▼私たちWATALISは、着物に込められた「思い」を未来へつないでいきたいのです!
~着られなくなった着物たちが処分されるのを見過ごしたくない~

私たちのプロジェクトページをご覧いただきまして、ありがとうございます!
株式会社WATALIS代表取締役の引地 恵と申します。
私たちは使われなくなった着物をリメイクし、巾着袋や名刺入れ・ぬいぐるみやクッション等にリメイクするアップサイクル事業を行っています。

このたび、このアップサイクル事業をブラッシュアップし持続するために、当プロジェクトを立ち上げました。具体的には、素材となる着物の仕分け効率UPとシルク素材の抽出による製品の高付加価値化を実現する企画です。






▼着物の仕分け作業を試行してみました ~テレビ取材も受けて予想以上の反響が~

本年(2019年)8月に試行的に在庫着物の仕分け作業を行ってみました。私たちが扱う着物には反物にはある素材表記がなく、素材の確認ができません。これまで質感や感触等でシルク生地を見分けてきましたが,自分たちだけで判別することに限界を感じていました。そこで、選別した着物地を宮城県産業技術総合センターへ持ち込みシルク生地を判別していくためにも、今後の定期実施にむけた課題把握と仕分け作業が商品の高付加価値化にどれくらい寄与するかを確認しておきたかったのです

この試行作業の様子を取材いただき、2019年9月5日放送のNHK「あさイチ」で女優の小林綾子さんにご紹介いただきました。その反響は大きく、全国から着用する機会が失われ箪笥に眠っていた着物が届き、倉庫に入りきらない段ボールが事務所内にも所狭しと並んでいる状態です。

「放送を見て、あなた達のやっているような事業があることを初めて知り着物を送りました。形を変えてでも誰かに使われ続けてほしいんです」という声もたくさんいただきました。そのような声と共に届けられる着物を受取りながら、私たちは言葉では表現できないほどの大きな感謝と感動に包まれていました。「絶対にこの事業を永続していく! もっと多くの方々に『思い』の込められたアップサイクル商品を手にしてほしい!!」と改めて決意を固めた瞬間でした。


▼WATALISを立ち上げた経緯について ~地元の小さな慣習が「思い」をつなぐ~

東日本大震災の前後、私は亘理町の学芸員として民俗調査に携わっていました。

平成21年の冬に「着物」というテーマで、古い時代の亘理を知る人達を訪ね歩いていた時、80歳代のおばあさんが箪笥を開けて「これ、私の嫁入りの時に母親が繭から糸をとって、織って、仕立ててもたせてくれた着物。もう着ないけど、元気を出したい時に眺めるお守りなんだよ」と見せてくれました。

何十年もの時を越えて<かつて養蚕が盛んだった町の歴史><嫁入り支度の着物に込めた親の “愛”>、それが伝わってきて、とても温かい気持ちになりました。しかし同時に、“でも、今はこの着物を着る人がいない。これからどうなるんだろう・・・” と思ったのを覚えています。

そして、ある農家では高齢の女性からこんな話を聞きました。
「亘理では昭和の中頃まで、家族が着るものはその家の女性達が仕立てており、縫うことは女性にとって生活の一部だった」。

「亘理に暮らす女性達は、着物の残り布で仕立てておいた巾着袋に一升のお米を入れて、お祝いやお返し、手土産にしていた」。小さな布も大切にし、たくさん縫いためて、いつでもすぐに『ありがとう』と気持ちを手渡していたのです。米粒が縫い目に入らないように裏地を付けて、口がしっかりしまって中身がこぼれないように紐は両引きにして。渡す相手への配慮を込めて作っていたのです。

この話をしてくれた女性の日々の暮らしの中には、たくさんの「ありがとう」の想いが溢れていたのです。そして、自らの手で作ったお米と巾着袋をその気持ちと一緒に渡すことを楽しみにしているのだと感じました。

「ふくろ」が訛って「ふぐろ」。この「ふぐろ」が私たちの商品 “FUGURO” の原型です。地域の小さな伝統文化がリメイクを経ることで、時間軸を越え、姿を変えて異次元の生き方「感謝を形にする生き方」を伝えてくれました。

