2021/08/23 09:57

今日は聴覚障がい児の母(ペンネーム:美月ここね)尾庭恵子さんをご紹介いたします。

私としては生まれつき聴覚障害児として母から言語訓練を受けて育ったのですが、過酷な半生という思い出しかなくて。でもそれはとてもとても深い愛がありました。

私は言葉が言えたときの「母の笑顔」がとても好きでした。

その笑顔を見るために言葉が言えるように私は答えてまいりました。

そんな気持ちはうまく説明はできませんが、いろんな母子の愛の形があると思います。

尾庭さんに会ってから不思議と癒されるようになりました。私の母はいなくてもここに子を思う母親がいるからです。彼女の愛って本当に本当にサラリとしてるように見えますが、深い。

子を思う気持ちはそれぞれで。(彼女には聴覚障害を持つ長男と持たない二男がいらっしゃいます)彼女はエッセイを書いていますが、その文章はとてもかわいらしい。でも文章の後ろに見え隠れしているのは二人に対するそれぞれの想いがこもっています。

言わなくても彼女の笑顔が「大丈夫だよ」と語っている。さりげない思いやりというものが彼女の中にある。時代が変わっても変わらないのは母親の涙なんだ、と私は感じました。

それと同時に嬉しいのです。口先では言えないけど、「ずっとずっとあなたのことを考えていた。考えない日なんてない」という母親としての想いなのです。

私は彼女に会ってから、全国のお母さんにこの作品を見て頂きたいと思うようになりました。

子を思う母親の気持ち。それはとても人には言えない大きなものなのです。

その大きなものを彼女は抱えています。私はその彼女の気持ちを舞台から見ることができました。よかった、あなたはなんでもないふりをしているけど、本当は誰よりも3倍、深い愛を持っていらっしゃる。ここで吐き出してもいいんじゃない?それを息子たちに見せまいと今まで我慢していたのでしょう?もう息子たちは立派に成長したんだから、今はいっぱいいっぱい吐き出してください。


今までのあなたがたった一人で苦しんできたこと。子育ての悩みを人に言えないまんま、一人で抱え込んできたんだね。

そんな美しい母としての恵子ちゃんの純粋な心を私は見ることができ、心から喜んでいます。