アート作品・写真展・写真集出版のクラウドファンディング成功事例5選|制作費を集める成功ノウハウ

アート作品・写真展・写真集出版のクラウドファンディング成功事例5選|制作費を集める成功ノウハウ

アート作品の制作費や写真展の開催費用をクラウドファンディングで集めた成功事例5件をまとめました。写真集の出版、美術展、共同アトリエ、撮影の遠征まで、資金の使い道の書き方、額装作品や入場券のリターン設計、会期と権利の確認事項を解説します。

入場料や作品の販売による収入が入るより前に、制作や展示の費用を支払う必要があります。プリント、額装、会場のレンタル、作品の輸送、図録の印刷。クラウドファンディングは、この順番を入れ替えられる手段のひとつです。アート・写真の成功事例5件をもとに、資金の使い道の書き方や作品を活かしたリターンの設計、会期と権利について先に決めておきたいことをご紹介します。


この記事でわかること

アート・写真に携わる方へ向けて、CAMPFIREで実施された成功事例5件をご紹介します。作品をリターンにするときの設計や、会期と権利について先に決めておきたいことも解説しているので、企画を立てるときの参考にしてみましょう。


  • アート・写真のクラウドファンディング成功事例5件と企画のコツ
  • 制作費・展示費・輸送費などの「資金の使い道」を、どこまで詳細に書くとよいか
  • 額装作品・入場券・オーダー制作など、アートならではのリターンの設計方法
  • 会期・会場・入場の条件を、募集ページでどう伝えるか
  • 目標金額を超えたときの使い道の書き方
  • 著作権・肖像権・作品の受け渡しで確認すること*1

*1 本記事の事例はあくまで過去の活用事例であり、資金調達の成果や展示・出版の実現を保証するものではありません。プロジェクトの実施にあたっては、会場や会期の条件、作品の権利の扱い、リターンを届ける時期と方法を必ずご確認ください。また、本記事における知見や各種解説、語句の定義・分類は、当社独自の調査・研究および見解に基づくものです。公的機関の基準や学術的な統一見解、一般的な標準定義とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。


作品や展示の企画を、形にしたい方へ

CAMPFIREには、アートを含むエンタメ分野を専任で担当するスタッフがいます。会期の決め方や、作品をリターンにするときの価格設定、プロジェクトページの見せ方をご相談いただけます。

・掲載は無料。All-or-Nothing方式で未達なら掲載・決済手数料はかかりません
・制作費・展示費の内訳から、目標金額の決め方を一緒に整理できます
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アート・写真でクラウドファンディングが使われる4つの場面

アート・写真でクラウドファンディングが使われる場面は4つあります。作品を見せる場をつくるとき、作品を本の形で残すとき、作品を作る場所を用意するとき、そして撮りに行くときです。


個展・写真展・美術展を開きたい

会場のレンタル料、作品のプリントと額装、搬入と設営、図録の印刷。入場料の有無にかかわらず、展示は費用が先に必要になります。今回ご紹介する成功事例でも、5件のうち3件が展示の開催を目的に支援を募っています。会期が決まっている展示は、費用が必要になる時期から逆算して計画を立てましょう。


写真集・作品集として残したい

撮りためた作品を本にするには、編集、デザイン、印刷、製本の費用がかかります。部数を決めた時点で金額が固まるため、先に見通しを立てられます。今回ご紹介する成功事例には、写真集の出版と写真展の開催をひとつのクラウドファンディングにまとめたものもあります。本と展示を組み合わせると、写真集をリターンにしながら展示の費用も集められます。


作品を作る場所を持ちたい

アトリエ、工房、ギャラリー。作る場所と見せる場所には、作品そのものとは別に、家賃や内装といった継続的な費用がかかります。今回ご紹介する成功事例には、作家4人が倉庫を借りて共同のアトリエを立ち上げたものがあります。作品そのものだけでなく、作品を生み出す場所の費用も支援を募る対象にできます。


撮りに行く・作りに行く費用を用意したい

行かなければ撮れないものがあります。渡航費、滞在費、機材の輸送。作品がまだ無い段階で費用だけが先に必要になるケースで、今回ご紹介する成功事例では、水中写真家が北極圏での撮影のために支援を募っています。作品が完成する前でも、撮影の計画や想いを伝えることで支援を募ることができます。


なぜアート・写真でクラウドファンディングが選ばれるのか?

