今日は、僕がなんで「おいしいを増やす」ことが好きなのか、お話しさせてください。
ぼくは昔から、どんな食べ物でも好き嫌いなく食べます。
刺身に盛られているタンポポも、旅先で出会う未知の料理も、身の回りにいる野草や虫も。いつもおいしく食べていました。
ただ、家族をはじめ僕の周りには好き嫌いがはっきりしてる人が比較的多かったためか、焼肉屋さんでホルモンをおいしく食べているだけでも「変わってるなぁ」という周りの反応があり、それに違和感を感じることがよくありました。
「この世界にはおいしいものがもっといっぱいあるのに…!」
「おいしい選択肢が増えれば食事の時間が楽しくなるし、毎日の食事が楽しければ人生はより豊かになっていくんじゃないかな。」
そんなことをいつも思っていました。
そしていつからか、周りの人たちに「実はおいしい食べもの」の魅力を知ってもらう企画をしたり、廃棄食材で料理を作ったりするようになりました。
その中で、友達が「え!おいしい!」と言って価値観が広がっていくのを見ていると、心の底から喜びを感じられたんです。
自分が「最高だ!」と思う魅力を共有して、誰かのおいしい選択肢が増えると、すごく幸せな気持ちになるなぁと。
僕は「おいしいを増やす」ことが大好きなんだと感じていました。
その後も、
農園に暮らしながら、おいしい食材を育てる修行をしたり、
大好きなお店で、おいしい料理をつくる修行もしたりして、
次第に「おいしい」への思い入れが深まっていきました。
そして、昆虫食のANTCICADAを立ち上げることに。
虫たちの力を借りておいしいを増やす体験をつくっていく中で、お客さんたちの価値観を拡げている実感に、ものすごく面白みを感じたんです。
虫を食べるという体験をすると、次の日から、いつもは素通りしていた身の回りの生き物たちがおいしい食材に見えてくるかもしれない。そんな風に、未発掘のおいしさに感動することで、普段見てる世界が少し拡がっていくかもしれないなと。
そしてそれは食に限らず、日常、そして人生のあらゆる岐路で、視点を拡げるきっかけになれるのかなと思っています。
おいしいを増やすってなんだかすごく面白い。
ぼくは、おいしいを増やすことが大好きなんです。
ガーナでは、まだまだ食の選択肢が少ない。だからぼくは、ここでおいしいを増やしていきたいです。
ゆくゆくはこの広大なアフリカ中においしいを増やしていくことができたら、この上なく幸せです。