2022/07/28 13:00

みなさん、こんにちは!

「ケニアの貧困家庭の子どもたちを学校へ!ママたちが養鶏で自立を目指す」クラウドファンディングを開始してから今日で9日目となり、現在11人の方から総額315,000円のご支援を頂戴しています。たくさんの暖かいご支援やメッセージを頂き、本当にありがとうございます!残り目標まで1,185,000円です。引き続きご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。


さて、PLASがクラウドファンディングで資金を募っているHOPE事業。前回の記事では、以前行ったカウンセリング事業での、カウンセラーであるエマと、ある少女のお話をお伝えしました。

今回は、以前ケニア・ホマベイ群で実施した、カウンセリング事業の参加者へのインタビューの模様をお伝えいたします! 


①アイリーンさん 「子どもがルールを守るようになりました。」

(写真左から)アイリーンさん、ヒラリー、トビアス、アイリーンのお母さん。

アイリーンさんは、夫を11年前に病気で亡くしました。炭やマンダジ(ドーナツのようなお菓子)、育てた野菜を売るなどの小さなビジネスをやりながら、3人の子どもを育てています

長男(19)と長女は(16)は地元を離れてそれぞれセカンダリースクール(日本でいう中・高校にあたる)に通っているため、カウンセリングは次男のアラン君(プライマリースクール7年生)と参加しています。

ー今日のカウンセリングではどんな話をしましたか??

お金のこと、子どものこと、学校のことを話ました。


ーカウンセリングはどうでしたか?

とても良かったです。準備ができたら小さなクワをもらえると聞きました。

クワで畑を耕して野菜(玉ねぎ、バナナ)を作りそれを市場で売れば、子どもの教育費が捻出できるようになります。


ーカウンセリングを受けてご自身とアラン君に変化はありますか?

アランは以前遊びすぎていましたが、(カウンセリングを受けて)母親としてきちんと話すと反省するようになりました。

規則やルールについてもしっかり守るようになりました。


②パメラさん「子どもと宿題を分け合いっこするんです。」


(写真左から)ヒラリー、パメラさん、トビアス、パメラさんの親戚

パメラさんは女の子3人、男の子2人を育てています。このうちクリスティーンちゃんがパメラさんと一緒にFLOWER事業に参加しています。 

ー今日のカウンセリングではどんな話をしましたか??

学校のことや、学費について話しました。


ーカウンセリングを受けてご自身とクリスティーンちゃんに変化はありますか?

キャリアガイダンスとカウンセリングを受けるようになってから、宿題について話してくれるようになりました。たまに宿題を「分け合いっこ」したりもします。一緒に問題を考えるようになり、親子関係も良好になりました。

宿題を計画性をもって取り組むようになったので、自由時間も増えたため、無理のない範囲で家事を手伝ってもらっています


 ③モリナさん「子どもとの対話が大切だと知りました。」


モリナさんは女の子2人(16歳、12歳)、男の子1人(14歳)のお母さんです。子どもは3人ともモリナさんと一緒に暮らしていますが、カウンセリングを受けているのは次女のエミリアちゃんです。

ー今日のカウンセリングではどんな話をしましたか??

セカンダリースクールへの進学時の問題点(入学に必要とされる点数、奨学金など)について特によく話しました。


ーカウンセリングを受けてご自身とエミリアちゃんに変化はありますか?

カウンセリング開始後の変化として、エミリアだけでなくほかの二人の子どもともうまくコミュニケーションが取れるようになりました。学校であったことや、日常の小さな問題を家族間でシェアすることができていると思います。

エミリアは将来医者になりたいといっているのですが、楽観的過ぎることを心配しています。もっとしっかり勉強しないといけないと・・・。


ーもしここにエミリアちゃんがいればどうアドバイスしますか?

怒ったり怒鳴ったりするのではなく、(カウンセリングで学んだように)子どもと対話します。「あなたはものすごく一生懸命努力しなければならない。知識をたくさん身につけるために」ということを伝えます。

 

※ケニアではセカンダリースクールでAをとれれば大学の医学部に4年通い医師になる流れだが、セカンダリースクールで成績が満たなければDiplomaに3年通ったあと、大学(4年)に入学することになるので合計7年が必要になる。


④リンネットさん「数学の成績が倍になりました。」

リンネットさんは5人の子どもを育てながら売店を経営しています。 カウンセリングに参加しているのはアフラインちゃんです。

 

ーカウンセリングを受けてご自身とアフラインちゃんに変化はありますか?

カウンセリングセッションが始まって、コミュニケーションがとりやすくなりました。また、アフラインの数学の成績が30%のテスト正答率だったのが60%まで上がりました。叱らずに励ますように接するようになったからかもしれません。今は英語とスワヒリ語も頑張るように励ましています。

規律などをよく守るようになり、子どもたちに良い変化があるため大変ありがたいです。


⑤アンナさん「ドラッグやセックスのことについても話し合っています。」

アンナさんは6人(男の子4人・女の子2人)の母親です。上の子2人は寄宿学校に入っているので、4人の子どもと一緒に暮らしています。

 

ーカウンセリングを受けてご自身とお子さん達に変化はありますか?

