2021/11/27 17:59

鎌倉教場の「今」をお伝えします。

今回は「道具と移動手段」についてです。

流鏑馬を行うためには、自分で色々な道具を買い揃えなければいけません。

まず最初に必要なのは、稽古着(上衣、袴、角帯)、作業靴、笠下、稽古笠、皮手袋、足袋です。

次に行事で奉仕するために、射沓(いぐつ)、射篭手(いごて)が必要になります。


さらに、自分の稽古が進むと、弓、神頭矢(じんどうや)、矢筒が必要になります。

最後に行事に射手として出場するには、直垂(ひたたれ)、行縢(むかばき)、尻鞘(しりざや)、太刀、前差、綾檜笠、鬼面、本番用手袋、弦巻、本番用射篭手が必要になります。

一度に全部揃えるのは大変なので、入門してから少しずつ買い揃えていくことになります。

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また、これ以外に、鞍、鐙、三懸(さんがい。鞍を馬に固定するための帯上のもの)、厚総(あつぶさ。本番用の三懸)、力革(鐙を鞍につける革の帯)、轡、鞍下などの馬具類が必要になりますが、これらは大日本弓馬会が購入し、門人たちはそれを使わせてもらっています。

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これら馬具類は自分で買うことが望ましいのですが、数十万円~数百万円もするものなので、良い物が見つかった際に懐具合が温かければ、「えいや!」と買うこととなります。

かくいう筆者は、徐々に買い揃えている口で、いまだにこれら馬具類の一部しか所有しておりません。

お恥ずかしい限りです。


さて、このように様々な道具類が必要になるのですが、稽古のたびにこれらを運ぶのは、なかなか大変です。

そのため、入門当初は電車で通っている者も、荷物が増えてくるにつれて、徐々に車で通うようになってくることが多いです。

※稽古では馬に密着して触れ合うので、体中が馬臭くなるというのも理由の1つです。

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また、荷物の多さや移動の手間を考慮して、稽古場の近くに引っ越して来る者もおります。

かくいう筆者は、最初は中央線、山手線、京急線、京急バスを使って片道2時間半かけて稽古場に通っていましたが、見習い門人として稽古を積んでいくうちに荷物が増えてきたものの、車を購入するだけの資金がなかったことから、引っ越して移動距離を短くするという選択をしました。

とはいえ、職場から離れすぎるのも厳しいので、稽古場まで片道1時間45分くらいの場所です。


このように荷物の量に応じて、住む場所や移動手段が変遷していくのですが、さすがの筆者も射手になる少し前くらいからは、あまりの荷物の量と、転職により職場の位置が変わったことなどもあり、更に稽古場に近い場所に引っ越すとともに、車で移動することにしました。

車移動といっても、稽古や行事のたびにレンタカーを借りる手もあるのですが、熟慮の末、自家用車という選択をしました。


流鏑馬を続けていくには、移動手段という金銭的な負担も考慮に入れなければならないのです。


そして、車での移動となると、つきまとうのが駐車場の問題です。

この点、我らが「鎌倉教場」では、入口から馬場に至る途中に十分なスペースを確保しており、毎週の稽古のたびに門人が20台程度の車を駐車しても、まだ余裕があります。

また、「鎌倉教場」では流鏑馬の行事も行いますので、駐車できるスペースが広いに越したことはありません。

最寄りの駅である湘南モノレール「湘南深沢駅」から徒歩7分程度ですが、足がお悪い方などお車での来場者は相当数いらっしゃいますので、駐車スペースは欠かすことができません。

この駐車スペースがあることは、「鎌倉教場」にとっての強みであり、これもまた皆様の御支援の賜物です。

草の上にいるトラック 
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ちなみに、駐車スペースとはいっても、実際には草っぱらであり、夏には車が隠れるほどの雑草が生い茂るなど、野趣あふれる仕様となっています。

このたびクラウドファンディングで御支援を呼び掛けている更衣室や水道設備は、この駐車スペースに隣接して設置することとなります。

草むらと砂利に囲まれた荒地ですが、流鏑馬の稽古を行うには十分です。

むしろ、多少殺伐としていたり、野趣溢れていた方が、鎌倉武士や古武道の趣と合致するというものです。


設置する更衣室や水道設備は、さすがに古民家風にしたり、自然素材を用いることはできず、「簡易で安い」仕様こそが肝心となりますが、馬場だけでなく、更衣室や水道設備、駐車スペースに至るまで、これら全てをひっくるめての流鏑馬の稽古場である「鎌倉教場」です。


このたびの付帯設備(更衣室、水道設備、日除け)の設置により、稽古環境の更なる改善を図り、流鏑馬と日本弓馬術の維持継承により大きく貢献することが可能となります。


そして、「鎌倉教場」が、皆様により愛される施設となれるよう、私たちも全力を尽くしてまいりますので、皆様の引き続きの御支援をよろしくお願いいたします。