「日本語ができないから仕事が見つからない」「スーパーや病院で会話ができない」「住んでいる地域にとけ込めない、つながりがない」そんな困りごとがあるにも関わらず、在留ステータスによって日本語学校にさえ通うことができない難民の方々に日本語を学ぶ機会を提供するための受講資金300万円を募るプロジェクトです。

プロジェクト本文

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祖国からやっとの思いで日本に逃れてきた方々。
難民認定を受けると、日本での権利と義務のもとに暮らしていくことが認められます。

しかし、その過程で彼らにとって大きな壁になるのが「日本語の習得」です。
私たちは、日本語ができないことで困難に直面している難民の方々を目の当たりにしてきました。

日本語ができないから仕事が見つからない

多くの日本企業では、外国人の求職者に高い日本語能力を求めます。大学教授や政府職員などの高度専門人材として祖国で働いていた方でも、日本においては仕事が見つからず困窮している実態があります。

スーパー、病院、市役所などで生活に必要な日本語が話せない

日本語への不安から、体調が悪くても病院に行くことをためらう方。
日本人社会でつながりが築けず、孤独感の中で生活する方。
そんな難民の方々が日本に存在しています。

この状況を自力で打開しようにも、彼らが日本語を学ぶ環境は極めて限定的です。着の身着のままで逃れてきた方も多く、日本語学校の受講料を支払う余力がないことほとんどです。また、政府の委託期間が提供する日本語教育事業は認定基準が高く、提供期間も十分ではありません。NGOなどが日本語教育の機会を提供していますが、資金も人手も不足しており、需要に応えきれていません。

また、こうした事業を通じて提供される日本語学習は、録音された授業を聞くようなプログラムが多く、私たちが支援する難民の方からは、わからない部分を質問できず、理解が進まないとの声もありました。




日本国における難民受け入れ

2016年リオデジャネイロオリンピックで「難民選手団」が登場し、様々な出自の方が集まってチームを結成していたことを覚えていらっしゃる方もいるかもしれません。

難民とは、「政治的な迫害のほか、武力紛争や人権侵害などを逃れるために国境を越えて他国に庇護を求めた人々のこと」を指します。本当はずっと暮らしていたかった生まれ故郷を自分の意志に反して、離れなければならなかった方々であり、想像を絶するような経験をし、命からがら逃げてきた方々です。

日本国の難民受け入れは、1981年に難民条約に加盟し、インドシナ難民を受け入れたことから始まります。その後、条約難民やミャンマーからの難民などを受け入れてきました。2016年11月からは国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR)を通してシリア難民を留学生として日本国内の大学に受け入れています。

日本で暮らしていると「難民=どこか遠い国での出来事」のように感じるかもしれません。
しかし、実際には多くの難民の方々が日本で暮らしています。


図1は、平成30年の日本における難民認定者数です。合計すると1万5千人近くです。これは日本国内の小さな町や村と同じ水準です。

図2は平成30年の日本における難民認定率を表しています。日本では難民認定を受けるのが非常に難しいため、申請してから認定されるまでにかかる期間も長期にわたります。

難民申請期間中は短期滞在ビザ等で日本国内に居住することが多いため、日本に居住する難民の方々は、実際の難民認定者数よりもずっと多くなります。

【図1】平成53年~平成30年の難民認定者総数
出所:法務省「平成30年における難民認定者数等について」添付資料「我が国における難民庇護の状況等」を基に作成

*1定住難民:インドシナ難民及び第三国定住難民(※定住難民として受け入れられた後、条約難民として認定されたものもいるため、合計数は一部重複)
*2その他の庇護:難民認定不認定とされた者のうち、在留特別許可を受けた者など人道上の配慮を理由に在留が認められた者の数
*3条約難民:難民条約に定義された難民の要件に該当すると判断された難民


【図2】平成30年単年の難民申請者に占める難民認定者数
出所:法務省「平成30年における難民認定者数等について」を基に作成
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri03_00139.html



(難民学生の交流時に撮影)

私たち認定NPO法人Living in Peace(以下、LIP)は「すべての人にチャンスを」をビジョンとして活動しています。日本に暮らす難民の方々も例外ではなく、日本で自立して生活するための機会を提供したいと考えています。「自立した生活」には、「働いていること」が重要だと考えました。自力で生計をたてることはもちろんのこと、就労を通じて社会とのつながりを広げていくことができるからです。しかしながら、日本で働くためには多くの場合日本語の高いスキルが要求されます。そこで、LIPでは"LIP-Learning"と名付けたオンラインの日本語学習支援を提供するに至りました。

2020年1月~2020年7月までの半年間をLIP-Learningトライアル期間と位置づけ、シリア難民およびその家族、UNHCR難民高等教育プログラムの学生の計5名にオンライン日本語学習プログラムを提供しました。プログラム提供から3ヶ月を経過したころに生徒の皆さんと面談の機会を設けました。すると、各個人が着実に日本語力を向上させており、学習プログラムの満足度は非常に高かったことがわかりました。そのため、今後は本格的により多くの方にLIP-Learningを提供していくことを決めました。


(LIP事務所での難民学生の交流時に撮影)




