コンゴ民主共和国 中央カサイ州では徐々に社会経済活動が再開されています。
3月の非常事態宣言以降、延長に次ぐ延長で、7月21日に非常事態宣言が終了されるまで、様々な社会経済活動が禁止・制限されてきましたが、先週から学校や教育機関の再開されました。
それに合わせて、当会のコンゴ事業でも、人の集まる職業訓練などの活動を再開しました。まずは、中央カサイ州での洋裁訓練を8月3日に再開し、順次マスクの製作や追加の技術訓練を開始しています。
写真:再開された洋裁訓練
今回は、コロナ危機で十分に技術習得ができなかった女性や、マスク作りの補完研修を受けたい対象30名を対象に始めています。(各日に施設に来てもらい、できるだけソーシャルディスタンスを取る形で訓練を再開しています)
写真:ソーシャルディスタンスをとって訓練
一方、中央カサイ州では、先週、初の感染者が確認されるなど、コロナが終息したわけではなく、コンゴ全体での感染者数は約9千名で全てのアフリカ諸国でワースト14位の感染規模で、死者数ではワースト10位です。
中央カサイ州は、ずっと感染者ゼロだったのが、残念ながら非常事態宣言解除後に初の感染者が確認されているので、今後、マスクの供給と合わせて、感染予防の啓発がさらに重要になってきます。
そのため引き続き、コロナ禍で生活ができなくなってしまった方々への緊急支援として、高齢者や孤児、国内避難民、シングルマザー、障害者などの100世帯(約700名)の最弱層に食料や石鹸、マスクなどを届けました。
写真:支援物資を配布する様子
食料は主食のメイズと豆を配布しましたが、このメイズは農作物の一次加工技術を習得して、生計を立てられるようになった紛争被害女性たちに加工をお願いしたものです。
それにより、コロナ禍で影響を受けた彼女たちに仕事を提供し、生計を維持してもらいながら、生産物は最脆弱層の支援物資として活用することができました。
また、マスクや石鹸も同様に、紛争で(多くは2017年に)夫や子どもを亡くした紛争被害女性たちに、これらを生産する仕事の機会を提供しました。
写真:物資を受け取った家族
先ほどお伝えした通り、非常事態宣言が解除されてから感染者が確認されており、感染予防は継続的に行っていく必要があります。石鹸やマスクの生産と、それらを最脆弱層へ配布する活動は可能な限り続けていきます。
(報告:小川 真吾)