントにEYE VDJ MASAとしてパフォーマンスを行っている。


南澤孝太さん
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD) 准教授

2005年 東京大学工学部計数工学科卒業,2010年 同大学院情報理工学系研究科博士課程修了,博士(情報理工学) メディアデザイン研究科特別研究助教,特任講師,准教授を経て2019年より現職. 触覚技術を活用し身体的経験を伝送・拡張・創造する身体性メディアの研究開発と社会実装, Haptic Design を通じた触感デザインの普及展開,新たなスポーツを創り出す超人スポーツやスポーツ共創の活動を推進. 超人スポーツ協会 事務局長,科学技術振興機構 ACCELプログラムマネージャー補佐,IEEE Technical Committee on Haptics Vice Chair in Conference,Telexistence Inc. 技術顧問等を兼務. 東京大学情報理工学系研究科長賞,日本バーチャルリアリティ学会論文賞・学術奨励賞,計測自動制御学会技術業績賞,グッドデザイン賞など各賞受賞



第6回 障害者雇用の現在と未来 - 「自分らしさ」と市場経済のはざまで 

一口に「障害のある人」と言っても、その症状の種類や程度、働く上での困りごとや必要な支援、そして自分自身が「どのように働きたいか」という願いは、当然一人ひとり異なります。一方で、「企業で働く」ということは、常に金銭的・物理的・人的制約の中で企業成長のための戦力として「自分に何ができるのか」を問われることでもあります。障害者雇用制度や就労移行支援、テクノロジーを活用しながら、障害のある人たちの働き方をどこまで拡張できるのか。3人の実践者と共に、具体的な方法を探ります。

日時: 2019年12月16日(月) 19:30〜22:00(18:30開場) 
場所: 株式会社LITALICO本社 セミナールーム(東京・中目黒)
ゲスト:
福田智史さん
グリービジネスオペレーションズ代表


1979年生まれ。ヤフー、NAVER Japan(現LINE)等を経て、2010年にグリー株式会社に入社。2013年に特例子会社であるグリービジネスオペレーションズ株式会社の代表取締役に就任。2016年度障害者雇用職場改善好事例優秀賞。グリーではファンコミュニティ・プラットフォーム「Fanbeats」の事業責任者を務めながら、特例子会社を通じた精神・発達障がい者の人材活用に力を注ぐ。

昆野祐太さん
LITALICO仕事ナビ マネージャー

1990年生まれ。遺伝子の疾患で先天性の上肢障害を持って生まれる。弟も同じ障害で、日本で2名しかいないと主治医から言われる。幼少より保健師や作業療法士の方など福祉職の方に助けていただき、社会生活ができるようになったが、成人になり、それが当たり前でなく、自分が幸運だったということに課題を感じ、新卒でLITALICOに入社。就労移行支援事業所LITALICOワークスで障害のある方の就労支援に従事。その後、センター長として事業所のマネジメント・新規事業所の開設・行政連携等の業務を実施。2017年より新規事業LITALICO仕事ナビで営業企画の立案や、インサイドセールスチームの立ち上げ、専門家や業界団体との交渉業務を担当。現在は営業部のマネージャーとして各地の営業チームを統括しながら、営業戦略の立案から推進までを担当。 発達障害や精神障害の方にも、補装具のようなものがあれば、より社会参加が進むと思い、技術を使って、当事者の方の生きづらさを解決するべく、業務に従事。


ほか、調整中(近日公開)


第7回 コミュニティは誰を救うのか - 関係の網の目から希望を紡ぐ 

今日も明日も続いていくと思っていた「日常」が、突如足元から崩れ落ちてしまうかのような事件の数々。どうして起こったのか、誰のせいなのか。問うても答えがかえってこない。誰もが不安の中を生きている。特効薬はないのかもしれない。だけど、それでも。生産性と自己責任の呪いに抗い、「ここにいていい」と思える居場所をつくること。敵と味方、強者と弱者といった分断を超えて、異なる「私たち」が共に在るための地平を開くこと。日常から、小さな希望の芽を育んでいく方法について、多様な人たちがかかわりあうコミュニティを営んできたゲストの方々と考えます。

日時: 2020年1月28日(火) 19:30〜22:00(18:30開場) 
場所: 株式会社LITALICO本社 セミナールーム(東京・中目黒)
ゲスト:
小澤いぶきさん
PIECES代表理事


