2023/01/02 20:44

横浜の皆さんはじめまして!
岩手県釜石市で、夢団をはじめとした地域で活動する高校生のサポートをしている、三陸ひとつなぎ自然学校(略称:さんつな)の伊藤です。

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、生まれ育ったまちが一瞬で消え去るという経験をしたのち、翌月の2011年4月よりボランティアコーディネートから活動をスタートしました。
世界中から訪れる皆さまの協力をいただきながら、一緒に汗をかきながら地元地域を取り戻すために活動を続け、長く続く復興まちづくりに責任を持って取り組むことを目的として2012年に”さんつな”を設立しました。


〜「復興」は地域の誇りを取り戻すこと〜

2013年、「復興」の定義は人それぞれだということに気づきました。

津波で破壊されたまちが元に戻る・・・。
仮設住宅の入居者がゼロになる・・・。

それぞれ正しい定義だという前提のもと、さんつなとして最も大切にする旗印として「復興=地域の誇りを取り戻すこと」としました。

震災前に比べて圧倒的に人口は減ってしまうだろう。でも、すごくいいまちになった!ということを感じながら住み続けたり関わり続けたりする人が至るところにいる状態が、さんつなの考える「復興」であり、そこを目指して活動を続けています。


〜震災10年以降を見据えた人材育成〜

青春時代を過ごす大切な”家”である仮設住宅に愛着を持ちながら住む人を増やすことを目的として、ハートのマグネットで仮設住宅を彩るプロジェクトを立ち上げた高校生

震災当日は何も出来なかった・・・。中学生に手を握られながら命からがら逃げ切った経験を紙芝居にして、当時の自分と同じ小学4年生に防災授業を行なった高校生


地域課題に立ち向かうことで育っていく高校生たちの伴走を重ねるうちに、理想的なまちが10年そこそこで出来上がる訳がないのだから、更に先を見据えた次世代育成を復興期で行うことが必要なのだということに気づき、高校生が地域での活動を通して育つための伴走を本格化させていきます。


〜震災の記憶が残る最後の世代〜

2019年9月・・・世界的なラグビーイベントが行われた釜石鵜住居復興スタジアムには、1万4千人もの人が訪れ、ラグビーを楽しむと共に、防災の大切さや感謝の気持ちを伝える高校生の言葉に耳を傾けました。

その活動をきっかけに、大震災の記憶がある最後の世代として、次の世代にその記憶や教訓を伝えていこうと、釜石の高校生による防災・伝承活動グループ「夢団〜未来へつなげるONE TEAM〜」は2020年1月に結成されました。

しかしながら、その2ヶ月後から本格的にコロナ禍に突入してしまったために、常に制限を受けながら活動を続けることとなります。

それでもコツコツと活動を重ねることで、現在は4代目の代表の世代まで引き継がれ、メンバーも50名(現役の高校生世代のみの人数)まで増えるなど年々活動が活発化しています。


この度、夢団の高校生が横浜を訪れて”震災の記憶が残る最後の世代”として防災啓発活動や同世代交流を行う機会をいただくこととなりました。

これまで制限を受けながら活動を続けてきた夢団にとって、地元を離れて行う伝承活動は大きなチャレンジとなります。


3月の活動では、釜石の夢団と横浜の若者たちが協力して防災意識の向上に寄与することで、お互いを高め合う育ちの場になることになります!

”未来のいのちを守る”ためには多くの若者の育ちが必要不可欠となりますので、ぜひご協力お願いいたします!


さんつな[三陸ひとつなぎ自然学校]
代表 伊藤 聡