はじめに
文部科学省による #教師のバトン プロジェクトには、全国の先生方から批判の声が次々と上がっています。マスコミもこれを取り上げるようになり、文部科学大臣も記者会見で見解を述べています。教育研究家や学者の間からもさまざまな分析が出ています。
「教師からのバトン」とは、全国の先生方からツイッターのDMで集めた声(メッセージ)を文部科学省に直接届けるものです。長文のメッセージとすることで、ツイッターでは表現しきれない思いやそれぞれの置かれた状況をしっかり伝えたいと思います。また、担当者との懇談や記者会見も計画しており、それに向けた準備を進めています。
なお、「資金の使い道」のところでも説明していますが、今回のプロジェクトと同趣旨のプロジェクトをすでに実施しています。ただ、新型コロナウイルス感染症にかかる緊急事態宣言の影響により文科省訪問が延期となったことに伴い、別プロジェクトとして立ち上げたものです。(サイトの仕様上、募集期間の延長はできないそうですので、新たなプロジェクトという形を取りました。)
ープロジェクトの概要
私(市民労働基準監督官)のほかに、現役の先生方3名から協力の申し出を受けています。6月21日に4人で文部科学省を訪れ、懇談や記者会見に臨みます。(当初は4月19日を予定していましたが新型コロナウイルス感染状況を鑑みて5月31日に延期し、さらに、この日に延期したものです。)
現役教員が社会に対して直接声を上げることは、まだまだ難しい状況です。しかし今回の行動が流れを変える一助になればと思います。実際に文部科学省を訪れ記者会見を行うという直接行動が全国の先生方に勇気を与え、教員の働き方改革を推進してくれるものと信じています。
解決したい社会課題
少し長くなりますが問題の背景を詳しく説明します。文部科学省がプロジェクトを始めるきっかけになったのは、深刻化する教育現場の人手不足問題です。教員が足りない状態で新学期をスタートしたり、教科担当が足りないため専門外の教科を教える教員が出たりなど、教育の質を確保できるのか懸念されるほどの事態が生じています。人手不足が教員の多忙化を生み、それがまた人手不足に拍車をかけるという悪循環が生じています。
人手不足の原因は、教員のなり手が減少していることです。地域や教科によっては、採用試験の倍率が1.0倍を切るケースも出てきているほどです。ではなぜ成り手が減少しているのか。最大の原因は、ブラックとも言われるほど過酷な教員の労働環境です。この点は、文部科学省と多くの先生方の間で共通認識になっていると思います。
問題はそれに対する捉え方やアプローチの違いです。ツイッター上で教育現場の多忙さを訴える先生方は、現場の実情を知らせることで社会の変化を促し、多忙化解消につなげたいと考えています。ところが文部科学省(や各地の教育委員会)は少し違った見方をしていて、そうやって現場の先生方が労働環境のひどさを訴えることでネガティブなイメージが作られ、それが教員を目指す人の減少につながっているのではないかと考えています。そこで、教員という仕事の持つ魅力を積極的に発信することでこうしたイメージを払拭し、教員を目指す高校生・大学生・社会人を増やしたいと考えています。
文部科学省のこうしたやり方に対して、現場の先生方は、「印象操作ではなく、現実に多忙化を解消しろ!」と憤っています。もちろん文部科学省も、多忙化解消に対して全くの無策というわけではありません。世の中の働き方改革の動きに合わせ、中央教育審議会等においても教員の多忙化解消に向けた議論を重ね、土日祝日の部活動を学校から切り離すこと、教員免許更新制の見直しを図ることなど、各種改善策を打ち出しています。しかし現場の先生方にしてみれば、こうした改善策は効果が限定的で、多忙化の根本的な解消には至らないという不満が根強くあります。そうした中で「魅力の発信」を始めるのは順番が違うのではないかということから、#教師のバトンプロジェクトに対する批判が殺到したものと思われます。
私は、日野町教委による勤務時間改ざん指示問題を通して教員の多忙化問題に関わる中で、「実態が変わらないのに、見栄えだけ良くして多忙化が解消されたかのように取り繕うのはいかがなものか」という思いを行政当局に対して抱いてきました。文科省の#教師のバトンプロジェクトもこれに通じるものがあります。文科省には、宣伝ではなく現実を変えることに全力を注いでほしいと思います。そんな思いから、教師からのバトンプロジェクトを始めることにしました。