アート・写真でクラウドファンディングが選ばれる理由は、支払いの順番にあります。プリントも額装も会場の予約も先払いで、入場料や作品の売上が入るのはそのあとです。この順番を入れ替えられることが、他の手段との違いになります。


今回ご紹介する成功事例5件が「資金の使い道」として挙げている項目を比較すると、資金を充てる先は事例ごとに異なります。ご自身の企画で何に費用がかかるかを洗い出す参考にしてみましょう。

事例資金の使い道として挙げられている項目金額の示し方
写真集の出版と写真展写真集の制作費/写真展の展示制作費・輸送費・設営費/リターンの制作・発送費/運営に必要な諸経費費目ごとに明記(約125万・約70万・約20万)
撮影の遠征と展示作品の販売北極滞在と水中撮影費/航空券(荷物超過やプロペラ機を含む)/リターン制作費/手数料費目ごとに明記(約180万・約50万・約100万)
写真展の開催と次の会場ギャラリーのレンタル費/展示物の制作・輸送・設営費/リターンの制作・発送費/手数料費目ごとに明記(約20万・約20万)
作家4人の共同アトリエ長期的な家賃補助/施設整備費(内装・冷暖房・材料保管の冷蔵庫・貸し出し備品・セキュリティ・補修維持)/リターンの梱包と配送費/手数料家賃の下げ幅を明記
芸術祭のサテライトの美術展材料(布・石・藍染)/音響設備と機材/チケット・チラシ・図録の印刷代/会期中の人件費と案内係の交通費/搬入搬出のトラックのフェリー代/会場の光熱費費目を具体的に列挙
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5件のうち3件は、費目ごとの金額まで明記されています。CAMPFIREのプロジェクトページには、支援金を何に使うかを費目で示せる「支援金の使い道」の欄もありますが、今回ご紹介する成功事例5件はいずれも、本文で内訳をご自身の言葉で説明しています。費目を選ぶだけでなく、何にいくら使うのかを本文で補足すると、支援者は自分の支援がどう活かされるのかを具体的にイメージできます。手数料の内訳はクラウドファンディングの手数料の記事にまとめているので、目標金額を決めるときの参考にしてみましょう。


アート・写真のクラウドファンディング成功事例5件

CAMPFIREで実施され、目標金額を達成したアート・写真のクラウドファンディング事例を5件ご紹介します。展示、写真集、アトリエ、遠征と、資金を充てる先はさまざまです。ご自身の企画に近い事例から読んでみましょう。


写真集の出版と写真展|【世界遺産・春日山原始林いのちの森を未来へ!】佐藤和斗写真集&写真展プロジェクト

【世界遺産・春日山原始林いのちの森を未来へ!】佐藤和斗写真集&写真展プロジェクト(CAMPFIRE)

目標金額1,000,000円に対し、支援総額1,823,000円(達成率182%)、支援者数153人で終了しました。

プロジェクトオーナー自然写真家 佐藤和斗
カテゴリアート・写真
目標金額1,000,000円
支援総額1,823,000円
達成率182%
支援者数153人
実施期間2025/07/06〜2025/08/31(57日間)
募集方式All-in方式
リターン3,000円から500,000円まで15種類。うち9種類に限定数
活動報告20件
プロジェクトページ【世界遺産・春日山原始林いのちの森を未来へ!】佐藤和斗写真集&写真展プロジェクト
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奈良の春日山原始林で5年撮り続けた写真を写真集にまとめ、東京と大阪で写真展を開くためのクラウドファンディングです。資金の使い道は、写真集の制作費が約125万円、写真展の展示制作費・輸送費・設営費などが約70万円、リターンの制作・発送費が約20万円と、費目ごとの金額まで明記されています。何にいくら必要なのかが分かるため、支援者も安心して応援できます。

リターンには、額装した作品が200×200mm、300×300mm、400×400mmの3サイズで用意されています。価格は33,000円、55,000円、85,000円で、いずれも写真集とのセットです。同じ作品をサイズ違いで用意すると、支援者が予算に合わせて選べます。

さらに高額帯には、3時間と6時間の撮影レッスンや、撮影地をめぐる半日と1日のツアーといった体験型のリターンが、130,000円から500,000円まで用意されています。最も多く選ばれたのは6,000円のサイン入り写真集で、77人が支援しています。作品や写真集に加えて、写真家と一緒に過ごす体験もリターンにできる点は参考になります。


撮影の遠征と展示作品の販売|北極の氷河の下に潜る!水中写真家がまだ見たことない世界をあなたにお届け!

