2021/10/21 13:57

流鏑馬は騎射を中心とした神事であるため、流鏑馬に携わる「人」に着目した場合、騎射の直接の主体となる「射手」に目が向くのは自然なことであろう。しかしながら、流鏑馬における騎射は、最も華々しい場面はあるものの、そこに至るまでの数々の準備を重ねた上での仕上げの部分であり、射手以外の多くの人の手を経て、奇跡的に実現されるものであることにまで目を向ける人は少ない。

まずは射手から目線を馬場全体にまで広げてみよう。そうすると、馬場本・馬場末で馬の発信の合図を送る者、的の掛け替えを行う者、的中の合図を送る者など、十四名の「諸役」の姿が見えてくる。この「諸役」は、古文書にも記載がある流鏑馬の催行には欠かせない重要な役割を担う者たちである。それだけに、大変に名誉ある役目であるが、射手ではなく諸役に命じられたことに憤慨した鎌倉時代初期の武士・熊谷直実のような例もあり、射手よりも目立つ立場ではない。とはいえ、古くから伝えられる役目である彼ら諸役もまた、伝統ある立場である点、馬場に入って衆目にさらされるという点からすると、やはり主役級の人々といえるであろう。

次に、目線を馬場の外にまで広げると、アナウンス係、撮影係、馬場や的の設営係、馬の管理者、通訳など、多くの人々を見つけることができる。彼らこそ、流鏑馬の現場で裏方として支えてくれている大支援者たちである。

さらに、流鏑馬の現場から離れたところに目を移すと、馬具、弓具、射香、的など諸道具の制作者、職人たちの存在がある。彼らもまた、流鏑馬の伝統を後世に伝えるのに欠かせない大支援者たちである。

小池 義明

 

クラウドファンディングのご支援者の皆さまも、、流鏑馬の伝統を後世に伝えるのに欠かせない大支援者であります。


最後まで、応援の程よろしくお願い申し上げます。


目標金額350万円【2021年12月15日(水)まで】

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