▲このプロジェクトの主旨
ネパールの無医村地帯で行われる東洋医療による無料巡回治療(以下ヘルスキャンプ)を応援してくださる「支援者」を募集しています。
ネパールにおける東洋医療による無料巡回治療は、ネパール人鍼灸師と日本人鍼灸師の主催によって20年以上も前から毎年開催されてきましたが、支援者と支援金の減少により昨年で終了してしまいました。
私たち国際ボランティア鍼灸師協会(以下IVAA)は、「この活動を終わらせてはいけない」という想いからネパールの鍼灸師ボランティア団体と協会(N.J Acupuncture Association)を作りました。そしてお互いに協力しあい、今年もヘルスキャンプを開催する運びとなりました。
ネパールの孤児院の子どもたち
▲ネパールの医療の現状
ネパールは中国(チベット自治区)とインドにはさまれた面積が北海道の約2倍、人口2千万人の小さな国です。
北はエベレストのある8,000m以上のヒマラヤ山脈から南は虎のいる亜熱帯ジャングルのあるタライまで様々な自然環境が存在しています。
ネパールの北に位置するエベレストのある8,000m以上のヒマラヤ山脈
気候的には4月から9月までの雨季とそれ以外の乾季に分けられます。
衛生事情は極めて悪く、全国的な感染症の多発と栄養不良が大きな問題となっており、赤十字やユニセフ、各国の医療支援の中心は、こうした感染症予防や衛生管理に関するものが中心となっています。
2016年ネパール・ヘルスキャンプ:関節痛を訴える患者たち
一方で農業国であるネパールでは、多くの住民が生活習慣による腰痛・関節炎やリウマチなどの病気で多くの人が苦しんでいます。
農業を主とする肉体労働が中心のネパールでは、疼痛などによる身体的なハンディキャップがあると働くことができず、働くことができない、ということはセイフティーネットが整備されていないネパールのような途上国では死を意味します。
手軽に病院を受診できるのはカトマンズ近郊のある程度余裕のある住民に限られ、大多数の国民は病院まで2日も3日も歩いて行かなければならない、または、本人が歩けない場合は、家族や親族に担がれて行かなければならない状況にあります。
そのため地方では病気になると初期治療はもちろんのこと、病状が相当進行しても伝統医療(アユルヴェーダ)、祈祷師が治療を行っているところも少なくありません。
地方の無医村地域に住むネパール国民は、十分な医療を受けることができていないのが現状です。
2016年ネパール・ヘルスキャンプを待つ現地の人びと
こうしたネパールでの現状を踏まえてIVAAでは、ネパールの鍼灸師ボランティア団体と共に、無医村が点在する地域へ出向いてヘルスキャンプを行います。
ネパールには、平成5年に東洋の伝統療法である「鍼灸・指圧」 による治療技術者を育成するために、日本人の鍼灸・あんま・指圧師である畑美奈栄氏が赤十字と共同でネパールで最初の東洋医学専門学校を開校しており、これまで150名を超えるネパール人鍼灸師を育成しています。
今回のヘルスキャンプには、この東洋医学専門学校を卒業したネパール人鍼灸師にも協力を要請しています。
2016年ネパール・ヘルスキャンプ:ネパール人と日本人鍼灸師と共に
▲これまでの活動
IVAAとしては初となるネパールのヘルスキャンプですが、過去にはネパール人鍼灸師と日本人鍼灸師主催により約20年以上もの間、ヘルスキャンプが開催されてきました。
今回のヘルスキャンプに参加するメンバーは、過去にこの会主催のヘルスキャンプに参加した経験のある鍼灸師達が中心となって行います。
2016年ネパール・ヘルスキャンプ:現地ボランティア・スタッフにお灸を指示するIVAA会長
▲ネパール・ヘルスキャンプ2017(東洋医療による無料巡回治療)概要
開催予定地 : ネパール、バンディプール
ヘルスキャンプ開催期間 : 2017年8月10日~15日
引用元 : Google
▲よく頂くご質問と回答
(1)「赤十字などに任せた方がいいんじゃない?」
赤十字などの医療支援は感染症予防や衛生管理など限られたものが中心になります。腰が痛くて力仕事ができない、膝が痛くて歩けないなどの運動器系の疼痛疾患についての支援は皆無と言っても過言ではありません。
また、ネパール政府は各国のボランティアの受け入れにあまり積極的ではない、という政治的な背景もあります。
(2)「継続性はあるの?」