北極の氷河の下に潜る!水中写真家がまだ見たことない世界をあなたにお届け!(CAMPFIRE)

目標金額3,000,000円に対し、支援総額6,331,000円(達成率211%)、支援者数314人で終了しました。

プロジェクトオーナー茂野優太
カテゴリアート・写真
目標金額3,000,000円
支援総額6,331,000円
達成率211%
支援者数314人
実施期間2024/07/11〜2024/09/25(77日間)
募集方式All-in方式
リターン2,000円から220,000円まで13種類。うち4種類が完売
活動報告16件
プロジェクトページ北極の氷河の下に潜る!水中写真家がまだ見たことない世界をあなたにお届け!
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北極圏で氷河の下に潜り、水中写真を撮影する遠征のためのクラウドファンディングです。資金の使い道は、滞在と撮影費が約180万円、航空券が約50万円、リターン制作費が約100万円です。そのうえで、目標の3,000,000円に自己資金1,000,000円を加えることも説明されています。クラウドファンディングで集める額と自己資金で賄う額を分けて示すと、支援者は計画の全体像をつかみやすくなります。

リターンは、すでに開催した写真展の展示作品をもとに作られています。40点の展示作品から15作品を選んだポストカードが2,000円、220,000円のリターンは展示した作品そのもので、B1以上のサイズの1点ものです。購入の前に一度会場へ足を運んでほしいというメッセージも添えられています。展示と作品の販売をつなげ、実物を見てから選んでもらえるようにしている点も参考になります。

体験型と法人向けのリターンは4種類とも完売しています。フォトセミナーが38,500円と40,000円、流氷ダイビングの参加券が90,000円、企業向けのスポンサーリターンが80,000円です。最も多く選ばれたのは15,000円のA4プリントで、83人が支援しています。個人向けの作品だけでなく、企業向けのリターンも用意できないか検討してみましょう。


作家4人の共同アトリエ|作家が活動できる共同アトリエを作りたい!

作家が活動できる共同アトリエを作りたい!(CAMPFIRE)

目標金額2,000,000円に対し、支援総額4,137,500円(達成率207%)、支援者数104人で終了しました。

プロジェクトオーナーArt Studio Pomino
カテゴリアート・写真
目標金額2,000,000円
支援総額4,137,500円
達成率207%
支援者数104人
実施期間2021/10/28〜2021/12/25(59日間)
募集方式All-in方式
リターン1,000円から600,000円まで24種類。うち7種類が完売
活動報告8件
プロジェクトページ作家が活動できる共同アトリエを作りたい!
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岐阜の作家4人が倉庫を借りて、共同のアトリエを立ち上げるためのクラウドファンディングです。資金の使い道の1つ目は家賃の補助で、1区画あたり平均で月32,000円かかる家賃を毎月3,000円下げる内容です。家賃を交渉し直す4〜5年後まで続けたいという見通しも説明されています。残りは内装や冷暖房などの整備費に充てられます。場所づくりのように費用が続く企画では、毎月いくらを、いつまで支えたいのかを示すと、支援の意味が伝わりやすくなります。

リターンは24種類あり、作家ごとに分けて用意されています。ほとんどのリターン名が作家の名前から始まるため、支援者は誰の作品かを見て選べます。複数の作家が参加するクラウドファンディングで参考になる見せ方です。

高額帯はオーダー制作で、F15号が250,000円、F30号が400,000円、F50号が600,000円です。3種類とも募集期間中に完売しました。完成したアトリエで開く2時間の絵画教室も5,000円で用意され、追加した分もまた完売しています。完成した場所で体験できるリターンを用意すると、支援者はクラウドファンディングが終わったあとも関わり続けられます。


芸術祭のサテライトの美術展|瀬戸内国際芸術祭サテライト|音と共に在る美術展「イメージの庭」制作プロジェクト

瀬戸内国際芸術祭サテライト|音と共に在る美術展「イメージの庭」制作プロジェクト(CAMPFIRE)

目標金額1,000,000円に対し、支援総額1,076,887円(達成率108%)、支援者数160人で終了しました。

プロジェクトオーナーhiromiiuchi
カテゴリアート・写真
目標金額1,000,000円
支援総額1,076,887円
達成率108%
支援者数160人
実施期間2025/01/10〜2025/03/14(64日間)
募集方式All-in方式
リターン1,000円から500,000円まで30種類
活動報告24件
プロジェクトページ瀬戸内国際芸術祭サテライト|音と共に在る美術展「イメージの庭」制作プロジェクト
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香川県の女木島にある一軒の家屋を会場に、音とともに体験する美術展を開くためのクラウドファンディングです。会期は春・夏・秋の3回に分かれ、それぞれの日付が募集ページに明記されています。資金の使い道には、チケット・チラシ・図録の印刷代や会期中の人件費のほか、搬入と搬出でトラックがフェリーに4回乗る費用まで挙げられています。島での開催ならではの費用まで具体的に示されているので、支援者は支援金の使われ方をイメージしやすくなります。

