2017/11/09 08:07

今週月曜11月6日、性における”同意”を考えるワークショップを中央大学多摩キャンパスにて初開催いたしました。

会場には15名の参加者が集まり、4チームに分かれてペアワークやグループワークを通して”同意”を考えてもらいました。

ワークショップの内容は、同意の大切さを知る第1部①~③と、同意のコミュニケーションを学ぶ第2部④~⑥に分かれます。

<第1部>

①ペアで〇〇をしよう!~同意を身近に感じるアイスブレイク

②部屋に行ったら同意!?~同意のないシナリオ実演

③責任はアクションを起こす側にある~同意や性暴力の定義や実態を知るレクチャー

<第2部>

④ペアで〇〇をつくろう!~同意を得るためのコミュニケーションの体験

⑤同意のあるコミュニケーションの実践~シナリオの改変

⑥あなたにとって同意って?~同意を自ら定義づける

 

シナリオ実演パートでは、大学生同士で想定できるサークルの同期とのデートの様子を参加者に実演してもらいます。"同意のない”形でのシナリオが用意してあり、ジェンダーステレオタイプや社会からの期待に応えようとするために自分の意思表明ができなかったり、相手の意思を尊重できない場面、被害がうまれる場面が描かれています。参加者は実演や鑑賞により、実感として同意の欠如による被害の実態を体感します。

同意のない不快感を持ってもらったところで、レクチャーパートに入り、日本での性暴力被害の実態を知っていただきます。性暴力はバウンダリーの侵害となるため後の精神的被害が大きいこと、自らの体のことは自分で決める権利があることなど日本の性教育では語られない内容も取り上げます。また、通常の性行為と性暴力の比較をすることで、より違いをはっきりと認識していただきます。

その後、どういったコミュニケーションを取れば良いのかを実践を通して学んでいただきました。あるものをペアを組んで作ってもらうことで、お互いの性質を理解し折り合いをつけていく部分もありつつ二人で1つものもをつくりあげます。始めて会う参加者同士でもコミュニケーションをとりながら和気あいあいとしている様子が印象的でした。

コミュニケーションを実際に体験してもらったところで、その実践をもとに、さきほど第一部でのシナリオではどのようなコミュニケーションが理想かを考えていただき、実演もしていただきました。会場全体で案をだし1つのハッピーなシナリオへと変えていくことができました。

<参加者が考えた同意の定義>

 

ワークショップを終えて、参加者からは

『今まで深く考えたことがなかった問題なので、とても勉強になった。周りの友達や自分に将来子供ができたときに同意について伝えたい。』

『日本の文化は素晴らしいが、”性”や”同意"に対する意識が薄いと感じた。もっと大学全体的に教えられるべき。』

『大切なこと・身を守るために知っておくべきことだけど、まだまだ目が向けられにくい意識されにくいことなので、とても貴重な機会だと思った』

『異性に対してのみならず相手の意思を尊重することで、相手と一人の人間としていい関係がつくれるようになることを学んだ。』

といった感想が得られました。

今回、初めて学内の開催に取り組み、性行為がコミュニケーションを伴うものであることという認識が浅い印象を改めて受けました。コミュニケーションをとっていく中で同意を得ることについて考え、参加者自身が自分の身体についてや相手との関係性について改めて考える機会として今回のワークショップは有意義だと改めて感じました。

継続的な開催と規模の拡大に向けてこれからも改善して取り組んでいきます!


中央大学 足立有希