2020/03/12 08:13

応援コメントNo.3 漆山喜信さん、きっかけ食堂@仙台スタッフとして活躍中です。公私ともにお世話になっている「ネオ親戚」(血は繋がっていないけれど、新しい解釈の親戚)です。
引越し前の店では、床上浸水を10回以上経験して来た私ですが、お客様、仲間に復旧活動をお手伝いいただいたのは、今回が初めてです。そのスタートラインに立ってくださったのが漆山さんです。

「あの日から全ては始まった。」

令和元年10月14日(月),ようやく台風19号の支援業務が非番となった私が真っ先にバイクに飛び乗り向かった場所は,丸森町耕野地区の「いなか道の駅やしまや(以下,やしまや)」でした。

やしまやの八島さんには,私が時間外で活動している「きっかけ食堂@仙台」や「宮城のこせがれネットワーク仙台」の演者としてご協力頂いたご縁があり,家族で何度もやしまやに来訪させて頂いていました。それらの機会に八島さんからは,これまでに何度も水害に遭いながらも復活してきたお話しや過去の経験に基づき現在の店舗を高台の嵩上げした土台の上に移転したお話しを伺っていました。今回の台風19号でも浸水は店の階段あたりまででなんとか難を凌いでいるはずと当初私は思っていました。 


ただ,それまでほぼ毎日更新されていたSNSの更新が台風襲来以来途絶えており,何かあったのでないかとも思い、胸騒ぎがしていました。八島さんが停電等で通信が出来ないのであれば,私が代わりにSNSへ支援要請の投稿を出来るのではと考え,仙台の自宅から娘達に託された手作りクッキーと応援メッセージを書いた手紙を持ち,やしまやへ向かいました。


国道349号が寸断されており迂回路として選択した白石方面から丸森町耕野地区までの道のりは,想像をはるかに越える被災状況でした。至る所で大規模な土砂崩れが発生し,道路が川のようになっている場所も多数ありました。恐怖心から引き返すことも頭をよぎる中,どうしてもやしまやへ行って八島さんに会いたいと思い、先を急ぎました。寸断された道を何度も引き返しながらようやく到着し,駐車場から店舗を見上げた私はあまりの惨状に愕然としてしまいました。「ダメだったか。1階まで水が入っている。しかもかなり高い位置まで浸水している・・・。」


 その直後に店舗内にいた八島さんにようやくお会いすることが出来ました。最初の会話は,「大丈夫ですか?」「店はこのとおりですけど,家族は無事です。よくここまで来れましたね。」でした。親戚以外で初めての来訪者となった私に八島さんは台風襲来以来の被災状況をお話しして下さいました。特に印象的であったのは,「自分の想定が甘かった。家族には迷惑をかけてしまった。お店にも可哀想なことをしてしまった。」とのお話でした。幸いにも人的な被害を免れた八島さんご家族でしたが,生業部分(店舗,ガソリンスタンド)が全て被災してしまい大変落胆しているお気持ちを肌で感じ,胸が締め付けられる思いでした。

10月14日漆山さん撮影の店主

 ご親戚の方々と一緒に初めての店舗内の片付けをお手伝いさせて頂きましたが,割れたガラスが散乱し,泥で足を取られながらの作業はかなりの重労働で,ご家族やご親戚の力だけでの復旧は困難であることがすぐに分かりました。そして,その作業後に八島さんご家族にのしかかっていたのは,「いつになったらこの状況から復旧出来るのか分からない・・・。」と暗いトンネルの中にいるような強い不安感でした。


 SNSで発信するための支援内容の聞き取りが終わり,後ろ髪を引かれながらもやしまやを出発する私に八島さんは「うちは大丈夫だからお仕事の方を優先して頑張って下さい。帰り道にくれぐれも気を付けて下さいね。」と被災されているにも関わらずいつもと変わらずに温かく見送って下さいました。その気丈なお姿にかえって胸が熱くなりました。「また来るから待っててよ八島さん!」と握手を交わして帰路につきました。大雨の帰路の中で,私は涙ぐみながら,「やしまやさんが営業再開するまでは,絶対にサポートを続ける。」と心に決めました。


 私のSNSでのやしまやの窮状の発信は多くの方から反響がありました。私が実走したやしまやまでのルートを掲載したところ,多くの方がそのルートをお使いになりやしまやを支援のために来訪して下さったと後に八島さんからお伺いしました。


 「心のオアシス営業中」

 その後私は,きっかけ食堂@仙台のスタッフや関係者を中心に複数人でボランティア支援をさせて頂きました。多い時には,毎週末やしまやを来訪させて頂きました。最初は泥かきや店舗内外の掃除が中心でしたが,途中からはやしまや名物の「干し柿」作りのサポートとして,柿収穫や柿むき等の作業もさせて頂きました。

 ボランティア支援の際には,温かいお茶やご昼食を毎回ご用意して頂き,恐縮しながらもありがたく頂きました。その際には,八島さんからジョークが飛び出し,笑いの絶えない談話の時間となっていました。八島さんご家族は,被災されているにも関わらず来訪者へのおもてなしを続けていらっしゃいました。

 また,ボランティアの最後には,必ずボランティアひとりひとりの思いをお伺いする「思い共有タイム」がありました。来訪者ひとりひとりの思いに心を寄せている八島さんのお考えは,被災前と変わらないものでした。

 ある時,私は,被災してからもずっと「心のオアシスは営業中」であったと気付かされました。


「ウッドデッキご支援への思い」

 やしまやは,店舗の復旧再開後も被災前と変わらずに「心のオアシス」として,来訪者の気持ちを受け止め、その心を癒し続けています。

このウッドデッキが復旧し完成すれば,その場所で丸森町耕野地区の四季の空気感を感じるイベントを開催出来るので,これまでのファンの方々やご新規のお客様が集い,さらに思いを共有することで益々「心のオアシス」が発展するのではないかと考えています。


 地域の買い物拠点として,そして丸森町の観光拠点として被災にも負けずに前に前に進まれているいなか道の駅やしまやの八島さんを一緒に応援しましょう!


いつも笑顔の漆山さんに助けられています。感謝しています。