理事児童精神科医/東京大学医学系研究科客員研究員。精神科医を経て、児童精神科医として複数の病院で勤務。虐待臨床、発達障害臨床を専門として臨床に従事し、さいたま市の「子育てインクルーシブモデル」立ち上げにも携わる。 医療職として従事する傍ら、2013年頃から地域活動を始め、2016年6月にNPO法人PIECESを設立。2017年には、世界各国のリーダーが集まるザルツブルグカンファレンスに招待を受け、子どものウェルビーイング達成に向けたザルツブルグステイトメント作成に参画。Japan women ‘s leadership initiative 10期フェロー。

北川雄史さん
いぶき福祉会理事

1969年京都市生まれ、神戸育ち。筑波大学第二学群人間学類卒。大日本印刷株式会社から、社会福祉士取得後、1997年に社会福祉法人いぶき福祉会に入職。障害福祉に携わるようになる。従来の福祉の枠にとどまらず、福祉のつよみをいかしたブランド開発により、モノやコンテクストを創りだしている。地域でモノづくりを担う方々とのネットワーク活動などにも積極的に取り組む一方、最重度の障害のある人の社会参加、いのちの問題などを医療・教育と連携しながら向き合いつづけている。著書に『ねことmaruとコトコト~障害のある人の「働く」をつくる』きょうされんKSブックレット(共著)。


森川すいめいさん
精神科医

1973年、東京要町生まれ。精神科医。鍼灸師。2つのクリニックにて往診や外来診療を行う。2003年にホームレス状態にあるひとを支援する団体「TENOHASI(てのはし)を立ち上げ、現在は理事として東京・池袋で炊出しや医療相談なども行っている。09年、認定NPO法人「世界の医療団」ハウジングファースト東京プロジェクト代表医師、13年同法人理事に就任。一般社団つくろい東京ファンド理事。NPO法人認知症サポートセンター・ねりま副理事。オープンダイアローグ(OD)国際トレーナ養成コース2期生。ODNJP運営委員。著書に、障がいをもつホームレス者の現実について書いた『漂流老人ホームレス社会』(朝日文庫、2015)、自殺希少地域での旅のできごとを記録した『その島のひとたちは、ひとの話をきかない』(青土社、2016)等がある。


第8回 「生きる」を誰が決めるのか - 生命倫理と医療・経済 

「生きたい」と、他ならぬ本人が願うこと。「生かしたい」と、家族が願うこと。その願いを叶えるために、医療が、福祉が、そしてそれに携わる人々が、取りうる選択肢を提示し、実行する。そうしたミクロな現場の願いと応答の背後にある、リソースの有限性、そして「自己決定」の困難さ。答えの出ない問いを前に、それでも私たちは何を考えなければいけないのか。3人の識者と共にこの問いに向き合いたい。

日時: 2020年2月12日(水) 19:30〜22:00(18:30開場) 
場所: 株式会社LITALICO本社 セミナールーム(東京・中目黒)
ゲスト:
立岩真也さん
立命館大学大学院先端総合学術研究科教授

1960年、佐渡島生。専攻は社会学。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。千葉大学、信州大学医療技術短期大学部を経て現在立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。単著として『私的所有論』(勁草書房、1997、第2版生活書院、2013)、『弱くある自由へ――自己決定・介護・生死の技術』(青土社、2000)、『自由の平等――簡単で別な姿の世界』(岩波書店、2004)、『ALS――不動の身体と息する機械』(医学書院、2004)、『希望について』(青土社、2006)『良い死』(筑摩書房、2008)、『唯の生』(筑摩書房、2009)、『人間の条件――そんなものない』(イースト・プレス、2010、第2版新曜社、2018)、『造反有理――精神医療現代史へ』(青土社、2013)、『自閉症連続体の時代』(みすず書房、2014)、『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』(青土社、2015)、『生死の語り行い・2』(Kyoto Books、2017)、『不如意の身体――病障害とある社会』(青土社、2018)、『病者障害者の戦後――生政治史点描』(青土社、2018)


川口有美子さん
NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会 副理事長
1962年東京生まれ。1995年に母親がALSを発症。95年12月から07年9月に自宅で看取るまで母親の在宅介護を行った。家族介護の負担軽減を目指して2003年4月有限会社ケアサポートモモを設立し、ALS等の重度障害者に対応できるヘルパーの養成と派遣を開始した。2004年5月、練馬区在住のALS患者、橋本操とNPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会を設立。喀痰吸引と経管栄養を研修課程に入れた『進化する介護』を全国展開し、医療的ケアの法制化を導いた。 2010年5月ALSの治療選択を巡る家族の葛藤をつづった『逝かない身体』(医学書院)で第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2013年2月立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程修了。2014年1月博士論文(改稿)「生存の技法 ALSの人工呼吸療法をめぐる葛藤」で河上肇賞奨励賞受賞。2018年日本生命倫理学会理事就任。講談社の現代新書カフェで連載中。