2020年12月~2021年11月までの間に20名の難民が本プログラムを受講し、彼らが日本語学習を受講する前に立てた目標を達成するサポートをします。

具体的には、就労に必要な日本語能力検定試験の合格、日常会話レベルの会話能力の獲得、小学生程度の漢字の書き取り能力の獲得など、ひとりひとりの目標にあわせて、達成への進捗度合いを見ながら、面談を通じてレベルアップに必要なプログラムをアレンジします。


そうすることで、次のような効果が期待できます。

①  難民の職業選択の幅が広がる

これまで日本語が障壁となって就けなかった仕事に就くことができます。さらに、高い専門性をもって祖国で働いていた方も、そのスキルを日本で活かしていただくことができます。

②  日本人との相互理解の促進

LIP-Learningで既に支援をしている方の中に幼い子どもを持つ母親がいますが、日本語を話せないため、日本人の輪の中に入りづらい、と話してくれました。日本語ができるようになることで、日本人との相互理解が促進されますし、彼らが情報弱者になってしまう防ぐことができます。

このように、難民が日本語能力を向上させることは、難民自身にとってだけではなく、日本人・日本社会にとっても良い影響をもたらします。

2021年11月までの目標である20名にオンライン日本語学習の機会を提供するためには、約900万円近くの資金が必要です。本クラウドファンディング以外のチャネルでも資金調達は進めていきますので、今回のクラウドファンディングでは、約7名分の費用である300万円を、私たちの想いに共感してくださった皆様から、ご支援いただきたいと考えています。

私たちLIPは専従職員を持たず、メンバー全員が本業を持ちながら平日夜や週末を使って活動しています。このため人件費が発生せず、ご支援いただいた寄付金は全てLIP-Learningの実費に使用します。

寄付金額にあわせたリターンをご用意しています。

■3,000円
・御礼のメールのご送付
・寄付領収書のご送付

■10,000円、30,000円
・御礼のメールのご送付
・寄付領収書のご送付
・LIP-Learning 進捗報告会へご招待
 ※日程:2020年11月予定
 ※場所:オンラインにて開催

■50,000円以上
・御礼のメールのご送付
・寄付領収書のご送付
・LIP-Learning 進捗報告会へご招待
 ※日程:2020年11月予定
 ※場所:オンラインにて開催
・LIP 難民プロジェクトメンバーとの交流会へご招待
 ※日程:2021年1月予定
 ※場所:オンラインもしくはLiving in Peace 東京オフィス(COVID-19の状況次第になります)
 ※備考:交通費は自己負担となります


【寄附金の控除につきまして】

「Living in Peace」は国税庁より認定を受けた認定NPO法人のため、寄付金控除等の税の優遇措置(減税)を受けることができます。

《個人の場合》
■所得税の寄付金控除
個人が各年において支出した認定NPO法人に対する寄付金で、その寄付総額が2,000円を超える場合には、確定申告の際に所得税の寄付金控除として「税額控除」または「所得控除」のいずれかが選択適用できます。
※年間寄付額や所得税率などによって有利な選択が異なります。詳しくは税務署等にご確認ください。

■住民税の寄付金控除
寄付者がお住まいの都道府県または市区町村が条例で指定した認定NPO法人等に寄付した場合に適用されます。※お住まいの都道府県または市区町村にご確認ください。

《法人の場合》
一般のNPO法人等に寄付した場合の「一般損金算入限度額」とは別枠の「特別損金算入限度額」が適用されます。なお、寄付総額が「特別損金算入限度額」を超える場合には、その超える部分の金額を「一般損金算入限度額」に算入することができます。

※備考
・寄附金受領日は、CampfireからLiving in Peaceへの入金日となります。
・寄附金受領後、Living in Peaceより「寄附金受領書」をデータ発行いたします。

「共に生きる」

今、私たちが日々の生活の中で隣り合う人。
そこには、自然災害や紛争、迫害によってここに逃れざるを得なかった人たちがいます。

生まれ育った故郷を離れて、日本にやってきた難民の人々。
言葉もわからず、文化も習慣も違う。
祖国にはもう帰ることができない。帰ってしまったら命がないかもしれない。


小さな子どもの手を握って、難民のお母さんが小学校に行く。
先生の言っていることがわからない。
子どもの宿題を一緒に見ることすらできない。
英語ではなかなか仕事が見つけられないから、家族を生活を守るために必死に日本語を学ぶお父さん。
祖国では国営銀行のエリートだったけど、日本ではキツい建設の日雇い労働、安賃金の工場での仕事にしかつけない。

そんな彼らは、ここ日本に望んでやってきたのでしょうか。

もし日本が大きな地震や津波などの自然災害に襲われ、経済が破綻し日本から脱出しなければならない状況になったとしたら、私たちは難民になるでしょう。

相手の身に起きることが自分の身に起きないとはもはや言えない世界になっていることは、ここ数ヶ月のCOVID-19の感染拡大からも言えるのではないでしょうか。


どんな境遇であれ、たまたま同じ場所に居合わせた人間同士で、共に生きていく。
そこには人種も国籍も肌の色も関係なく、各々がひとりの人間として向き合い、支え合う社会の構図。

そのためには、お互いが理解し合える言葉で対話をするということが必要不可欠だと考えています。

難民の方々に日本語を学ぶ機会を、どうぞ温かいご支援のほどよろしくお願い申し上げます。


認定NPO法人Living in Peace 代表理事
龔 軼群


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