2019/08/31 13:13

11月3日に、詳しくお話しする予定ですが・・・

かつて普通の精神科医だった私が薬を使わない治療に考えを変えたわけ

患者さんたちの間で増田さやか医師は、減薬を支援してくれる医師としてよく知られています。私が取材を始めたばかりの頃、岡崎にお邪魔して一度に10人もの回復した患者さんとのインタビューをコーディネイトしてくれました。 

 お会いしたどの患者さんも、とても元気で「増田先生に会えたよかった」と語っていたのが印象的でした。11月3日には増田先生が減薬を支援して回復し、いまはケアマネージャーとして活躍しているナオさんにも名古屋からお越しいただき対談をしていただくことになっています。かつては「話をよく聞く普通の精神科医」として治療をおこなっていた増田先生が何をきっかけにお薬に疑問をもつようになったのでしょう?

写真はお薬を使わない名古屋のまこころ診療所の写真です。なんだか普通のお家みたい!

https://magocoro.net

11月3日はそんなお話もしていただく予定です。事前情報として月崎がまとめたインタビュを紹介します。

Q.以前は、一般の薬物治療を行っていた増田先生減・断薬を中心とした治療にシフトするようになった経緯を教えてください。

 最初のきっかけは今から5年前のことになります。2013年の12月に、私は、内科医・プライマリーケア医のために、うつ病診療の講義をすることになりました。この講義は、製薬会社や医師会に対し私自身がやりたいと希望して行ったものです。

 精神科以外の医師に向けての講義をするために私は資料を集め始めました。私は以前から犯罪精神医学などにも関わっていましたので、この時も司法関係、犯罪白書などを中心に資料を集めることにしたのです。その資料集めの過程でいろいろ気付くことがあったのです。まず自殺者についてです。1998年に自殺者が3万人に上がり、それが下がらない状態が2011年ごろまで続いていました。精神科サイドからこれを見ると1999年は、ルボックス(SSRI)という 抗うつ薬が発売になった年です。そして1999年以降、新しいタイプの抗うつ薬が次々と出てきました。精神科・心療内科クリニックもかなり増えていったのです。気軽にかかれる医療機関も増え、新しい薬も使えるようになった。しかしうつ病の患者さんは増える一方だったわけです。この状況を講義のためのデータ資料として改めて見た時私は、「自分が処方している抗うつ薬が少しも患者さんを助けていないのではないか」と考え始めたのです。そして抗うつ薬を疑ってみるべきと感じまし

Q. 疑問を感じて、具体的に減薬に取り組み出したのはいつころからですか?

 2016年の春ですね。厚生労働省が多剤処方を2016年の10月から制限することを発表しました。それでその半年前の4月に医療機関には厚労省から通達が来て、4月から6ヶ月間かけて、10月までに患者さんの薬を減らしなさいということでした。 

 この厚労省の通達は、減薬に取り組んでみようと考えていた私にとって「渡りに船」でした。それがなければ、もし私が減薬を提案しても、「薬を変えたくない」という患者さんが多数だったと思うのです。

 しかし、この通達のおかげで、長く通っていて薬に頼っているような患者さんにも、「これから国の決まりで出せなくなるのよ、急になくなるより、少しずつ準備したほうがいいでしょ」とか、「年を取ると肝臓と腎臓に負担がかかるから少しずつ減らしていきましょう」とか、一人ひとりに伝えやすい方法を考え、減薬の話を提案していきました。

 その結果「絶対減らさないで」という人が外来ではたった1人(80歳の解離性遁走で行方不明になる症状のある患者さん1例)しかいませんでした。外来の患者さん100数十人、病棟に入院していた患者さんも全員、半年間の間に、本当に少しずつでも全員の減薬を実現しました。

長くなってしまうのでこの続きはブログをどうぞ!

http://dialogue-cafe.jugem.jp/?eid=15

以下のような質問をしています。

Q. 抗うつ剤への疑いとはどんなものだったのでしょう。

Q. 厚労省の方針と一致したとはいえ、現場でそれだけの人数の方に減薬を実行したのは大変な決断とエネルギーでしたね。

Q. 薬の問題を知ってからどんなことが変わっていったのでしょうか?

Q. 精神科では初診で精神病の診断名がつき強い薬が処方されることが多いですね。

Q. 保険診療で薬をできるだけ処方しない場合にはどのような診察になるのでしょう。

Q.診察ではまず患者さんのどのような部分に着目しますか?

Q. 減薬という治療に医師として手応えを感じますか?