カウンセリングを受けているのは、4番目の子どものモニカ(12歳)です。カウンセリングを受けるようになってから、他の3人の子ども達と一緒に座っていろんなことを共有する時間が増えました。また、学校のこと、青少年時期における問題のこと、宿題のこと、※ピア・プレッシャー(同調圧力)をどう乗り越えるかなども話し合っています。

他にも4人の子ども全員が宿題をやったり規則を守るなど良い変化がみられています。

※仲間 (peer) からの圧力 (pressure) 

 

ーピア・プレッシャーにはどんなものがありますか?

ドラッグ、暴力、ティーンエイジャーの性行為などです。これらのピア・プレッシャーをどう乗り越えるか、話をしています。モニカの周りではまだこのようなことは起こっていませんが、予防的に話をしています。



⑥マルグレットさん「孫が難聴かもしれません・・・。」

マルグレットさんは、男の子1人、女の子5人の6人の子どもがいます。カウンセリングを受けているのは、孫のシプリーナちゃんです。

 

ーカウンセリングを受けてご自身とお子さ達やお孫さんに変化はありますか?

以前は一緒に座ってしゃべることなどほとんどありませんでしたが、今では意識的にそういった時間を持つようになりました。

 

ーカウンセリングではどんな話をしましたか?

シプリーナが難聴かもしれないことです。小さい時からもしかしたらそうなのかもしれないと思ってきたのですが・・・。以前シプリーナの成績が下がった時に、どうしたのか聞いたら

耳が聞こえづらいので、授業でどのようなことを言っているのか分からず、成績が下がっている」と答えたんです。数人の先生は、彼女の耳の聞こえづらさを知っているのですが、具体的な対策はまだとれていません。

※この件については、1番前の席に変えてもらうようにマルグレットさんか、シプリーナちゃん本人が、先生に話してもらうことも提案しましたが、それぞれの事情で直接話すのは難しいようなので、担当カウンセラーが担任の先生と話し合う機会を持つことも考えています。


⑦ローズさん「PLASで教育費を出して貰えませんか?」

ローズさんは現在35歳、亡くなった第一夫人の子どもと自分の子どもの面倒を見ています。(一番上は20歳、一番下は10歳。自分の子は4人)。夫は現在、別の町に働きに出ています。

カウンセリングに参加しているのは、ハドライトくん12歳です。既に3人の子どもがセカンダリースクール(日本では中学・高校に相当する)に通ってます。

 

ーカウンセリングを受けてご自身とお子さん達に変化はありますか?

一番の変化は宿題の進み具合ですね。以前は宿題が出ても、子どもたちはほとんど取り組んでいませんでした。今では学校から帰宅→家の手伝い→集合させて宿題を開きなさいと言う→みんなで集まってやる、という流れができています。

また、ハドライト君は以前は絵を描くことに興味がありませんでしたが、カウンセリングで母親の私の絵を描いて以来、絵を描くことが好きになったようです。私自身も、絵を描いてもらったことにとても感動しました。


ーカウンセリングではどんな話をしましたか?

農業用にフェンスを設置して貰えると聞いたので、メイズ・豆・スクマウィキ・バナナ・デクを植えたいと思っています。ハドライトのセカンダリースクールに行かせる教育費を(PLASに)払ってもらえるといいのですが・・。

※こういった場合、PLASでは「あげる支援」ではなく、「地域と共につくる支援」を目指していることを毎回説明しています。

例えばフェンス代をハドライト君の教育費として渡したとしても、それは1人分にしかならず、卒業するまで十分な金額にもならない。でももし、フェンス設置をして多くの作物を育てられるようになれば、ローズさんと子ども達の頑張りが、一番下の10歳の子までセカンダリースクールを卒業させるだけの力になる。ローズさん達の「底力」を信じて、PLASは共に歩いて行く、と伝えました。

(写真)カウンセリングで子どもが描いた絵


⑧ジョセンタさん
「思春期の子どもと身体や精神の変化について話し合っています。」

ジョセンタさんは3人の子どもを育てています。真ん中のナエラちゃんは、カウンセリングに参加する前から大変良い子で、現在はクラスから2人ずつ選ばれる監督生(クラス委員)だそうです。


ーカウンセリングを受けてご自身とお子さん達に変化はありますか?

カウンセリングを受け始めてから、3人の子ども達とのコミュニケーションが取りやすくなりました。特にナエラは第二次成長の難しい時期であり、身体や精神の変化について話し合えるのは良いことだと思っています。

 

ーナエラちゃんの将来の夢を教えて下さい

将来の夢は心理学者になることです。学校では数学が特に好きです。

※ナエラちゃん自身はかなりシャイだったため、たくさん話を聞くことは出来ませんでしたが、ジョセンタさんによるとナエラちゃんはスワヒリ語が得意だそうです!

 

カウンセリングを通じて、子ども達と「身体の成長や性の話」もオープンに話し合うことができるようになった、という意見を多く聞くことが出来ました。

PLASでは事業参加者の事情や不安にも向き合い、寄り添いながら、「地域と共につくる支援」を目指して参ります。

HOPE事業においてもカウンセリングを実施します。
このような子どもたちの前向きな変化を増やすため、クラウドファンディングにご協力をお願いいたします!