最も手頃なリターンのひとつが入場券で、1枚1,000円、ポストカード付きは1,500円です。最も多く選ばれたのは1,500円の刺繍キットで、63人が支援しています。会期中に展示する絨毯の制作に参加できるリターンで、支援者は展示を見る前から作品づくりに関われます。

高額帯は、会期が終わったあとの作品です。来場者が寝転がった絨毯を切り分けたものが18,000円と36,000円、木枠に張ったものが200,000円と400,000円、1枚まるごとが500,000円です。遠方で来場できない方のために、活動報告を受け取れるリターンも3種類用意されています。会場に来られる方にも来られない方にも関わり方が用意されている点が参考になります。


写真展の開催と次の会場|【弓道と災害】被災地の弓道場を写す写真展で災害の風化を防ぎたい

【弓道と災害】被災地の弓道場を写す写真展で災害の風化を防ぎたい(CAMPFIRE)

目標金額1,000,000円に対し、支援総額1,075,000円(達成率108%)、支援者数139人で終了しました。

プロジェクトオーナー弓道写真家 奥野浩次
カテゴリアート・写真
目標金額1,000,000円
支援総額1,075,000円
達成率108%
支援者数139人
実施期間2025/08/01〜2025/09/30(61日間)
募集方式All-in方式
リターン500円から100,000円まで13種類
活動報告11件
プロジェクトページ【弓道と災害】被災地の弓道場を写す写真展で災害の風化を防ぎたい
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被災地の弓道場を撮影した写真で、東京のギャラリーで写真展を開くためのクラウドファンディングです。資金の使い道は、ギャラリーのレンタル費が約20万円、展示物の制作・輸送・設営費が約20万円です。そのうえで、目標金額を1,000,000円に設定した理由も説明されています。東京のほかにもう一箇所で開催できればほぼぴったりになる計算で、目標金額が何回分の開催に当たるかが分かるように示されています。金額の根拠を開催回数で示すと、支援者は目標金額に納得しやすくなります。

目標金額を超えた場合の使い道も、あらかじめ説明されています。被災地やほかの地域での写真展の開催、リターンの品質向上、今後の作品制作費の3つです。支援が集まるほど開催できる会場が増えることが伝わるため、支援者も応援しがいを感じられます。

リターンには、お礼のメッセージやお名前の掲載に加えて、和紙にプリントした作品が用意されています。A4が10,000円、A3が30,000円で、通常はそれぞれ20,000円と30,000円で販売しているものだと説明されています。募集開始から2週間が経ったところで、A3を20,000円にした個数限定のリターンも追加されました。3,000円のリターンは展示会場のパネルへのお名前の掲載で、「展示期間中・文字のみ」という条件まで明記されています。最も多く選ばれたのは10,000円のA4作品で、39人が支援しています。通常の販売価格を添えておくと、支援者はリターンの価値を判断しやすくなります。


事例5件の横断比較表

今回ご紹介する成功事例5件を比較すると、目標金額も期間もリターンの数もさまざまです。ご自身の企画がどの事例に近いか、この表で見比べてみましょう。

事例目標金額支援総額達成率支援者数期間リターン活動報告
写真集の出版と写真展1,000,000円1,823,000円182%153人57日間3,000円から500,000円まで15種類20件
撮影の遠征と展示作品の販売3,000,000円6,331,000円211%314人77日間2,000円から220,000円まで13種類16件
作家4人の共同アトリエ2,000,000円4,137,500円207%104人59日間1,000円から600,000円まで24種類8件
芸術祭のサテライトの美術展1,000,000円1,076,887円108%160人64日間1,000円から500,000円まで30種類24件
写真展の開催と次の会場1,000,000円1,075,000円108%139人61日間500円から100,000円まで13種類11件
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目標金額は1,000,000円から3,000,000円、期間は57日間から77日間、リターンは13種類から30種類です。5件はすべてAll-in方式で実施されています。All-in方式は目標金額に届かなくても実行できるため、会期を動かせない展示と相性のよい方式です。一方で、目標に届かなかった場合も企画を実施し、リターンをお届けする必要があります。ご自身の企画に合った方式を選びましょう。


目標金額はどのように決めればよいか?