「ふぐろ」に詰まったふるさとの「返礼文化」「縫製技術」「感謝しあう価値観」を改めて誇りに思い、たくさんの人に伝え、受け継いでいきたいと思いました。

それをどう実現するのか。着物を常用する生活スタイルがなくなった今、着物に込められた「思い」を継承するには、現代の暮らしの中で使えるような形やデザインにリメイクして、商品価値を持たせよう>。
私が自問自答しながらたどり着いた、“いまの私にできること” でした。それが、この事業の出発点です。

震災後も地域文化の調査と保存に携わる中で、多くのヒアリングをとおして「着物」は衣類としての機能だけでなく「着る人の幸せを願う思い」を伝える役割を担っていることを知りました。つまり、日本文化の伝承とはまた別の次元で「人の思いを伝える」ツールでもあることに気づかされたのです。

しかし、現代では着物を常用することは殆どありません。若い世代に譲りたくても「サイズが合わない」「長期保管中に穴あき・シミができてしまった」等の事情で、高齢の女性達をはじめとして多くの方々が処分に困っています。

そういった状況を知ったからこそ、私たちWATALISは思いがこもった着物をできるだけ多く回収し、現代でも使い続けてもらえるようリメイクしていく志を固めています。「地域に伝わる再生文化(リサイクル)」と「着物に込められた思い」を<たくさんの人に伝える>そして<未来へ受け継ぐ>ために、商品を所有してもらえる機会を増やす=商品の経済的価値を高めていきたいのです。


▼私たちの取り組みをご紹介します。

WATALISは、東日本大震災の被災地である宮城県亘理町で、地域の女性達で立ち上げた会社です。廃棄される寸前の着物をリメイクし、商品として経済的価値を持たせる「アップサイクル」の取り組みを行ってきました。使われなくなった着物を巾着袋・名刺入れ・ぬいぐるみなどにリメイクし、販売する事業を行っています。材料となる着物は仕入れたり、寄贈されたものを使っており、これまで7t以上の着物を取り扱ってきました。

震災後に始めた取り組みですが、創業当初から高品質のブランディングに努めており、「トーマスワイルド」「ジラール・ベルゴ」「アイリスオーヤマ株式会社」とのコラボレーション商品の販売実績があります。また、宮城県知事が海外訪問等の際にホスト国側へ渡す記念品として弊社の「FUGURO(総桐箱入)」を継続して採用いただいているほか、海外の方への贈答品としての採用実績が多数あります。


▼今回のプロジェクトで解決したいこと

私たちの事業は全国から届く着物に支えられています。毎月、この事業に共感いただいている全国の方々から着物が送られてきており、感謝の気持ちでお受けしています。戦後の物資が不足していた時代に、親が必死で準備してくれた嫁入り支度の着物たちを廃棄したくない」「譲り渡す相手がなく、箪笥に眠っている着物を何かの形で活かしてほしい」という声がたくさん寄せられています。そして、スタッフ一同、皆さんのお気持ちをなんとか形にしたいという思いでいっぱいです。

着物は日々集まってくるため、定期的に仕分け作業を行う必要があります。しかし、少人数で運営しているため、現在は中古着物の入荷が仕分けやリメイク作業のペースを上回っており、スタッフの自宅にも着物が溢れている状況です。着物在庫の仕分けを定期的かつ効率的に行っていかなければ、この事業の持続が危ぶまれてしまうのです。

本年8月に、試行的に社員と協力者に依頼して1週間かけてこの作業を行いましたが、猛暑だったこともあり300着ほどの仕分けにとどまりました。

私たちの商品には「人の思いを伝える」というテーマがあります。手間を惜しまず、たとえ時間がかかっても一つひとつ心を込めた丁寧な手しごとによる高品質のものづくりに取り組んでいます。ですから、大量生産はできないのです。そこで、事業継続のためにも着物地の素材判定を行いシルク生地を選別し、商品に「シルク製」という付加価値をつけていきたいと考えています。

