2020/12/16 02:22

絶滅動物園プロジェクトのプロデューサーをしております佐々木シュウジです。

あらためて基本的なことを書きます。


私たち大人は、子どもたちに何をしてあげることができるのでしょうか?


2050年には人口が最大化します。

その数、およそ100億。

私は1965年生まれの現在55歳です。

私が小学生の時は確か地球の人口は45億だったと記憶しています。

そしていま76億。

そして30年後の2050年には100億。


いまの子どもたちはこれからの30年をどんなニュースに接するのでしょうか?


容易に想像できるニュースは

「2030年、あの豊富な森を誇ったアマゾンのジャングルが無くなりました」

「ヨウスコウカワイルカが絶滅と発表されました」

「日本の動物園からゴリラがいなくなりました」

「たった二頭しかいなかったキタシロサイが絶滅しました」

***

「2050年、夏の期間だけですが北極海の氷が無くなりました」

「グリーンランドの90%が無くなりました」

「野生のホッキョクグマが激減しました」

「また今年も南極から溶け離れた大氷河が島にぶつかりました」

「永久凍土から溶け出した最近が原因で動物たちが大量死しました」

***

など。

前者の4つは、人間の経済的な活動が原因となって、

後者の5つは、地球温暖化を原因とする事象です。




私は動物学者でも環境学者でもありませんが

少しネットや書籍を見たりすれば想像できることばかり。

いまの子どもたちはそういった悲しいニュースを聞いて大人になり

いま10歳の子どもは30年後同じように子どもを持つ親になっていることでしょう。


私は正直に言うとここ数年頻発する異常気象による水害などは

もうその始まりと思っています。


私たち大人は、子どもたちに何をしてあげることができるのでしょうか?


たとえば


アフリカゾウは象牙を狙われていまでも年間20,000頭密猟の被害にあって殺されている

その象牙の売買が認められているのは世界中探しても日本だけ。


私たちが使っているスマートフォン。日常に便利と楽しさをもたらしてくれています。

しかしスマートフォンに代表される電子機器に使われるレアメタルの採掘のために

ゴリラの棲む森が開発されゴリラの生息地が劇的に減っている。


クロサイは1960年から2010年までの50年間でその数を95%減らした。

それはサイの角を狙われたため。

日本では漢方薬として重宝され、ある漢方サイトではいまだに「犀角」として紹介されている。


キリンは最近まで絶滅危惧種ではなかった。

しかし2017年絶滅危惧種になった。

アフリカで長くつづいた内戦等の混乱はキリンの生息地を破壊し

加えて食糧としても捕獲されたのだという。


東南アジアの森はより深刻である。

もともと東南アジアにはなかったアフリカ原産のアブラヤシから良質な植物油がとれるということで、生き物が多く棲息するジャングルを片っ端から伐採しアブラヤシを植えていく。

1970年に始まり現在ではジャングルが川に沿って回廊のように残るだけになってきている。

当然そこに生きる

オランウータン、フクロテナガザル、アジアゾウ、スマトラトラといった動物園でも人気の動物たちは生息地が消失し、食べることも繁殖もままならない。


全ては人間に責任がある。


では人間はいまのまま自然を壊しながら搾取しながら生きていけばいいのか?


そうしない方が賢明である、というのが人間の立場からの物言いである。


ある人に教えてもらった「リベット理論」というワード。

飛行機は無数のリベットと言われる釘のような小さな杭(くい)で接合されている。

私たち人間はその飛行機に乗っているようなものである。

いまは快適な飛行機も知らず知らずの間にリベットを1つ2つと落としながら飛行を続ける。

でもまだ耐えている。

しかしまた一つ、また一つと落としながら飛行を続けるとどうなるであろう?

多分、どこかのタイミングで風船が破裂するかのごとく空中で分解していまうだろう。

人間と自然の関係ってそんなものだと……。


+++


なにがそうさせるのでしょうか?

それは「知らない」からです。

いまお読みいただいて

知ってたら象牙の印鑑買わないかも

知ってたら食品の成分表示をよく見て買ってたかも

となるのです。


だからこそ「知る」ことから始めましょう!


というのが絶滅動物園の骨子なのです。

知った先でどのように選択するのか?

それは個人の問題ですよね。

でも「知る」ことは大切だと思うのです。


私たち大人がしなくてはいけないことは
子どもたちに「知る」機会を提供することです。
子どもに知らせる中で大人も勉強し知っていきます。


知ると欲しいものが変わります。

そうすると商品ラインナップが変化し

まちの在り方が見直され

いままでとは違うかもしれないけど

快適で幸せな社会になると思うのです。


そのチャレンジを豊橋という地方都市でしてもいいじゃないですか?

「知った」人が多いまちほど

幸せを早くたぐり寄せることができるはず。


ある人が私のこういった話しを聞いていいました。

「それは佐々木くん理想論だよ。具体的なものが何もない……」と。


そうでしょうか?

私は思います。

具体的なその人が期待する政策的なことではなく

個人個人の中に芽生える感情が必要なんだと。

これは絶滅動物園をやってきて確実に思ったことです。


一例を紹介します。

カッコいい写真集をつくりたいと

2016年に『東山絶滅動物園』という第一弾写真集を刊行します。

カッコいい写真集つくったね

という評価よりも

===

小5の娘と家でこの写真を読んだら

動物園行くと、すぐに疲れたとか、カフェでお茶したいとか言う娘が

「今日はこの写真集の動物全部回るよ!(119種)」って言うんです

ヘトヘトでしたがとっても嬉しかったんです

===

とか

===

この本読んだら10年ぶりぐらいになるのかな。動物園に行きたくなりました。

隣町の円山動物園に今度ゾウさんがやってくるんです。楽しみにしているんです。

===

など。

本当に真面目でこの写真集に教えられたという声をいくつもいただきました。

わたし自身感動をいただいたのです。


だからこそ私たち大人が子どもたちに「知る」機会を提供したいし

子どもも知って生きていって欲しいと願うのです。


講演会やお話し会でも

絶滅するということは小さなお子さんにはわかりません。

しかし子どもたちは悲しい顔になります。

絶対に感情としてわかっているのです。


だから大人は子どもに伝える責務があると思うのです。


『豊橋絶滅動物園』という写真集はただの写真集ですが

豊橋の人たちにとって「知る」きっかけになれば思いますし

それが種となっていろんな人と繋がり

いろんな機会提供に貢献できればと思っています。


あと、42日。

どうぞ、このプロジェクトをよろしくお願い申し上げます。



#絶滅動物園

#豊橋から始めよう

#みんなで始めよう

#この写真集はきっかけに過ぎない

#みんな集まって

#動物たちから得られる学びを

#暮らしに社会に活かしていこう

#企業協賛待ってます

#豊橋の企業さん手を挙げて