2021/09/10 06:00

この度は、私たちのプロジェクト「<公害と出会い、向き合うための本>を出版したい」のご支援をいただき誠にありがとうございます。これまで多くのご支援をいただけたことに、編者の一人として御礼申し上げたいと思います。

このプロジェクトも残り3日となりましたが、この本に込めた願いについて少しお話しさせていただきたいと思います。

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私は大学一年生だったときに大学の授業で水俣病を学び、現地を訪ねてフィールドワークを重ねる中で、公害とかかわり続けることになりました。

公害は「過去のこと」であって「自分には関係ないこと」と思っていた私は、公害と出会うことをとおして、公害が過去という時間軸や私以外の誰かのこととしてあるのではないことを実感する経験をもつことができました。


公害によって今もなお人びとの苦しみは続いているだけでなく、現実に公害は起き続けています。私たちが生きることそのものを危うくする問題であり続けているからこそ、公害がなぜ・どのようにして起きるのか、公害が生じた結果どのような問題が生じたのかをとおして、私たちは公害が生じるこの社会のあり方をどう考えていくのか、「私」と「私たち」がどのような社会を目指していくのかを考えていく必要があると考えています。


しかし、たとえばいきなり「さぁ公害について考えてください」と言われても「え…」と言葉を失ってしまうような気がしてしまう方は少なくないのではないでしょうか。

私も最初から公害に対して高い関心を持っていたわけではありませんでした。私にとって〈公害と出会い、向き合う〉ことが可能になったのは、きっかけとしての公害の学び(大学の授業と現地のフィールドワーク)があったからこそであり、さらに共に公害を学ぶ仲間と公害について伝えることを通して学びを支えてくださる多くの方(公害の被害者や公害資料館など)のおかげだと思っています。


この本も誰かにとって〈公害と出会い、向き合う〉きっかけの一つになることを願って編まれた本です。コロナ禍の今、膝を突き合わせて学ぶことが難しい状況は続いていますが、一人一人の方にとっての〈公害と出会い、向き合う〉ためのきっかけでありながらも、関心を寄せる人同士のさまざまなつながりをとおして〈他者と共に公害と出会い、向き合う〉関係が多様に生み出されることを願ってやみません。


あと3日!!

最後までご支援の程何卒よろしくお願い申し上げます。