2021/02/20 17:01

2021年2月7日(日)に開催されたクラウドディングキャンペーン「日本でいちばんソーシャルグッドがうまれる学校」オンラインイベントのイベントレポートをお送りします!

今回は、第一部の在校生によるセッションの内容をお届けします。
レポートは、参加した在校生が作成してくれました。

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vol.001 周囲の環境の大切さ〜ISSだからこそつくれる環境〜①

グループ①のメンバーは現在高校3年生のリョウマくん、ユキカさん、アスミさんです。3人は同じ授業「国際協力と社会貢献」(以下国際A)を取っていたのですが、その授業以外で様々な活動や経験をしているメンバーなのでそれぞれお話していただこうと思います。

1. 社会貢献について〜SA活動〜

-3人はどのようなことに取り組んでいましたか?

リョウマくん:僕は学校の研究課題でeスポーツについて研究していました。世界と日本を比べたとき、日本では選手とスポンサーや大会の運営側がいい関係を築けていないと気づき、僕は様々な立場にある人たちがwin win になれるような関係どうやって構築できるかを研究していました。

僕はゲームをするプレイヤーよりもゲームを主催している側に関わることによって、選手自身の収入も増え、視聴者も楽しめ、スポンサーもどんどんお金を循環していくにはどうすれば良いかを考えてやっていました。

-研究をする上で一番大変だったことはなんですか?

リョウマくん:ゲームで研究をしている人がいなかったのでうまくいくか不安でした。でも先生たちがゲームとかeスポーツに対して肯定的にサポートしてくれたので、僕としてはすごく心強かったし、好きなことで研究するってすごくいいことだよねというコメントを頂いたりして、自信にもなりました。ISSじゃないと、なかなかそういう言葉は出てこないんじゃないか、応援してもらえないのかなと思ったりするんです。

-先生たちの専門分野ではないところでも、研究内容だけでなく、課題に対するアプローチの仕方など様々な面で先生がたがサポートしてくれるのですね。

-参加している残りの2人は留学という共通点があります。まずはアスミさんに留学の経験を聞きたいと思います。

アスミさん:わたしは高校1年の夏から高校年2の夏までアメリカに約1年間留学していました。留学に行くきっかけに社会貢献とかそういうものは自分の中で考えてもなかったのですが、実際に行ってみて、すごく印象に残っているのが、アメリカは社会貢献がすごく身近に感じられる場所だなって。やっぱり日本だと社会貢献はすごいものだと思われているし、すごくとっつきにくいっていうか、周りにやっている人がいなくて、えらい人だけがやっているイメージがあると思うんですけど、アメリカではボランティア活動があたりまえで、日常的にそういう話題を話す環境がそこにはあって、それが私にとってすごく衝撃的なことでした。

-本校は留学が盛んで、学年の1割ほどが高校1年生の時に留学をします。その中でいろんなことを感じているのかなと思います。

-留学に行った経験を生かして、国際Aの授業で何かできたことはありますか?

アスミさん:国際Aの授業は生徒が中心となって、社会貢献ってなんだろうとか、SAについて考え、ディスカッションすることが主な授業スタイルになっています。そこで私は留学に行って学んだことを発信できました。ISSには帰国子女、日本にずっと住んでいる人、留学にいく人もいて、色々なアイデンティティを持った人がたくさん集まる中で、その人たちが自由にどんどん意見を言っていくので、自分の価値観や考え方もすごく柔軟になりました。自分が発言したことに対してや自分自身を受け入れてくれる環境があるので、海外での良かった経験、苦い経験も躊躇わず共有することができました。

-国際A の授業の中で一番印象に残っていることや、面白かったことはありますか?

アスミさん:NPO団体の評価基準を生徒たちだけで作る時に、たくさんのNPOや団体の方からお話を聞く機会がありました。そこで自分とは違った考え方を持ち、活動している人の新鮮な意見を聞き、それをふまえて私たちはNPOを評価する上でどういう観点を大切にしたいかをたくさん議論しました。「高校生だからこそできること」を思考の中核に置き、特に大事にしていました。そもそも私たちが基準を作ってNPOを評価するってことがあまりないことなので、そこにもすごく新鮮味を感じました。

より良い社会を作るために高校生の私たちにもできることがあるとか、そういう未来の話をして、自分の未来って明るいなって思えたし、その未来に私は少しでも貢献できるんだなっていうのが授業で実感できました。

-授業の中で自分たちができることや、じゃあ自分は何をしようっていうことを生徒同士で考えていけるのが国際Aの授業の魅力だと思いました

-ユキカさんは留学にいく前にも学校のボランティア部に入り、留学を通して社会貢献に対する考えは変わりましたか?

ユキカさん:私はもともと社会貢献に対して少しとっつきにくいイメージを持っていたのですが、ボランティア部に所属している時、社会貢献は楽しさが原動力であり、かつ大切なものだと気がつきました。アメリカではその「楽しさ」がみんなの原動力になっていて、良いサイクルが生まれているなっているのをまず感じました。例えば私の友達は植物が好きだったので植物園でボランティアをしていたり、他の友達は野生の狼を救う活動をしていて、自分が本当に心から楽しめるものを社会貢献としてやっているのがすごくいいなって。この考え方が日本でもっと普及すれば良いなと思いました。

ユキカさん:社会をちょっとよくする行動も社会貢献になる。リョウマの、eスポーツを通してお金のより良い循環やサイクル作っていくっていうことも社会貢献につながってて、私はいわゆる”社会貢献”っていう堅いイメージから、もっと自分の好きなこととか、ほんのちょっとの行動でも社会貢献になるっていう見方を持ちました。

-活動している中で、高校生という縛りとか、”高校生だから”みたいな見られ方ももちろんしたと思いますが、自分が高校生であることに対してなんか思うことってありましたか?

