2022/08/27 11:51

ご支援をくださった皆さま、関心を寄せてくださっている皆さま、いつも本当にありがとうございます。

クラウドファンディング終了まで残り4日となりました。
600万円という高い目標を掲げたNext Goal達成に向け、まだまだチャレンジ中です。
なぜ、Next Goalで600万円という高い目標を掲げたのか、Next Goalを達成することで何を実現したいと考えているのか、改めて振り返ってみたいと思います。

プロジェクト立ち上げ前夜

本プロジェクトを計画し始めたのは、折しもウクライナ避難民の受け入れが大きな盛り上がりを見せ、政府からも、民間からも、衣食住ならぬ、医・職・住(医療/職業/住居)の提供が続々と表明されている頃でした。
シリアも、ヨルダンも、ミャンマーも、アフガニスタンも、そしてもっともっと他の国々でも多くの紛争が起こり、国を追われざるを得ない人々が発生しているにもかかわらず、それらの存在は忘れ去られてしまう・・・そんな危機感がありました。
一方、クラウドファンディングを実施しても、アフガニスタンの現状に目を向け、応援してくださる方はごくわずかなのではないか、私たちの取り組みは、社会の中で周縁化されて終わってしまうのではないか、そんな諦めにも似た不安がとても大きかったように思います。

当初の300万円という目標設定は、そんな私たちの自信のなさの表れでした。
200万円、いやいや150万円程度にしておいた方が、がっかりしなくて済むのではないか、そんな風にさえ思っていました。

プロジェクト公開後の反響と目標達成

それでも、何とか奮い立たせて公開に漕ぎつけた日。
公開直後から数多くのご支援をいただき、あたたかい応援の言葉が次々と寄せられました。
共感し、応援してくださる方々がこんなにもいらっしゃるのか!と、喜びよりも驚きが勝ったことが思い出されます。皆さまのご支援があり、予想もしない短期間で目標を達成することができました。本当にありがとうございます。

応援してくださる方の数が増えていく中で、「私たちには、社会に現状を伝えていく責務があるのだ」と実感せずにはいられませんでした。「忘れ去られていく」「どうせわかってもらえない」、そのように悲観するより前に、もっともっと多くに方々に知ってもらう努力を惜しんではいけない、そんな当たり前のことに気づきました。

NEXT GOAL600万円の設定

共感し応援してくださっている皆さまの想いも受けて、NEXT GOALは強気でチャレンジすることに決めました。そこには、NEXT GOAL達成に向けて、発信をやめてはいけない、諦めてはいけない、そんな自戒も込められています。

活動報告での当事者からのメッセージや関連記事でも掲載されているように、新たな国で生活を立て直し、自立しながら地域に根差していくというのは、一朝一夕に実現できるものではありません。「ただ普通の生活をする」、そのためには多大なエネルギーを要し、同時に周囲のサポートも欠かせません。

来日のために全財産を使い果たしたご家族、渡航費を元恩師に借りて来日されたご家族。皆が来日後の経済的な不安を抱えています。
そして、母国ではいわゆる「地位のある」職に就いていた方も少なくない中で、他者のサポートを受け続けることや、サポートする側であったはずの自分が逃れた先の日本ではサポートされる側に立たざるを得ず、家族を十分に養えない状況に対し、心理的な負担を感じていらっしゃる方もおられます。自身と家族の命の安全が確保された今、「これ以上、恩師に迷惑をかけるわけにはいかない」とおっしゃる家族もいらっしゃいます。

彼ら・彼女らが第一に望むのは、家族の安全と、経済的な自立です。それは、尊厳ある暮らしの再開に他なりません。

NEXT GOALで実現したいこと

来日を果たしたご家族の想い、そして、今なお安全が確保されていない家族が残されている状況を受け、NEXT GOALとして設定した600万円(300万円の増額分)は、以下のように使用したいと考えています。

①渡航費補助の増額
受け入れ先の目処が立っているのも関わらず、渡航費が不足しておりアフガニスタンや周辺国に取り残されている2~3家族が来日できるよう、渡航費を支援します。

②3ヶ月間の家賃補助の延長又は新たな家族への家賃補助
全財産を使い果たして来日した家族が、安心して生活を始めるため、経済基盤が安定するまでの家賃補助を拡充します。

③就職/就労のための日本語講座の提供
一日も早く経済的自立を実現するために、自信をもって就職活動を行えるよう日本語学習機会を提供します。
*先の活動報告で言及した通り、就労が継続できなければ、安全な日本に暮らし続けることはできないという実情があります(活動報告「アフガニスタン退避者98名の難民認定を受けて」参照)。

④生活再建のためのソーシャルワークの充実
公的サービスや子どもの就学、医療等へのアクセスを適切かつ迅速に行うための情報提供や手続き等の支援を行います。地域の支援者(担当教員など)が孤立・疲弊しないよう、ネットワークを維持します。

迫害や紛争を逃れた(避)難民が、新たな定住先で支援を受けつつ自立していくにあたり、その定着(=社会統合)は、安定的な就労の確保による経済的な自立と子どもの学校への適応が一つの目安になるとされています。
それらはおよそ2~3年かかると言われていますが、まずは、新たな定住地である日本での生活を安心して始められることが何よりも重要となります。そのためには、生活をスタートさせた初期の段階から、適切な情報を入手し、制度を理解していくこと、必要に応じて経済的支援を得られることが不可欠です。

残すところわずか4日。

退避を求める元留学生の命、来日は果たしたもののまだ先を見通せない状況で暮している家族の尊厳を守るために、NEXT GOALの達成を諦めるわけにはいきません。
様々な背景を持った、ユニークで、温かい彼らへのご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。