このプロジェクトで実現したいこと
プロジェクトの概要を説明する動画を数本作成し、公開しました。今後も適宜追加していきます。
文部科学省に届けるメッセージは、できれば47都道府県全ての先生方から集めたいと考えています。私のツイッターアカウント(市民労働基準監督官@LSinspector)にDMで送っていただくという形で募集します。今のところ(6月上旬現在)、25の都道府県から集まりました。今後も呼びかけを続け、47都道府県に近づけていきたいと思います。
メッセージとともに、バトンのオブジェを制作しようと考えています。文字通り「先生からのバトン」を届けるための試みです。リレー練習用のバトンをすでに注文しました。これを加工してオブジェを作り、我々のメッセージを効果的に伝えていきたいと思います。
文科省担当者との懇談については、事前に質問書を送付し、それに対する回答をもらうという形で進めたいと考えています。その後、文科省内の記者会見室で、文科省記者会の各社に来ていただき記者会見を行う予定です。
我々のプロジェクトをきっかけに、現役教員が声を上げるという動きが今後ますます加速してくることを期待しています。ツイッター上だけでなく現実の社会に向かって当事者が声を上げることで、改革がより力強く推進されることを期待します。
応援メッセージ
「自分ではなかなか声を上げられないが、ぜひ代わりに声をあげてきてほしい」というメッセージをDMで多数頂いています。まずは私たちが声を上げますので、次は自分が!という方が出てきてほしいと思います。
資金の使い道
バトンオブジェ制作費:2,500円
3人分の交通費:60,000円
(4人のうち1人は自主参加という形で、費用を自己負担します)
手数料・決済手数料・消費税:6,187円(9%+税)
※上記の内容で、すでに当サイトでクラウドファンディングを募集しました(募集期限は6月11日)。しかし、文科省訪問日が5月31日から6月21日に変更になったこと、記者会見後のマスコミ報道を受けてのご支援にも期待したいことから、このたび、前回と同趣旨で新たにクラウドファンディングを募集するものです。
6月9日現在、集まった金額は17,500円です。したがって、6月11日までの募集金額68,687円から17,5000円を引いたおよその金額ということで、今回は50,000円を募集金額としました。
実施スケジュール
3月31日 プロジェクト開始
4~5月 バトンオブジェ制作・動画公開・メッセージ収集・懇談と記者会見のセッティング
6月21日 懇談と記者会見(ただし新型コロナウイルスの感染状況によっては延期の可能性あり)
6月下旬〜7月上旬 リターン発送
<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
リターン
懇談及び記者会見の内容を詳しく報告します。Twitterでもある程度は報告しますが、文字数の制限からどうしても内容が限られてしまいます。支援者の方には、裏話的なことも含めてノーカットでお伝えしたいと思います。7月上旬までに、CAMPFIREのサイトのメッセージ送信機能を利用し、支援者の皆様全員にリターンを発送します。
最後に
支援金額によっては、3人ではなく2人、2人ではなく1人で行くことになってしまうかもしれません。もちろん、私自身は金額にかかわらず必ず行きます。ただ、1人より2人、2人より3人の方が説得力が増すことは言うまでもありません。当プロジェクトのねらいをより効果的に達成するためにも、設定金額にできるだけ近い金額のご支援をいただきますようよろしくお願い申し上げます。
なお、新型コロナウイルスの感染状況により、懇談と記者会見の時期を延期せざるを得ないことも考えられます。その点についてはあらかじめご了承ください。
チーム/団体/自己紹介・活動実績など
滋賀県日野町教委が教員の勤務時間を改ざんするよう指示していた問題に関して、関係者の処分を求める署名を教育長に手渡すとともに、処分内容を全国の都道府県・市区町村教育委員会に郵送及びFAXで通知する活動を行いました。いずれのプロジェクトについても、こちらのクラウドファンディングを通して多くの方々からご支援をいただき、成功させることができました。
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