2020/04/07 18:12

【寄稿】四方僧伽「仏陀バンク」

西暦2003年に小生が有志達と共に立ち上げた「四方僧伽」という組織がある。

グローバル化が進む世界に於いて、国家的枠組みでは強大国と弱小国という二極構造、政治経済的枠組みでは資本主義自由陣営と似非社会主義陣営という二極構造、或いはEUのようなブロック経済圏とその圏外という二極構造、更に今は米中の世界覇権争いという二極対立の構造等、これ等は全て国家を基数単位とした政治経済的理由による二極化の構造と言って過言無いだろう。

こうした世界の二極化構造は所謂NGO(非政府組織/民間団体)に於いても同様と言えるだろう。何故なら非政府とは言え、それぞれの団体の資金の出所や拠所はその団体が属する国家に左右されざるを得ないから。組織存続の為に各国家/政府からのODAや補助金を導入しており、それは国家/政府の意思を体現せざるを得ないという意味で純粋な非政府/民間では無い。仮に完全に民間による運営を行なっている団体があったとしても、世界は日本の団体は日本と見做す現状を超えることは出来ないと言って良いように思われる。



以上を総じるならば、世界は強者と弱者に(複雑に)分離され、結局のところ強者の側のみがものを言う、強者の側に否が応でも従属せざるを得ないのが今のグローバル世界の実態と言って良いかと思える。

では、果たしてこの世界の構造の外に有って、世界を倫理的且つ普遍的な方法でバランシング(勢力の均衡)する何者かは存在するのだろうか。

我々は政教分離の原則に則った宗教にその可能性があるとの判断から先ずは我々が属し我々に馴染み深い、アジアの仏教という地平に立って「四方僧伽」という超国家的な組織を世界の勢力均衡を図り人類の倫理的正統性と恒久的な平和状態(勢力均衡)立ち上げるに至った次第なのである。



四方僧伽は運動体であり活動体である。それは単に倫理道徳を説くに留まることなく、世界の弱者達を守り、立ち直させる社会貢献体であり続けるだろう。

そのひとつに無利子の小規模融資による貧困層の救済/自立を扶ける「ブッダ・バンク」(仏陀の銀行)があり、すでにバングラデシュで一定の成果を上げている。

今現在、世界は中国・武漢発の新型コロナウイルスの脅威に晒され、多くの尊い人命が死の危険に直面する中、コロナウイルス後の世界は、閉ざされるか、開かれるかの瀬戸際にあると言えるように思われる。「四方僧伽」と「ブッダ・バンク」の試みはその試金石となることを期待する次第である。

ついてはこの度、小生の後続の仲間達が書籍を出版する運びとなった。宜しければ有縁の皆様にも購入して頂き、活動内容へのご理解とご批評、ご指導ご鞭撻を頂ければ幸甚この上ないことである。

井本勝幸 再拝

P.S
最後にこの場をお借りして、四方僧伽の皆さん、そして、伊勢さん、ご出版おめでとうございます。

クラウドファンディングにも挑戦中とのこと。書籍購入だけでなく、有縁の皆様からこちらも応援して頂ければ有難いですね。