2020/05/22 12:00

現在、ブルンジでの新型コロナウィルスの感染者は累計42名、1名の死亡者が出ており(5月17日時点の公式発表)、比較的少ないながらもじわじわと拡大しています。

政府は、握手での挨拶の禁止、国境封鎖、店舗などへの手洗い場の設置といった措置を早い段階から取っているものの、外出禁止令やロックダウンといった厳しい措置はまだ取られておらず、外国からの物資不足に伴う食料などの価格の高騰などはあるようですが、国民の生活は今のところはまだ大きな打撃は受けていません。

写真:経済首都ブジュンブラにある店舗前の手洗い場

とはいえ、当会の活動地域であるウガンダやコンゴ民同様、ブルンジも医療体制が不十分であり、小さい国で人の移動も容易で多いことから国中に感染が広がる可能性も高く、早い段階で感染予防をする必要性があります。

加えて、新型コロナウィルスが国民の生活に大きな影響はまだ与えていないものの、元々貧困レベルが高いブルンジで、経済的な打撃を受けると、非常に厳しい状態に陥ることが容易に予想できます。

当会は、3月31日に初めてブルンジで感染者が確認されてすぐに、新規受益者の受け入れの延期・スタッフの在宅勤務を開始しつつ、状況を確認していました。

その後、スタッフの在宅勤務の体制が整い、政府の動きが分かってくるにつれ、地方自治体と面談を行い、手洗い設備の設置の要望が挙げられました。

写真:従来使用されていた学校の手洗い場。今の状況ではこの手洗い場だけでは不十分のため、追加の手洗い設備設置の要望を受けた

5月初旬に、当会の事業地があるムランビヤ県にて、合計44箇所で89の手洗い設備を設置しました。

初めということで、人がより多く集まり、地方自治体からも要望のあった学校とマーケットを対象とし、これにより合計24,813名に支援を届けることが出来ました。

写真:配布される手洗い設備。生徒数が多い学校は複数個配布

写真:学校への配布の様子

新型コロナウィルスには手洗いが重要ということは理解している方が多いようですが、正しい手洗い方法やその他の予防方法については十分に理解されていなかったため、自治体職員と協力し、各学校で手洗い方法や予防方法についての啓発も行いました。

大勢を集めることが出来なかったため、少人数や各場所の責任者に対しての実施となりましたが、配布はとても喜ばれ、教室に入る前やマーケットに入る前には手洗いが義務付けられ、しっかりと使われています。

写真:学校での手洗いデモンストレーションの様子

ただ、感染拡大を予防するには、一つの方法のみならず、様々な側面から支援を実施していく必要があると強く感じています。

5月20日には大統領選挙を実施予定で、今後は政治面でも、感染拡大面でもどうなるか心配なところではありますが、当会としても感染拡大を防止するべく、出来ることを取り組んでまいります。

報告:古岡繭