ネパールにおけるヘルスキャンプは、ネパール人鍼灸師と日本人鍼灸師の主催によって過去20年以上にわたって継続的に開催されてきました。
そのため、経験が豊富な現地スタッフの獲得や開催地の選定の他、さまざまなネパール特有の問題に対応できるネパールのボランティア団体があり、IVAAと協力してこれからもヘルスキャンプを開催していくことが決まっています。
2016年ネパール・ヘルスキャンプ:毎日お手伝いしてくれた学生ボランティアとIVAA 理事
(3)「現地の人は協力的なの?」
ネパールで一般の人が医療を受ける機会は決して多くはありません。
またネパールで20年以上にわたって支援活動を続けてこられたネパール人鍼灸師と日本人鍼灸師の会が積み上げてこられた信頼と実績があるため、後続として支援に入る私たちIVAAにも現地の人は非常に強力的です。
(4)「本当に実現可能なの?」
すでに開催地の選定が終わり、会場や現地スタッフの確保や、備品類の準備などが進められており、あとは日本人ボランティア鍼灸師が現地入りするだけ、となっています。
(5)「将来的には何をするの?」
ネパールという国の医療が整備され、一般庶民が気軽に医療を受けられるようなシステムが出来上がるまで、継続的にヘルスキャンプを開催していきたいと思っています。
また、ネパール人鍼灸師たちの技術向上のための支援も同時に行っていきます。
▲支援金の使い道
いただいたご支援はネパール・ヘルスキャンプ2017を実施するための移動バス・チャーター代(ドライバー付)や会場費など、全てネパール・ヘルスキャンプに関わる費用に充てさせていただきます。
目標金額は、過去に開催されたヘルスキャンプの費用を参考に設定させていただきました。
ネパール・ヘルスキャンプ2016、会場の学校と移動に使用したチャーターバス
■主な使用途は下記の通りです。
・鍼灸道具類や治療に必要なものの購入
・タオル類の購入
・ゴザやマットレス(診察台などがない場所での開催となる可能性が高いため)などの購入
・移動バスのチャーター代(ドライバー付)およびガソリン代
・ヘルスキャンプを開催するための会場代
・現地スタッフの人件費
・スタッフの食事代
・その他の諸経費
▲最後に、あなたへお願いがあります。
2016年の夏、私たちIVAAの中心メンバーはネパールのルンビニにいました。
早朝の6時すぎ、ヘルスキャンプの会場となった学校の前には長い行列ができています。
教室には机や椅子を並べて薄いマットを敷いただけの簡易治療ベットが用意され、空いたスペースの床にはゴザが敷かれてこちらでも治療を行います。
気温は早朝でも35℃あり、日中は40℃を超え、湿度は70%を超えているのに、頻繁に起こる計画停電のせいで扇風機すら回せません。
片麻痺、ポリオ、アレルギー、HIV、生理痛、生理不順、不妊症、高血圧、喘息、坐骨神経痛、尾骨痛、頭痛、胃痛、膝痛、肩痛、腰痛、不眠、冷え等々を訴える患者たち。
さながらヘルスキャンプの会場は野戦病院のような状態の中、ネパール人鍼灸師を含めた20数名の鍼灸師と共に、6日間で累計3,558名の鍼灸治療を行いました。
これが私たちIVAAの原点です。
私たちの生活は、あらゆる分野で世界の人と国に関わりをもちながら成り立っています。
現代ほど地球規模の、グローバルな視点に立って考え、行動することが必要な時代はありません。
私たちの活動は、主体的に無償で行うボランティアですが、電車でお年寄りに席を譲るのも、世界の貧困地域に出かけて行って医療活動を行うのも、感覚的に大きな違いはありません。
人と人とがお互いに利他の心で接することで、お互いに良い気分になり、お互いにその存在を認め合うことができる。
ただそれだけの行いが、人々に笑顔をもたらし、未来へ希望の光を灯し、平和を作り出すと私たちは信じて日々活動しています。
2016年ネパールの孤児院の子どもたちと共に
しかし実際は、未来への希望の光を灯すためには、私たちの力だけでは難しい側面があります。
だから
”あなたの力”
が必要です。
世界の医療の届かないところへ希望の光を灯すため、
ぜひ”あなたの力” をお貸しください。
私たちと一緒に、世界の医療の届かないところに希望の光を灯しましょう!
ご支援をよろしくお願いいたします。
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