2019/07/08 17:19

 4年ほど前に、慢性疲労症候群を発症し、休職期間を得て、復職しましたNANAと申します。(線維筋痛症、化学物質過敏症を併発しています。)

 働きたいのに働けない多くの同じ病気の方々がいる中で、幸い復職できましたが、病気そのものの治療法が確立されていないので、なかなか症状が安定せず、自分自身の体調管理も手探りの毎日です。

休職した時、文字通り途方に暮れていました。

 それは、具体的に何カ月の休職が必要なのか、どの様な回復の過程を通るのか、本当に職場復帰できるのか全て不明だったからです。これから自分の人生はどうなるのだろうと、病院の待合室で暗く沈んでいたのを昨日のことのように思い出します。

私自身、慢性疲労症候群を知りませんでした。

 診断さえされず、医療からも福祉からも見放されている人がいる。そんなことが、日本で、世界で起こっていること、全く知りませんでした。イギリスの慢性疲労症候群のドキュメンタリー映画、闇からの声なき声の女性の言葉「自分の体のことなのに誰も信じてくれず、まるで自分に否があるかのような言われよう。」診断前に、この言葉を聞いた時、涙が流れました。当時の私の気持ちそのままだったからです。

 休職に入り、少し回復したころ、CFS支援ネットワークのホームページで団体発足時の宣言の動画を見ました。会長の石川さんの「適切な治療を受け、社会復帰をすることを望んでいます」。当たり前のことのように聞こえるこの言葉に私はとても共感しました。

 慢性疲労症候群の主な症状は病的な疲労です。脱力して足に力が入らず、立てなかった。激しい倦怠感で座っていることが出来なかった。


私が真に望むもの

 それは、休息ではありませんでした。決して休んでいたいわけではなかった。私の本当の願い、それは仕事をして賃金を得る、元の生活に戻ることでした。

復職できた後も、啓発活動に積極的に参加しようとは思いませんでした。

 理由は、病気と闘いながら自分の生活を維持するだけで精一杯で、そんな余力はないと思ったからです。

きっかけは、患者交流会でした。

 私のように仕事をしている患者は少数であり、後ろめたい気持ちもありました。しかし、私より苦しい状況にいる方々が、私が働いていることを知ると、「自分も無理をして働いて悪化したから、無理しないで。」と気遣って下さり、励まして下さり、こんな方々に支えられているのであれば、私にも啓発活動が出来るかもしれない。とても自信を持っては言えないけれども、出来るかもしれないと思いました。

 今まで、啓発活動を続けて下さった皆さんに感謝すると共に、こうした地道な活動が徐々に実を結び、慢性疲労症候群の患者が少しでも生活しやすい社会になることを願います。


※写真は発症前に言った屋久島です。縄文杉を見るため、1日で約20キロ歩きました。
もう、さすがに屋久島までは行けないけど、自分がやりたいと思った気持ちは大事にしたいです\☆/