2021/02/18 13:45
IBの学習者像

東京学芸大学附属国際中等教育学校(以下TGUISS)は国際バカロレア(International Baccalaureate、以下IB)認定校です。

IBは、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良いより平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています(IB機構『IBの教育とは』)。IBが掲げる理念を行動として具体的に表したのものにIBの学習者像があります。

「探究する人」「知識のある人」「考える人」「コミュニケーションができる人」「信念をもつ人」「心を開く人」「思いやりのある人」「挑戦する人」「バランスのとれた人」「振り返りができる人」これら10の学習者像は、地域社会や国、そしてグローバルなコミュニティの責任ある一員となることに資すると述べられています。

Service as Action

ここで、これらIBの学習者像を発達させる“Service as Action(行動としての奉仕活動)”に注目してみましょう。学校の枠をこえた「実社会」で「行動主体」となることを通して、さまざまな成果が期待されます。例えば、自らの長所や成長すべき点を自覚し、新しいスキルを発達させる課題に挑戦し、粘り強く行動を続け、他者と協働し、国際的な視野を発達させ、自らの行動の倫理的意味合いを考えたりすることです(IB機構『MYP:原則から実践へ』)。

それらの姿を、社会貢献活動に取り組むTGUISS生にみることができます。 

平成 26 年 11 月、文部科学大臣が中央教育審議会に対して出した「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)」においても、新しい時代に必要となる資質・能力の育成に関して、学ぶことと社会とのつながりをより意識した教育を行うことや、実社会や実生活の中で知識や技能を活用しながら、「自ら課題を発見し、その解決に向けて主体的・協働的に探究し、学びの成果等を表現し、更に実践に生かしていけるようにすることが重要であるという視点」が示されました。その視点からも、社会貢献活動は価値ある教育活動の一つと言えるでしょう。

そして、新しい時代に求められる資質・能力を、学校内だけでなく、学校と社会が連携・協働しながら育むことが求められています。「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という目標を、学校と社会が共有していくことが望まれています(文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説総則編』)。 

「人と協働できる若者」

IBでは「人のための奉仕」から「人と協働で行う奉仕」へと進化することを目指します。多様な人々とともに考え、行動し、振り返る社会貢献活動は、子どもたちにどのような学びをもたらすでしょうか。その学びを得た子どもたちが未来を担う若者に成長することを考えると、大きな喜びと可能性を感じることができます。私自身も、さまざまな人々とともに子どもたちをあたたかく育てていく社会の一員でありたいと切に願い、これからも応援してまいりたいと思います。

藤野智子

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藤野智子先生は、ISSに外国語科教員として、そして副校長として長年勤められました。

ISS在籍時には、生徒ともに社会貢献活動へ参加したり、NPOからゲストスピーカーをむかえたりと、生徒と外の世界を積極的に繋いでいた先生です。

今回、藤野先生は、応援メッセージの中でISSの社会貢献活動を促進する取り組みを、文科省が求める資質能力の育成、およびIBの理念の中で位置づけてくださいました。

ぜひご一読ください。


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