はじめまして。

神戸こども総合専門学院で学院長を務める、

田中英雄と申します。 

私は1978年に神戸市に「ちびくろ保育園」を設立し、

2008年に縁あって神戸こども総合専門学院をグループに迎え入れることになりました。

もちろん、私の経営者としての力不足は自覚しています。

ただ、教育者としてやっていることが間違っているとは、思っていません。

そう確信できるほど、本学の取り組みに対する賛同の声は多いのです。

グループの母体である保育園にも、なんと親子3代で通ってくださる家族もいます。

本学に人生を救われた、「死にたい気持ち」がなくなった……

そんな学生たちの言葉が届くたび、自分のやっている学院経営は間違っていないと自信を深めます。

神戸市というと、皆さまどんなイメージを持たれるでしょうか。

繁華街や中華街などがあるおしゃれな港町、と思われることも多いです。

そんな神戸市にある本学ですが、場所は六甲山のふもと

神戸の中心地の華やかな喧騒からは遠く離れた、緑豊かな立地です。都市部にある堅牢なビル造りの、大きな会社が経営する専門学校にも見学に行ったけど、息が詰まるような気持ちになった……

そういう繊細な心を持った人たちが、本学の学生には多いです。

自然豊かな環境を生かした教育カリキュラムの一つに、「楽農保育」があります。

学生たちに畑を耕し、作物を育ててもらうのです。

「作物を育てることと保育士教育になんの関係があるの?」と思われたかもしれません。

しかし、それが大ありなのです。

本学には、教育カリキュラム以外にもちょっと変わった特徴があります。

不登校DV被害など人生における苦難を経験し、トラウマを抱えた学生が多いのです。

 

 

