2020/02/24 18:10

汚染土を背に、栽培実験した蕎麦を収穫する長谷川健一さん。
事故後、飯舘村の土壌の汚染濃度は、チェルノブイリでの強制移住基準を超える148万ベクレルだった。
セシウム134(半減期2年)の自然減の影響もあるが、長谷川さんは畑の土壌を入れ替え、表土を天地替えして1000ベクレルにまで下げた。

残存する放射性物質の多くは、セシウム137で半減期は30年と長い。100年、200年と残存する。その畑で収穫した蕎麦の実を乾燥させ、これからセシウムの移行率を計るという。
もちろん「食べるため」または「販売するため」に植えたわけではない。
畑を荒らさないように、ふるさとを荒らさないように、蕎麦や花を植えて畑が森に帰るのを防ぐ試みだ。

10年後、または50年後、村はどのような風景になっているのだろう。

収穫後、蕎麦の種を計測すると26ベクレル/kgだった。

「これじゃ『二八そば』じゃなく、『二六そば』だよ」

ブラックジョークに苦笑いした。


野田雅也(共同監督)