2020/06/16 17:46

こんにちは。デメテルハーブティー代表の西口三千恵です。今日は、比較的新しい学校ハーブ園プログラム参加校、オーサマキ小学校についてご紹介します。

シェムリアップのオーサマキ小学校との出会いは、この地域で活動する日本のNGO、JVCカンボジア事務所からの問い合わせがきっかけでした。JVCカンボジア現地代表の大村さんから、「活動地域に、校庭の美化緑化にとても熱心に取り組んでいる小学校があって、学校ハーブ園プログラムを取り入れられる可能性はないでしょうか?」という連絡を頂いたのは、2019年の6月です。7月には、オーサマキ小学校の校長先生を、すでに学校ハーブ園プログラムを実施しているバイヨン中学校へ案内し、校内見学をしてもらいました。ハーブ園の取り組みの具体的なやり方なども、バイヨン中学校の先生から、オーサマキの校長先生へ説明をしてもらいました。学校同士が横のつながりを作り、情報を共有してもらえるようになると、後続の学校にとっては頼れるお手本ができ、バイヨン中学校のような先輩校は他校に教えることで、改めて要点を確認できるようになります。

バイヨン中学校の先生(右端)の話を聞くオーサマキ小学校の校長先生(左端)バイヨン中学校訪問の後、オーサマキ小学校を私が初めて訪問させてもらいました。JVCカンボジアの大村さんの力説もうなずけるくらい、小学校の校庭は工夫を凝らして植物が植えられていて、なにより校庭にゴミがまったく落ちていないことは感動的な驚きでした。というのも、たいていの場合、学校の校庭にはごみが散乱している事が多いのです。前庭にはなくても、裏に回ると下の写真のように、ごみが寄せ集められて野ざらしになっているのは珍しい光景ではありません。このようなごみの状態を無くすところから、通常学校ハーブ園プログラムはスタートします。ところが、オーサマキ小学校は本当にきっちりとごみが管理されていて、驚きました。

地方の学校の裏庭の様子。残念ながらまだまだこれが一般的。

初訪問したオーサマキ小学校の校庭。ゴミゼロ!オーサマキ小学校では、現在505人の生徒が在籍しています(うち241人が女子)が、校舎が足りていません。そのため、校長先生はじめ学校が村人に寄付を募り、突貫工事で校舎を増設していました。寄付といっても貧しい村なので、村人一人から日本円で150円くらいをコツコツと集め、集まったお金の分だけ、できる工事をして作った校舎です。この学校との出会いは、私にとって大きな感動でした。支援者や大きな寄付もなしに、先生方のアイディアと努力で、あるものを使って作られた緑の校庭。本当に自主的に始まった「学校の美化緑化活動」です。増設校舎も、ものすごい隙間だらけの壁で、雨季の大雨が降ったら崩れるのではないかと心配になる建物です。でも、村人たちの善意が集まって作られた増設校舎は、とても清潔に整えられ、子どもたちが活き活きと授業を受けていました。

突貫工事で作られた増設校舎の前で増設校舎の中の様子。壁はヤシの葉の簡易だけれど、絵をデコレーションするなど大切に使われている。学校ハーブ園プログラムの目的のひとつである、「学校の美化緑化」はすでに校長先生の主導のもとに実施されていたオーサマキ小学校。学校前のため池には、レモングラスが育ちつつあったため、レモングラスが収穫の時期に来たら、ぜひハーブ乾燥をやってみましょう、という事になりました。年が明けて、今年2020年の1月下旬には、レモングラスの乾燥を実施。まずは先生方だけで乾燥作業をやってみることになりました。別の村の女性農業グループと一緒にハーブの乾燥手順を先に習得していたJVCカンボジアのスタッフさんが、オーサマキ小学校の先生たちと一緒に作業をしてくれたこともあり、乾燥結果は大成功でした。これから少しずつ、ハーブの種類を増やしていこうと思っていた矢先に、コロナの影響で学校が休校になってしまい、乾燥作業は結局初回の1回しか、まだできていません。学校再開後には、改めて学校を訪れて、先生方と今後のスケジュールを相談したいと思っています。