アート・写真の目標金額は、会場を何回押さえるか、自己資金でどこまで賄うかから決めると、支援者に説明しやすくなります。今回ご紹介する成功事例でも、金額の根拠と超えたときの使い道が説明されています。


目標金額が「何回分の開催」に当たるかを示す

写真展の事例では、目標金額を1,000,000円に設定した理由が説明されています。東京のほかにもう一箇所で開催できれば、ほぼぴったりになる計算です。この金額で何を実現できるのかを一言で示せると、支援者は自分の支援の行き先をイメージしやすくなります。


目標を超えたときの使い道も、あらかじめ書いておく

同じ事例では、目標金額を超えた分の使い道も3つ挙げられています。被災地やほかの地域での写真展の開催、リターンの品質向上(和紙の等級を上げる、枚数を増やす)、今後の作品制作費です。遠征の事例でも、超過分を夏の北極圏でのクルーズに充てると説明されています。集まった分だけ何が実現できるのかを書いておくと、目標を達成したあとも、支援者は応援する意味を感じやすくなります。


自己資金で賄う額も、分けて示す

遠征の事例では、目標の3,000,000円に自己資金1,000,000円を加えて、長めの滞在をする予定だと説明されています。クラウドファンディングで集める額と、自己資金で賄う額を分けて示すことで、企画全体の資金計画が伝わり、企画にかける思いも伝わりやすくなります。自己資金を投じる場合は、その金額もあわせて示してみましょう。


リターンの中心は「作品そのもの」になる

アート・写真のリターンは、ほかのカテゴリとは形が異なります。作れば増えるグッズではなく、1点しかない作品や、サイズで価格が変わるプリントが中心になるため、作品の点数やサイズからリターンを考えましょう。


同じ作品を、サイズ違いで用意する

写真集と写真展の事例では、額装した作品が3つのサイズで用意されています。作品は同じで、大きさだけが異なります。

サイズ価格リターンの条件
小(200×200mm)+写真集33,000円30名限定
中(300×300mm)+写真集55,000円30名限定
大(400×400mm)+写真集85,000円30名限定
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どのリターンにも、額装・裏打ち・パネル加工のどれで提供するか、12作品のどれを選べるかが説明されています。最も多く選ばれたのは、最小サイズの33,000円でした。サイズ違いのリターンは価格の幅を広げる工夫ですが、高額なものから選ばれるとは限りません。手に取りやすい価格帯のサイズを中心に、制作できる点数を見積もっておくと安心です。


1点ものには、限定数が付く

量産できない作品は、そのまま限定数になります。今回ご紹介する成功事例5件で限定数のあるリターンと完売したリターンを見ると、どのようなリターンが支援者に選ばれているかがわかります。

事例リターンの種類価格の幅限定数のあるリターン
芸術祭のサテライトの美術展30種類1,000〜500,000円10種類
作家4人の共同アトリエ24種類1,000〜600,000円15種類(うち完売7種類)
写真集の出版と写真展15種類3,000〜500,000円9種類
撮影の遠征と展示作品の販売13種類2,000〜220,000円6種類(うち完売4種類)
写真展の開催と次の会場13種類500〜100,000円1種類
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完売が多かったのは、体験とオーダー制作を用意した2件です。リターンの種類を増やすことよりも、支援者が欲しいと思える中身を考えることが大切です。


展示に使った作品を、会期のあとにお届けする

美術展の事例では、来場者が寝転がるために敷いた絨毯を、会期が終わったあとに切り分けてお届けするリターンが用意されていました。15×15cmで18,000円、30×30cmで36,000円、1枚まるごとで500,000円です。展示そのものが、あとからリターンになるアイデアです。展示後の作品の行き先まで考えておくと、リターンの選択肢が広がります。


制作の過程に参加できるリターン

同じ美術展で最も多く選ばれたのは1,500円の刺繍キットで、63人が支援しています。会期中に展示する絨毯の制作に参加できるリターンです。共同アトリエの事例でも、完成したアトリエで開く絵画教室を5,000円で用意し、追加分まで完売しました。高額帯ではオーダー制作のF15号250,000円・F30号400,000円・F50号600,000円が3種類とも完売しています。写真家の事例では、撮影レッスンやダイビング参加券が高額帯に用意されています。完成した作品をお届けするだけでなく、制作や体験に参加してもらうリターンも検討してみましょう。


