2020/07/19 19:00

 日本で難民として暮らすKさんより、クラウドファンディングの応援メッセージを頂きました。Kさんは昨年、新卒で就活を行い無事内定を勝ち取ったお方です。LIPもKさんの就活のお手伝いをさせていただきました。

 非常に熱意にあふれる方で、私たちにとっても彼女の行動から多くのことを学びました。

 彼女が日本に来てからの生い立ちなども含め、メッセージに綴って頂いております。このクラウドファンディングを機に、多くの方にこの難民問題の現状を深く理解して頂けることを彼女も私たちも願っております。


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 私が亡命申請者として初めて日本に来たとき、最初に直面した困難は言葉の壁でした。亡命申請中、私は日本政府から経済的な支援も生活支援も受けていませんでした。難民認定されるまでは、家族や在日のコミュニティからかろうじて十分な支援を受けることができました。教会の牧師さんの勧めで、学費を安くして日本語学校に通うことができました。それでも、学費と生活費のために、銀座のレストランで週5日、皿洗いの仕事をしました。

 現在は、東京の大学で修士号を取得した後、NPO法人Living in Peaceを通じて日本の企業で正社員として働いています。日本での難民生活の道のりを振り返ってみると、家族や友人、そして自分の状況を理解して受け入れてくれ、全力でサポートしてくれる日本人に支えられていなかったら、自分はどうなっていただろうと思います。きっと私は、自分の状況を改善する機会も、自分の生産性を最大限に発揮して社会に貢献する機会も少ない立場にいるのではないかと思います。

 難民や庇護者を支援しているNGOやNPOが、週に1回、3ヶ月間を1コースとして日本語の授業を行っているところもありましたが、実際には、週に1時間の日本語を勉強するだけでは、難民や庇護者を支援することはできませんでした。正直なところ、週に1時間勉強しただけでは、日本語はもちろん、読む・書く・聞く・話すの基礎レベルを身につけるには十分ではありませんし、効果もありません。 しかし、日本での生活をより良いものにするために日本語を勉強するには、この授業が唯一のチャンスなのです。

 COVID-19パンデミックの緊急事態宣言により、唯一のチャンスを失った難民や亡命者のニュースを聞くと、日本でより良い生活を送るための夢からさらに遠ざかっていることが気の毒に思えてなりません。誰もが苦労している時には、人によってはもっと悪い状況で生きている人もいるという事実を忘れてしまいがちです。2030年の持続可能な開発目標から「誰も置き去りにしない」という誓いを誰かが聞いてくれることを心の中で祈り続けます。

 今、NPO法人Living in Peace が難民とその家族のためのオンライン日本語学習支援の準備を進めている今、より良い社会を作るための希望と人間性の一筋の光が見えてきたように思います。また、個人的には、自分のストーリーを共有することで、このプロジェクトに自分のできる範囲内で支援ができることに喜びを感じました。小さなことの積み重ねで大きなことが起こるので、この機会を逃さず、日本の難民のためのより良い社会を作るための成功の歴史の一部になってくれることを信じています。

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 私たちの活動に共感して頂ける方はぜひともご支援のほど、何卒宜しくお願い致します。