これが、本学であり私の考え。そうした理念に従って学生を集め、保育士として教育しています。

実際、一般に離職率が高い保育の世界ですが、本学の卒業生は力強く自立して長く勤め続けている人がとても多いです。

このような学生は、本学には珍しくありません。

心の病と診断されるような深刻な状態が、学院生活を通して改善したケースは数多いのです。

学院側と学生の「対話」を重視し、受け答えしながら人間教育していく方針により、在学中の2年間で皆、心が元気になっていきます。

生きづらさに苦しむ人が本学で人生を取り戻し、保育士として子どもたちの新たな人生を育む手助けをする。

このようなサイクルが、本学の文化として息づいているのです。

実際、私や学院幹部が年間50〜60校、学生集めの一環として不登校者のいる学校や通信制の高校に訪問していますが、

「神戸こども総合専門学院は苦しむ生徒を救ってくれる」という歓迎の声は年々大きくなっていることを実感します。

さて、ここからは私自身の話をさせてください。

1978年に保育園を設立してから45年の間、保育の世界に身を置く私ですが、キャリアの当初は保育とはまったく縁のない世界にいました。

私は兵庫県内の工業高校の電気科に通っていました。

新卒の就職は、とある大手企業のエンジニア職です。

新卒入社の会社には2年間ほど勤めていました。

小さい頃からモノづくりは大好きでしたし、それは今も変わりませんが、会社勤めの暮らしはどうも肌に合いませんでした。

今になって振り返ると、機械を相手に人のぬくもりを感じない仕事をしたり、大きな組織のなかで歯車のように扱われたりする環境が向いていなかったのだと思います。

そして私は、会社を辞めました。

失意のなかで、家族の縁があって訪れたのが、キリスト教の教会でした。

詳細はここでは語りませんが、私は教会で救いを得たのです。

生きるための活力を取り戻し、今の妻と出会い、子どもをもうけました。

子どもができたことで、私の社会に対する見え方はガラリと変わりました。

素人からの保育業界参入、もちろん波瀾万丈な起業でした。

ときには私自身が工事現場で働きながらどうにか創業期を乗り切り、事業として軌道に乗せるまでには数年を要しました。

そして時は経ち、神戸こども総合専門学院の設立に至ったのは、保育園の創立から30年ほど経ったころのことです。

イエス団というキリスト教系の組織が運営していた前身の学院が経営難に陥り、私のグループに譲り受けたのです。

子どもをケアするという直接の保育だけでなく、現場で働く保育士の育成にも携われる。

私としては願ってもない事業展開でした。この強い思いに駆られ、私は協力者を求めて全国を飛び回りました。

たとえば、非常勤講師の山田利行先生。

山田先生自然と触れ合う子ども教育を早くから提唱されており、本学の理念と本学を取り巻く自然環境に賛同し、講師になってくださいました。

ちなみに、何かと話題の泉房穂・前明石市長の後任として市長になられた丸谷聡子さんは、ご自身が小学生の時代から山田先生の「自然と遊ぶ」教育を受けた、いわば教え子です。

そんな丸谷さんが子育て先進都市として名高い明石市の市長になられるのですから、やはり子どもの健全な発育と豊かな自然の関係性を感じずにはいられません。

ほかに、長谷川香織先生。国連関係のお仕事もされ、世界25カ国で演奏活動経験があるような世界的ピアニストです。

本学ではわずかな報酬しかお支払いできないのにも関わらず、理念に共感してくださり、音楽の先生を務めていただいています。

学生にとってはまたとない環境です。

このような素晴らしい実績をもつ先生方は、他にもたくさんいらっしゃいます。

どなたもほとんど手弁当のようなささやかな報酬で、本学の教育に携わってくださっていることは感謝にたえません。

本学の教育理念は、手前味噌ながら多くの方から賛同を頂いています。

しかし、時代の流れは難しく……高等教育への就学支援制度などの影響で大学へ進学するハードルが下がり、保育士になるために専門学校という選択肢を選ぶ学生は、だんだんと減っています

昔でしたら保育士になる=専門学校という進路がメインでしたが、親御さんを含め大学に進学しようという志向がどんどん強くなっているのです。

そんな影響もあって経営難に陥った本学ですが、多くの方々からの共感でつながれている本学の教育の灯火を、私は絶やしたくないのです。

最後に、本学の教育においてとても重要な考え方である「器を育てる」についてお話ししましょう。

「あの人は器が大きい」などと言いますね。人間とは、それぞれ固有の「器」と呼ぶべき人間性を持って生まれてくるものだと思うのです。

そして、「器は育てられる」というのが、私の信念です。

ただ大きくしよう、というのではありません。

底が深くなったり、高さが高くなったり、色彩が豊かになったり、器の成長だって色々です。

保育の世界で子どもや保護者さんと触れ合うことを通じ、自分なりの器を育て、高めていってほしい。

これが本学の学生に対する私の思いです。

器を育てる第一歩は、自分の器がどんなかたちなのか客観的に知ること。現状を理解することです。

そのため、本学では自然と楽しむことと同じくらい、歌ったり、ものを造ったり(陶芸もやります)、国語の授業で言葉の力を磨いたりといった自己表現のトレーニングにも力を入れています。

積み木などの自ら考えて遊ぶおもちゃを取り入れた教育も、個性を伸ばす大事な練習です。

なんらかの手段で自分を表現できて初めて、器を知ることができる。

その後から、どう器を育てていくかを生涯かけて考えるのです。

さらに、私自身がキリスト教を土台にした教えを語ることを通じて「魂」を考える、ソウルタイムも重要なカリキュラムです。

こうした独特な教育は、難しい心の症状や問題を抱えた学生を、自らの足で立てるように導くことに大いに役に立っています。

ときにはトラウマを抱えた教職員が「救われた」と語る声も耳にするほどです。

最後まで記事を読んでいただき、誠にありがとうございます。

もし、このページの記事を読んで本学の取り組みに少しでも共感してくれたのなら、私たちの魂の努力を続けるための支援をしていただければ幸いの至りです。

本学の教育は今まで、本当に数えきれないような人数の皆様に支えられてきました。

学院にとっては、ここが踏ん張りどころなのです。

協力を頂けた方には、ささやかですが下記のようなお返しをご用意しています。

・HPお名前掲載
・お礼のメール
・活動報告
・感謝状 

なお、今回のクラウドファンディングは寄附型クラウドファンディングとして実施いたします。 
このプロジェクトの寄付は寄付金控除の対象になります。


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