リターンの組み立て方そのものは魅力的なリターンを組むための4つのポイントに、アート・書籍向けの文例はエンターテイメント・アート・書籍編のテンプレートにまとめているので、リターンを考えるときの参考にしてみましょう。


自分の企画に近い事例を知りたい方へ

ご自身の企画に近い事例を参考にしたい場合は、CAMPFIREのAIに相談してみましょう。数問のやりとりで、これまでのクラウドファンディングから参考になる事例をピックアップし、企画書にして無料でお送りします。

・掲載は無料。All-or-Nothing方式で未達なら掲載・決済手数料はかかりません
・企画書とプロジェクトページ案が無料で届きます
・数分で入力できる内容です




会期・会場・入場の条件は、募集ページで先に伝える

展示は日付が先に決まり、会場を押さえた時点で会期は動かせなくなります。そのため、会期や会場の条件は募集の時点で伝えておきましょう。今回ご紹介する成功事例の記載内容は、次の表のとおりです。


事例募集期間募集ページで説明されている展示の条件
芸術祭のサテライトの美術展2025/01/10〜03/14春・夏・秋の3会期の日付と会場。入場券をリターンにし、休館日のワークショップは日付を指定
写真展の開催と次の会場2025/08/01〜09/30ギャラリーのレンタル費を使い道に明記。名前の掲載は「展示期間中・文字のみ」
写真集の出版と写真展2025/07/06〜08/31写真集の制作、写真展の準備、東京と大阪の開催まで月単位のスケジュール
撮影の遠征と展示作品の販売2024/07/11〜09/25すでに開いた写真展の展示作品を販売。購入前に会場で実物を見てほしいと明記
作家4人の共同アトリエ2021/10/28〜12/25展示の会期はなし。体験型のリターンに日時・人数・実施の期限・持ち物を明記
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会期が決まっている事例も、展示の会期が無い事例もあります。共通しているのは、支援者が「いつ・どこで・何が起きるのか」を読み取れるように書かれていることです。募集ページを作るときは、この3点が伝わるかを確かめてみましょう。


CAMPFIREでアート・写真のクラウドファンディングを実施するメリット

アートや写真の企画をCAMPFIREで進めるメリットは3つあります。エンタメ専任のスタッフに相談できること、手数料の負担を調整できること、募集の期間を展示の告知に活かせることです。


エンタメ専任のスタッフに相談できる

CAMPFIREにはエンタメ分野の専任スタッフがいて、アートも対象に入っています。エンタメ専用の相談窓口では、企画の段階から、過去の実績をもとにご自身のケースに合った提案を受けられます。会期が決まっている企画は募集期間を逆算する必要があるため、早めに相談しておくと安心です。


手数料の負担を調整できる

CAMPFIRE for Entertainmentでは、支援者に「ご協力費」をお支払いいただくことで、プロジェクトオーナーが負担する手数料を調整できます。ご協力費はプロジェクトオーナーが一定の範囲で設定でき、設定によっては最大で支援金の全額を受け取ることも可能です。制作費や会場費により多くの支援金を充てたい場合は、利用できるかを相談窓口で確認してみましょう。なお、企画の内容によってはご希望に添えない場合があります。


クラウドファンディングの募集の期間が、告知になる

CAMPFIREのサイトからプロジェクトオーナーが活動報告を投稿すると、支援者にメールで通知が届きます。展示の前に、来場を予定している方へ準備の様子を伝えられ、会場に来られない方にも同じ報告が届きます。美術展の事例では、遠方で来場できない方のために、活動報告を受け取れるリターンが3種類用意されていました。会場に来られない方とのつながりも、リターンと活動報告でつくれます。

CAMPFIREでは、CAMPFIRE公式のSNSやメールマガジンでクラウドファンディングを告知する有料のプランもご用意しています。展示の会期に向けてより多くの方に知ってもらいたい場合は、エンタメ専任スタッフにご相談いただけます。


掲載にかかる費用は手数料の案内に、未達のときの扱いはAll-or-Nothingの案内に、掲載できない内容はCAMPFIREの掲載基準にまとめています。申請の前に一度確認しておきましょう。


著作権・肖像権・作品の受け渡しで確認すること

アートと写真は、作品そのものが動きます。渡す、飾る、写す、複製する。誰に何を確認するかを先に整理しておくと、リターンの設計も進めやすくなります。確認しておきたい項目と公式の窓口をご紹介するので、募集を始める前に確かめておきましょう。


