2017/09/02 00:06

このページをご高覧いただいている方、こんばんは。
当プロジェクトの発起人のうちの一人、武石です。はじめまして。
今回は、児童福祉を軸に活動している私の趣意を一つご紹介さしあげます。

 

みなさまは「制度の谷間」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

学術上の言葉ではなく「福祉の隙間」とか「制度の空白」とも言われます。
福祉の現場で行き交う単語です。

「制度の隙間」でググるとトップに出てくるのは「難病」に関する記事です。
国が指定する特定疾患には、医療費負担の全部か一部を公費で助成する制度があります。特に治療が極めて困難であり、かつ、医療費も高額である疾患について、医療の確立、普及を図るとともに、患者の医療費負担軽減を図る目的があります。
ところが、2011年時点で対象となる疾患は56。対象外となる(いわゆる)難病は、上記した制度が適用されません。国が認定するかしないか、で生活への負担が大きく異なるということです。

簡易な説明ですが、例えばこれが「制度の谷間」です。福祉の財源は、基本的に有限です。

差別、平等、権利侵害。「福祉の必要」はいくらでも提言がありますが、その全てを国費で賄うことはできません。児童福祉についても、高齢者福祉についても同じです。「福祉サービスの死角」はいつでもあるということです。

福祉現場で尽力されている方は「もっとこうなったらいい」という「死角に関する問題例」をほぼ例外なく持っていると感じています。しかし予算がないということは「事業がない」。個人的努力で対応している例は枚挙にいとまがありませんが、それが全てのサービスに永続的に行き渡る可能性は皆無です。


そこで私が注目しているのが「ビジネス」です。

いま児童福祉の分野では「なにかしたい」と感じていたり、実際に活動をされている福祉外(つまり一般社会人)の方が大勢いらっしゃいます。福祉畑とは枠組みの異なる発想と、ビジネスという新たに持続可能性をつくるアプローチが期待できます。
しかし私のお店には「なにかしたいが、なにをしていいかわからない」という方が大勢いらっしゃいます。

私が思うに、福祉畑とビジネス畑に距離があるのです。その背景は、①福祉と商売の感覚の違い、②福祉現場の広報に関するインセンティブの低さが挙げられると思います。ビジネスは数字を扱いますが、福祉は人の個々の抽象的な部分を扱います。極端にいえばそういう違いです。事情や立場の違いから、理解が違い、うまくかみ合わなかった事例を耳にし、立ち会ってきました。「閉鎖的」そんな風に訪ねた福祉機関を意味付けれれた方も少なくありません。福祉事業は、管理に公的な性格があり、リスクマネジメントの比重がとても大きのです。
チャレンジしにくいことが、非常に残念です。

そこで「組織のしがらみを離れて、両者が同じテーブルで課題と提案を交換する場は作れないか」と考えました。結果「株式総会」という仮説です。ボランティアよりは当事者で、社員同士よりは個人として参画が可能です。株主同士、という立場です。利害を共有し、所属の違いを一つの新しさに変えられないでしょうか。

福祉を切り開いてきた岡村重夫さんが著書の中でおっしゃっています。
”社会福祉の典型は「法律による社会福祉」である。我が国の現状でいえば福祉六法である。しかし法律による社会福祉が社会福祉の全部ではない。いな全部であってはならない。
(中略)
問題なのは、その社会福祉理論の合理性に裏付けられた新しい社会福祉的援助原則を、たとえ小規模であっても、これを実証してみせることであり、(中略)いかに発展させるということである。”

アフリカのことわざに「行く手について知りたければ、向こうから来る人に訊けば良い」とあります。

いま福祉業界は、専門職ではなく地縁でつながる人と人による共助「地域福祉」に期待をかけています。お隣さん同士の助け合いの文化が希薄化した現代、クリアしなければならない課題はそこらに散らばっています。

福祉にない、新しい方法が求められています。どうか皆様のご経験とチャレンジ精神をお寄せいただけませんか。

ぜひ参画ご検討ください。