しかし、仕分け作業と素材判定を定期的な業務として実施するには、現時点では予算が厳しいところです。


▼課題解決のために実行したいこと


<1>通常は3ヵ所の倉庫(スタッフ自宅を含む)に保管している着物を、1か所に集めて仕分けする。
<2>仕分けした着物生地を宮城県産業技術総合センターの分析機器を活用して素材同定を行う。
これらを四半期ごとに実施する流れを確立したいと考えています。

予め仕分けしておくことで、季節やお客様の要望に応じた色柄を選定する時間が短縮され、商品供給がしやすくなります。「シルク」という素材表示をすることで商品の付加価値が向上し、少量生産のままで収益増が見込めます。

継続することで、私たちが取り扱う着物のうちシルクが占める割合の把握が精緻化できるようになり、業績予測が立てやすくなります。

安定的な収益増と作業増が見込めれば、設備投資や人材採用(製作委託を含む)も行えるようになり、地元に新たな就労機会を生み出すことができます。弊社はパート・業務委託・有償ボランティア、と多様な働き方を提供していますので、高齢者や育児中の方、対人コミュニケーションが苦手な方等に社会参加の機会としていただくこともできます。

また、クラウドファンディングを通して当事業主旨を広く伝えることで、着物の取り扱い量の増加が見込めます。 日本の衣料品リサイクル率は20%以下と決して高くはありません。着物のアップサイクルを持続させ貴重な資源を再生し続ける取り組みを通して、商品を使ってくださる方と共に持続可能な循環型社会づくりに貢献することができます。


▼WATALISの商品が出来るまでをご紹介します

着物が入荷します。全国の箪笥に眠る着物が集まってくるため、事務所前に段ボールが山積みになる日もあります。


防虫剤等の匂いを飛ばすために陰干しし、生地の状態をチェックします。


紐解(ほどき)を行ない、洗濯し、風通しの良い日陰で干します。


アイロンを掛け、シミや穴があれば糸やマスキングテープで印をつけながら反物状に丸めます。


色柄を活かせるような商品デザインとサイズを検討し、着物生地に合う裏生地と紐を選びます。


着物地と裏地を裁断し、工程ごとに縫製作業を行います。


社内の検品基準に基づいて、サイズ、ステッチの曲がり、紐の長さ、ボンボリの形をチェックします。基準に満たないものは、解いて修正します。出荷前に検針器で針の有無を確認します。


各商品の特性から販売する場所を決めます。販売委託先には、梱包後に販促物と一緒に配送します。


着物地に新たな命が吹き込まれ、再びたくさんの人に手渡されています。






▼支援金はこのようなことに活かしていきます

今回は、その仕分け作業2回分に係る人件費・建物短期借り上げ費用・運送費・分析設備使用料に充当させる資金をクラウドファンディングで募集したいと考えています。作業場所は工場跡地を定期的に短期賃借することで確保し、短期アルバイト4名を採用。シルクの素材同定は宮城県産業技術総合センターの成分分析設備を使用して行います。


▼プロジェクトのスケジュール

【2月末】
資金調達完了。仕分けの短期アルバイト募集・作業場の短期賃貸契約・運送手配を行う。

【3月中旬~下旬】
仕分け作業。

【4月上旬】
シルクの素材同定作業(宮城県産業技術総合センターの成分分析設備を使用)。リターン商品の着物地決定。セミオーダー受付開始。

【4月中旬】
リターン商品の製作開始。出来上がり次第順次発送(6月末までに全パトロン様へ発送完了)。


以降、四半期ごとに仕分けと素材同定を実施する。



▼最後にお伝えしたい皆様へのお願い

WATALISは東日本大震災の被災地域に生まれた女性達の就労の場でもあります。現在は事務作業などを行う常勤スタッフ6名と自宅で商品製作に携わるスタッフ10名の職場になっています。母親の働く姿をとおして、子ども達に「ふるさとの文化に誇りを持ち、一生懸命働く」ことの尊さを伝えていける場で在りたいと思っています。

今回は、セミオーダーでお作りした商品をリターンでお返しいたします。
少人数で運営しているため普段はセミオーダーは行っておりませんが、ご提案したシルクの着物地の中からお好みの生地を選んでいただくやり取りの中で、皆さんと交流できることを楽しみにしております。

応援よろしくお願いいたします。


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  • 2020/10/02 17:34

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