ユキカさん:もちろん”高校生”という見られ方はすると思います。でも、私がこれまで参加したボランティアは周りの大人の方々がいい意味で「参加していて偉いね」ってポジティブに受けとってくれました。私の社会貢献活動のスタートはそうだったからこそ、ボランティアってこんなに楽しいんだと感じられました。それも、ISSが初心者にも優しいたくさんのボランティアの機会をつくってくれているおかげで、こんなにもボランティアに気軽に参加できることを教えてくれる環境があってとても良かった。高学年になって初めて気づいたのですが、そういう環境づくりもボランティア部の生徒がやっていて、私は留学後、学校で募集するボランティアを収集する役割をしていました。

-本校では学校としてボランティアに参加することが当たり前というか、そういう環境が整っていて、ボランティアを普段から生徒が参加できるような機会がたくさんあります。自分が興味を持ったり、友達と一緒に行こうよっという感覚でボランティアに参加することができます。

-授業の中で留学の体験を話した時に、みんなからはどんな反応でしたか?印象に残っている反応とかこれはシェアして良かったなみたいな話はありますか?

アスミさん:ISSには海外経験のある子が多いので、彼女彼らと「それな」って共感したり、州による違いなど新しい発見をしました。いろんな反応がありましたが、全体的に肯定的で、受け止めてくれる子もいるし、私はこうだっとよって違う考えを教えてくれる子もいて、自分な言ったことからどんどん話が広がっていくことがとても楽しかったです。

-留学を通してどのような社会問題に興味を持つようになりましたか?

アスミさん:宗教関係に興味を持ちました。一緒に暮らしていたホストファミリーがキリスト教で教会に行ってたんですね、なので教会にくる幼稚園児にキイスト教を教えるボランティアをしていました。帰国後もイスラム教徒や他の宗教にも興味をもちました。

ユキカさん:私はアメリカに留学して、移民・難民の友達ができたことをきっかけに、移民・難民問題に興味を持ちました。国際Aの授業ではWelgeeという日本に来る難民の方をサポートしているNPO団体の方と関わる機会があって、授業外で私はWelgeeが主催しているイベントに自分で応募して参加しました。実際に日本に今滞在している海外の方、アフリカ、コンゴ、エチオピア出身の方とオンラインで話すことができたことはすごく良かったし自分の興味分野、気になっていたことが授業を通して深められたなと思っています。

-実際に授業の中で一緒になった団体と自分の興味を深めていくことができたのは良いですね。

-「際協力を社会貢献」の授業では、毎回様々なテーマを設けてゲストの方に来ていただいたり、先生からの話題提供があります。その後は生徒主体でディスカッションをします。


2. 18歳意識調査について

-”自分の国の将来を自分が変えられると思うか”という18歳への質問では、日本がダントツ低い結果になっています。その結果を見た時に、まず率直にどんなことを思いましたか?

リョウマくん:やばいなって思いました。みんなそう言ってましたね。ちょっと低すぎる、どうしたこれは、みたいになっていました。

-結果には驚いたと思います。授業でその結果について議論した時に印象に残っていることはありますか?

リョウマくん:僕は課外活動などをしてきたので、なんでみんなは活動できないのかわからないぞみたいな尖った意見を最初持っていました。でも、それって僕自身が結構環境に恵まれてたっていう部分があるということに議論していて気がつきました。夢とかそういう何かを持って行動しようとしている時に応援、サポートしてくれる人がその人の周りの環境にどれだけいるかっていうのを話している子がいて、それがもうその通りだなと。

そういう環境を少しでも作れるようなことができたら良いなっていうのをその時に思いましたね。

-18歳意識調査の結果を見た時に、自分たちとのギャップも感じたんじゃないかなと思います。

アスミさん:私はどちらかというと”自分は国に貢献できるのかな?それってできなくない?”という立場でした。でもディスカッションを通して、リョウマが言ったように、ISSのような社会貢献とかを身近に感じられる環境が広まっていけば、このデータもよくっていくんじゃないかと考えました。そういうことを考える機会は他の高校には少ないのかなって思って。様々な社会問題に対して自分が思っていることをシェアできる環境がすごく大切だなと思いました。

日本財団 第20回18歳意識調査「テーマ:社会や国に対する意識調査」調査報告書【日本】
上記調査をもとにした国際A「国際協力と社会貢献」の受講メンバーによる授業のレポート
『日本財団ジャーナル』
【「18歳」シャカイ創りのヒント】「自分の国の将来が良くなる」と思う日本の若者は1割未満。希望の持てる社会づくりに必要な支えとは(特集第1回)
【「18歳」シャカイ創りのヒント】「高校生」が日本の「若者」について考えた。必要なのは「失敗しても大丈夫」と言える支え(特集第2回)

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3人は、ISSでの環境をとても肯定的に捉えてくれています。
しかし、それも活かせればこそ。自分自身が能動的に動いていったからこそ、周囲の大人も、同級生も、後輩も応援や関心を持ってくれたんですよね。
ISSでの6年間はもうすぐ終わってしまいますが、みんななら必ず次のステージでも、周囲の人とコミュニケーションをとって、様々なことにチャレンジしていくんだろうな、と確信しています!

今回のレポートは、イベント第1部でグループに別れた際のAグループの内容です。
次回は、Bグループの内容についてお伝えします!

ISSでの"学び"がどんなものだったのか、生徒自身の言葉で実感してみてください!


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