林伸彦さん
NPO法人親子の未来を支える会代表理事・The Fetal Medicine Foundation Japan 代表
東京大学で分子生物学を学んだのち、千葉大学で医学を学ぶ。出生前診断が普及すると障がいを持つ子が生まれなくなり、より暮らしにくい社会になってしまうかもしれない、という懸念を抱く。同時に、出生前診断を避けると、治療によって防げるはずの障がいや救える命を見逃してしまうというジレンマに課題意識を持つ。出生前診断の意義、胎児医療の倫理観、社会への働きかけ、障がいへの関わりについて、多面的かつ組織的に働きかける必要があると考え、「NPO法人親子の未来を支える会」を設立。胎児医療のインフラ構築を目的にThe Fetal Medicine Foundation Japanも設立。


第9回 それぞれの孤独を携えて、私とあなたが隣に「居る」こと 

食事をする、仕事をする、恋をする、式をあげる…何かを「する」ことで得られる日常のささやかな喜び。その裏側でそれぞれが抱える痛みと孤独。「わかりあえる」という期待と「わかりあえない」という諦め。決して重なりきらない別々の人生を生きる私たちが、それでも共に「居る」ということ。LITALICO研究所OPEN LAB、シリーズ最後の講義です。

日時: 2020年3月24日(火) 19:30〜22:00(18:30開場)
場所: 株式会社LITALICO本社 セミナールーム(東京・中目黒)
ゲスト:
家入一真さん
株式会社CAMPFIRE 代表取締役CEO

2003年 「ロリポップ」「minne」など個人向けサービスを運営する株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ)を福岡で創業、2008年にJASDAQ市場最年少で上場。退任後、2011年株式会社CAMPFIREを創業、代表取締役社長に就任。他にもBASE株式会社の共同創業取締役、エンジェル投資家として60社を超えるスタートアップへの投資・支援、現代の駆け込み寺シェアハウス「リバ邸」の世界展開なども。 2018年、シード向けベンチャーキャピタル「NOW」を設立。第一号として、最大50億円規模のファンドを組成。生きづらさを抱える人の居場所づくりや、「やさしい革命」を合言葉に、テクノロジーによる社会のアップデートを人生のテーマに活動しています。


東畑開人さん
臨床心理士・十文字学園女子大学准教授

1983年東京生まれ。専門は、臨床心理学・精神分析・医療人類学。京都大学教育学部卒、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。沖縄の精神科クリニックでの勤務を経て、現在、十文字学園女子大学准教授。「白金高輪カウンセリングルーム」開業。博士(教育学)・臨床心理士。著書に『野の医者は笑う―心の治療とは何か』(誠信書房2015)『日本のありふれた心理療法―ローカルな日常臨床のための心理学と医療人類学』(誠信書房2017)「居るのはつらいよ―ケアとセラピーについての覚書」(医学書院 2019)など。訳書にDavies『心理療法家の人類学―心の専門家はいかにして作られるのか』(誠信書房 2018)。


尾角光美
一般社団法人リヴオン代表理事・国際比較社会政策学修士
2003年19歳で母を自殺により亡くし、翌年よりあしなが活動で病気、災害、テロ等による国内外の遺児らのグリーフケアに携わる。2006年の「自殺対策基本法」制定を機に全国の自治体、寺院、学校での講演、研修で講師を務めるようになる。2009年リヴオンを立ち上げ、「グリーフサポートが当たり前にある社会の実現」を目指し活動してきた。京都では死別を経験した若者のための「つどいば」、石巻、東京、京都、愛知でグリーフを学べる「いのちの学校」を開いたり、現在までに、1万人以上のお坊さんの教育にも関わってきた。近著に『なくしたものとつながる生き方』(サンマーク出版)


 

最後に

生まれ持った身体、育った家庭と地域環境、出会った人、学んだこと、手にした資源…

誰一人として同じではない私たちが、それぞれの願いを抱き、同じ時代を生きています。

そんな、たくさんの「ひとり」の総体としての私たちの「社会」には、まだまだたくさんの困難や課題が残っています。


誰かの生活の安全が脅かされる事件が起こり、悲しく、恐ろしい気持ちになることもあります。

ですがそれでも、諦めずに希望を描こうとする人たちが、日本各地、世界各地で挑戦を続けています。

今回お招きするゲスト講師の方々もそうですし、それぞれの日々を生きているみなさんもそうだと思います。


共に語り、未来を描く。


そんな、新しい知のコミュニティとして「LITALICO研究所 OPEN LAB」を立ち上げます。


みなさんのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

LITALICO チーフエディター 鈴木悠平(左)
LITALICO研究所 チーフリサーチャー 榎本大貴(右)

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