作品を渡すことと、著作権を渡すことは別

作品の現物を届けても、その作品の著作権が支援者に移るわけではありません。CAMPFIREで実施されたアート・写真のクラウドファンディングには、リターンとしてお届けする絵画や画像の著作権が制作した本人に帰属することを、募集ページに明記しているものがあります。映像作品の著作権は譲渡しないと、リターンの説明に添えているものもあります。どちらの扱いにするかを、募集を始める前に決めて書いておきましょう。


人が写った作品を使うとき

写真の場合、写っている人の扱いが作品ごとに変わります。CAMPFIREで実施されたクラウドファンディングには、支援者が好きな作品を選べるリターンに、写真によっては肖像権や著作権の関係で選べないものがあると添えているものがあります。CAMPFIREでは、第三者の顔が写った画像を本人の許可なく掲載することを、権利の侵害にあたるものとしてご案内しています。撮影の時点で、写っている方の同意を得ておきましょう(審査基準)。


会場と作品のあいだで決めること

借りた会場では、壁に何を打てるか、いつ搬入できるか、原状回復をどこまで求められるかが契約で決まります。会期の日付を募集ページに書く前に確かめておきましょう。支援者のお名前を会場や図録に載せるリターンも、掲載期間と形式(文字のみなど)を先に書いておきましょう。CAMPFIREで実施されたクラウドファンディングには、第三者を特定する名称や権利を侵害する名称は控えていただくようお願いしているものがあります。お名前を載せるリターンでは、こうした条件も添えておくと安心です。


作品を届けるとき

額装した作品や大きなプリントは、届け方そのものが条件になります。今回ご紹介する成功事例では、額装・裏打ち・パネル加工のどれで提供するかがリターンの説明に明記されています。作品が折れないよう厚紙や段ボールで梱包することも説明されています。送料を価格に含めるかどうか、破損したときにどうするかも先に決めておきましょう。


ここに挙げたのは確認する項目です。個別の手続きや条件は作品と企画の形によって変わるため、文化庁の著作権に関するお問い合わせ先から、ご自身のケースに合う窓口を確認しましょう。契約書の作成には、著作権契約書作成支援システムも活用できます。


アート・写真のクラウドファンディングを始める前に決める5つのこと

権利の確認とは別に、募集の設計そのもので先に決めることがあります。公開後に変えられない項目があるため、申請の前に固めておくと進めやすくなります。


STEP1 会場と会期を押さえてから、募集期間を決める

展示は日付が動かせません。搬入の前に資金が確定している必要があるため、募集の終了日を会期から逆算します。今回ご紹介する成功事例5件の募集期間は、57日間から77日間です。会期から逆算して、余裕をもった募集期間を設定しましょう。


STEP2 目標金額を、動かせない費用から積み上げる

会場費、プリント代、額装、輸送。集まらないと前に進めない部分から決めると説明しやすくなります。今回ご紹介する成功事例5件の目標金額は、1,000,000円から3,000,000円です。考え方は目標金額の設定でおさえたい3つの視点にまとめているので、金額を決めるときの参考にしてみましょう。


STEP3 お届けできる作品の点数から、リターンの種類を決める

1点ものは限定数になり、同じ作品でもサイズを変えれば別のリターンとして用意できます。何点作れるか、何サイズ用意できるかを先に数えてから、価格を設定しましょう。作品を選べる形にする場合は、選べる範囲と希望の伝え方まで書いておきましょう。


STEP4 届け方と送料を、リターンごとに決める

額装するのか、パネル加工にするのか、シートのまま送るのか。送料を価格に含めるか、別にするか。CAMPFIREでは、リターンの履行時期が募集終了日に近すぎる場合も相当先すぎる場合も、修正をご依頼することがあります。制作と搬出の工程から逆算して、お届けの時期を設定しましょう。


STEP5 公開後に変えられない項目を確認する

CAMPFIREでは、タイトル・目標金額・募集期間・募集方式・カテゴリと、リターンの削除・編集を公開後に変更できません(公開後の変更について)。リターンの追加は、再申請のうえでお受けしています。CAMPFIREの募集期間は1日から79日、All-or-Nothing方式なら1日から59日です。今回ご紹介する成功事例5件の募集期間は57日間から77日間でした。60日以上の募集期間を設定したい場合は、All-in方式を選ぶ必要があります。


公開前の告知は事前告知期の広め方、進め方の全体像はクラウドファンディングのやり方完全ガイドで解説しているので、準備の参考にしてみましょう。会期が終わったあとも、来てくれた人と活動を続けていきたい場合は、月額制のCAMPFIREコミュニティという形もあります。会期が終わったあとの関係づくりも、あわせて考えてみましょう。


よくある質問

Q. アート・写真のクラウドファンディング成功事例と、CAMPFIREで実施する際に確認すべきポイントを教えてください。

アート・写真では、個展・写真展の開催、写真集の出版、アトリエづくり、撮影の遠征などでクラウドファンディングが活用されています。CAMPFIREで実施する際は、会場と会期が決まっているか、作品をリターンにする場合のサイズ・点数・届け方を書けるか、人が写った作品の確認を済ませたかの3点を確認しましょう。今回ご紹介する成功事例5件の達成率は108%から211%です。


Q. 個展や写真展は、どのくらいの目標金額で募集されていますか?

目標金額は、会場費・展示物の制作費・輸送費など、展示に欠かせない費用から積み上げて決めると、支援者に説明しやすくなります。今回ご紹介する成功事例のうち、展示を目的とした3件は、いずれも目標金額が1,000,000円でした。展示以外では、撮影の遠征が3,000,000円、共同アトリエが2,000,000円です。


Q. 作品そのものをリターンにしてよいですか?

はい、作品そのものをリターンにできます。今回ご紹介する成功事例でも、額装したプリント、木版画、オーダー制作、展示に使った作品を切り分けたものなどがリターンになっています。サイズ、点数、届け方までリターンの説明に書いておきましょう。


Q. 作品をリターンにすると、著作権はどうなりますか?

作品をお届けすることと、その作品の著作権をどうするかは別の話です。CAMPFIREで実施されたクラウドファンディングには、著作権が制作した本人に帰属することを募集ページに明記しているものもあります。扱いに迷う場合は、文化庁の窓口で確認しましょう。


Q. 人が写った写真をリターンやページに使うとき、何を確認すればよいですか?

写っている方の許可を得ているかを確認しましょう。CAMPFIREでは、第三者の顔が写った画像を本人の許可なく掲載することを、権利の侵害にあたるものとしてご案内しています。撮影の時点で同意を得て、記録に残しておくと安心です。プリントを選べるリターンに、肖像権や著作権の関係で選べない写真があると添えているクラウドファンディングもあります。


Q. 展示の会期が募集の終了より後になります。何を書いておけばよいですか?

会期・会場・入場の条件を、募集の時点で書いておきましょう。今回ご紹介する成功事例には、3つの会期の日付を明記したもの、入場券そのものをリターンにしたもの、お名前を掲載するリターンに「掲載は展示期間中・文字のみ」と条件を添えたものがあります。会場が未定の場合は、決まり次第どのようにお知らせするかまで書いておきましょう。


Q. 額装した作品や大きなプリントは、どうやって届けるのですか?

提供の形と梱包の方法を、リターンの説明に書いておきましょう。今回ご紹介する成功事例では、額装・裏打ち・パネル加工のどれで提供するかが明記され、作品が折れないよう厚紙や段ボールで梱包することも説明されています。送料を価格に含めるかどうかも先に決めておきましょう。


Q. 目標金額を超えたら、何に使うと書けばよいですか?

集まった分で何が実現できるのかが分かるように書きましょう。今回ご紹介する成功事例では、写真展をほかの地域でも開くこと、リターンの紙の等級を上げて枚数を増やすこと、遠征の滞在を延ばすことなどが挙げられています。支援者にとっても、目標を達成したあとに応援する意味が分かりやすくなります。


Q. 作品を作る場所そのものを、クラウドファンディングで用意できますか?

はい、アトリエなど作品を作る場所の費用も、クラウドファンディングで集められます。今回ご紹介する成功事例には、作家4人が倉庫を借りて共同アトリエを立ち上げたものがあります。家賃を毎月いくら下げたいか、いつまで続けたいかまで資金の使い道で説明し、リターンは作家ごとに分けて用意されていました。




アート・写真の進め方に迷ったときは


会場と会期が決まったら、下書きは無料で作れます。作りながら決めたい方も、先に進め方を知りたい方も、ここから始められます。

アートを含むエンタメの担当スタッフに、企画の立て方やページの見せ方をご相談いただけます。はじめての方向けの無料セミナーもあります。

会場や制作の計画が決まっている方

まず進め方を知りたい方